【カサレアル インタビュー:Vol.4】
呼吸するように学べ!スキル向上に必要な原動力とは
IT化の重要性が叫ばれる中、DXやクラウドネイティブよりも前から定着しており、改めて注目されているキーワード"DevOps"。
今回、DevOpsをテーマにSB C&S社から株式会社カサレアルへのインタビューを企画。DevOpsの現状や実践のために必要なこと、DevOpsにおけるエンジニア像などを4回に亘りお送りします。
最終章である本編では、スキル向上に必要な原動力についてお伝えしていきます。(Vol.3はこちら)
▌ スキル向上に必要な原動力
----開発側・運用側にかかわらず、これから主流となってくるクラウドネイティブな環境において、エンジニアに求められる根本的なスキル・スキル向上に必要な原動力、とは何でしょうか?
一人で握っていた技術の価値や、何か一つを極めれば大丈夫という考えが通用しづらくなっていくと思いますし、何かを習得することで一定レベルやっていけるというのも極めて不確かですので、とにかく学び続けるということが必要になってきます。言語にしても技術にしても、何か一つを身に着けたところでどんどん新しいものが出てきますし、やればやるほど色々なものが見えてくるはずなので、見えたものについて一定レベルの勉強をさらにしていく。一方であえてこれ以上は踏み込まない、というところを自分でコントロールできるのが理想ですね。
言い方は難しいのですが、一定のものを掘り下げていくのってエンジニア的な感覚でいうと楽ですし、追及していくことで目の前がどんどん開けていくので勉強している感も出てくるんですよね。それも良いことではあるのですが、今の技術進歩で考えると技術トレンドに帰ってこられなくなるので、極めて危険な罠でもあります。クラウドネイティブの世界では、あえて見通しが立ったくらいで一旦止め、他を掘ってみると以前掘ったところに繋がるということがあります。「昔やったこれって、ここに繋がるんだ」と通じる瞬間があるので、そこにモチベーションや喜びを取っておいてほしいですね。
全員が全員同じ価値観というのは求めていませんし、そもそもダイバーシティの考え方に反しますが、ただバランスとして「あえて深掘りしない」というような方がもう少し増えて、活動領域が広くなっていくと良いなと思います。深堀りする世界よりは、浅いかもしれないが目的をはっきり確認したところでエンジニアリングを発揮する、というようなことが実は重要だったりします。
私の部署のスローガンに「学びは呼吸だ」というのがあります。勉強は呼吸と同じだと思っており、"吸う"すなわちインプット、自分の中に知識や経験を入れていくっていうのを、エンジニアは多くしたがります。しかしずっと吸い続けていると、これ以上は吸えないという状態になってしまいます。よほど特殊な方でない限り、混乱してきたり気分転換したくなるに決まっています。ということでバランスよく、吸ったら吐けばいいのだと。"吐く"というのはアウトプットですね。せっかくチームとして働いていて、それぞれが色々なことをやっているのですから、「こんな事やったらこうだったよ」と情報交換するだけでも全然違います。人がやったことを、場合によっては、さも自分がやったかのように語れるくらい、活用していけば良いと思います。それをまた自分の知見としてどんどん使っていくことで広がっていきますので、吸い続けるだけの勉強の仕方ではなく、吐くことで血肉としていってほしいです。私の部署で作ったサービスに「クラウドネイティブ道場」というものがありますが、学び・情報を自分ひとりのものにせずみんなに向かって吐きだし、みんなが吐いたものを吸ってまた自分ものにしていくというスタンスを取っていたことが、ご評価いただけるサービスを短期間でリリースできた理由かと思っています。
▌ 読者の方へ
----明日から取り組めるアドバイスをお願いいたします。
アドバイスという程ではありませんが、「呼吸するように学びましょう」「木を見て森も見ましょう」ということですね。吸い続けるのは大変なので定期的に吐き出す、特定領域だけを見るのではなく周りを見渡すということを意識していただきたいです。特に開発担当者が今やっていることは、数年前に「何年かけてやりましょう」と固めた枠の中でやっていることなので、そこに落ち着かずに外側にも目を向けてほしいですし、次の自分たちの仕事というのをしっかり議論し、自分たちがリードしていくのだというような感覚を持ってほしいと思っています。
これにてインタビューは完結です。特に運用に焦点を当てたDevOpsの話となりましたが、エンジニアの方々の身になるものが少しでもあれば幸いです。ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
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この記事の著者:情野 あずみ
営業部 マーケティング担当
新卒でアウトソーシングサービスを展開する企業に入社、Webサイト運用やLP制作ディレクションを担当。カサレアル入社以降、ホームページ改善・制作からイベント出展など、マーケティング全般を担う。
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