2018.12.18

Agile Development Center の取り組み 〜アジリティ高くサービスをデリバリするために〜

鈴木啓太
ソフトバンク株式会社
テクノロジーユニットIT&ネットワーク統括
IT本部 コンシューマシステム統括部
アジャイルデベロップメントセンター
このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめまして。ソフトバンク株式会社の鈴木啓太と申します。

Regional Scrum Gathering Tokyo Advent Calendar 2018 の 18 日目の記事です。

昨日は、Hironori Kuriaki さんの「8年目のRSGTと自分」でした。Regional Scrum Gathering Tokyo(以下、RSGT)に初回から参加者・スポンサー・スタッフと様々な形で参加されている立場から、RSGT の魅力や、Scrum やアジャイル開発が当たり前のものとして扱われてきている現状が語られており、非常に興味深く読ませていただきました。

はじめに

著名人が並ぶこのアドベントカレンダーの中で、私の名前を見て「誰?」と思われた方がほとんどかと思います。私は今回の RSGT が初参加となります。ソフトバンクとしても、今回初めてスポンサーとしての機会をいただきました。当記事では、私たちの取り組みについて紹介させてください。

自己紹介

2017 年にソフトバンクに新卒入社した後、Agile Development Center(以下、ADC)という組織で、アジャイル開発の実践を行なっています。

オンラインショップなど主にフロント系システムの開発に携わる傍ら、社内/社外への取り組みの発信や、キャリアパスの提示&スキルの見える化、DevOps 実現のための製品選定などを行なっています。

Agile Lab の発足

ADC は 2017 年の 7 月に発足した組織で、今年 9 月に改名する前は Agile Lab という名称でした。この組織では発足当初から、

- 加速していくビジネス環境の変化に対応し、ユーザ要望にアジリティ高く、サービスを必要とされているタイミングでデリバリできること

- 社員メインで活き活きと仕事を楽しめる、プロフェッショナルが集まる企業文化の創生

の 2 つをミッションステートメントとしています。

「ソフトバンク」と聞くと、最新のテクノロジーを積極的に取り入れる、ベンチャー気質でフットワークが軽い企業というイメージがあるかもしれません。しかしながら、通信は重要な社会インフラであり、社内のシステムはウォーターフォール型の開発で堅実に進められてきました。また IT 部門組織も、典型的なコンポーネントチーム構造になっています。扱うサービスも非常に大規模なものが多く、これらのサービスをキャリアグレードで安定的に提供していくためには、アーキテクチャレイヤーごとに専門家を集めたコンポーネントチームが必要だと思います。

一方で、ビジネスの変化が特にめまぐるしいフロント領域においては、既存の組織体系や既存の開発手法のままでは、ユーザの要望に対して素早く柔軟にサービスを提供していくのが難しいという実情がありました。さらには MVNO の参入で通信事業から新規領域へのシフトも求められている中、ビジネスの変化に適応しながらアジリティ高くプロダクトを提供するために、Agile Lab が誕生しました。Agile Lab(現 ADC)ではスクラムをベースに、XP の技術的プラクティスを組み合わせて、アジャイル開発の実践をしています。

Agile Development Center へ

Agile Lab の位置付けとして、当初は

- 開発

- エンジニア育成/教育

- 社内アジャイル推進

の 3 本柱を掲げていました。開発は言わずもがなですが、社内にアジャイル開発が出来る社員を増やし、推進するという役割も持っていました。そのため、Agile Lab の常駐メンバーに加えて、他部署のエンジニア(特に新人)を 3 ヶ月の期間限定でスクラムチームにアサインするという取り組みも行なっていました。そこでアジャイル開発を学んでもらい、元の部署に帰った後もインフルエンサーとしてアジャイルを広めてもらう、という目論見だったのです(実は私自身も、新人として期間限定で Agile Lab に参加した立場でした。しかし、自らの手でユーザにアジリティ高く価値を提供するというミッションに共感し、途中から正式な Agile Lab のメンバーとなりました)。

しかしながら、開発機関とエンジニア育成機関の両立は、現実にはなかなか上手くいきませんでした。要因としては例えば、この方法では頻繁にチームメンバーが変更されることになり、都度チームビルディングにコストがかかってしまったことが挙げられます。その他にも様々な失敗や試行錯誤を繰り返してきたのですが、この辺りの失敗談は、機会があれば別の場所で...。

そうした背景を経て Agile Lab は、より開発に特化した機関へとシフトチェンジを行い Agile Development Center へと名前を変え、いまに至ります。

最後に

Agile Lab 設立当初は卓球台で開発を行うような小さな組織でしたが、幸いにも、発足してから小さいながらも成功事例をいくつか生み出し、社内での注目も高まっています。今後、組織の規模も拡張し、さらなるフロント領域の開発を行なっていく予定です。

設立当初の作業机

181212_Softbank_01.jpg

今回の RSGT は、

- アジャイル(スクラム)コミュニティでの交流を広げること

- ソフトバンクのアジャイル開発への取り組みを発信すること

を目的に、スポンサーとして参加させていただくことにしました。個人的にも RSGT 初参加ということで、非常に楽しみにしています。当日はブースも出しているので、興味を持たれた方はぜひお立ち寄りください!

明日は、中村洋さんの「自分なりのRSGTの楽しみ方」です。お楽しみに!

この記事の著者:鈴木啓太

ソフトバンク株式会社
テクノロジーユニットIT&ネットワーク統括
IT本部 コンシューマシステム統括部
アジャイルデベロップメントセンター

2017 年に新卒入社し現在3年目。「ユーザに向けた新しい価値を自ら作り、届けていきたい」という想いのもと、フロント系システムの開発に従事。日々アジャイル開発の実践を行う傍ら、社内/外への情報発信・アジャイル開発のトレンド調査や、DevOps 実現のための製品選定などに取り組んでいる。


DevOps Hubのアカウントをフォローして
更新情報を受け取る

  • Like on Feedly
    follow us in feedly

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

DevOpsに関することなら
お気軽にご相談ください。

Facebook、TwitterでDevOpsに関する
情報配信を行っています。