どうしてDevOpsをオフショアで?
はじめに
こんにちは、株式会社 BJITの笹本 真奈美と申します。
弊社では、バングラデシュのオフショア開発環境を利用して、開発から運用まで、さまざまなIT関連のお手伝いをさせて頂いております。
今回は、弊社でサポートしているDevOpsの導入から運用までの効果を、実際の事例を元に紹介させて頂きたいと思います。
どうしてDevOpsをバングラデシュで?
今回ご紹介する事例のお客様ですが、DevOps導入前は下記のような状態にあり、改善を図る為に弊社へ依頼を頂きました。
- DevOps導入には興味があるが、突然プロセスが変わると現場が混乱する。段階を経て、DevOps環境を構築していきたい。
- 特定製品についてインドの保守ベンダーを利用しているが、人件費が高騰してきており、人件費を抑えたい。
- 提供しているサービス品質には問題を感じていないが、開発・運用プロセスを改善し、エンジニアにより効率的に活躍してほしい。
- エンドユーザーの満足度向上を図っていきたい。安定したサービス提供や、障害発生時の一刻も早い復旧のため、運用方法の見直し・改善を行いたい。
上記の課題の解決策として、弊社よりバングラデシュのリソースを活用したDevOps導入対応のご提案をさせて頂いたところ、
- 15年以上(当時)にわたる、日本を中心としたグローバルなお客様向けのシステム開発・運用実績があり、その知見をもとにソリューションを提供できること
- バングラデシュの豊富なITエンジニアマーケットから、スキルセットが最適なエンジニアをセレクションし、かつ、短期間で稼働開始できること
- インドと比較して安価に提供できること
上記の点が後押しし、バングラデシュでDevOpsプロジェクトを発足することとなりました。
どのようなステップで?
お客様の当時の課題をもとに、改善すべきポイントを優先度付けし、3つのステップで段階的に取り組みました。
ステップ1
ステップ1として取り組んだ点はCD(Continuous Delivery)環境の構築です。
当時お客様内では、デプロイ作業に大変な時間と労力を使っていたことが大きな課題となっていました。CDスキームを構築することで、この負担をどうにか減らし、エンジニアがよりコーディング等の開発作業に集中できるようにしたいと強くご希望されており、最重要課題として取り組みました。
ステップ2
次に取り組んだ点は、ELK(Elasticsearch/Logstash/Kibana)によるリアルタイムログ管理環境の構築です。
内部統制のためにログ管理はマストであり、リアルタイムでログを収集・管理・分析することで、各サービスの利用状況の把握や、ログの不正改ざんを防止することができるとともに、怪しい行動やアクセスをその場で確認することができます。
ステップ3
最後のステップとして取り組んだ点は、各種サービスのモニタリングの仕組みの整備です。お客様は、多種多様な分野・プラットフォームのサービスを利用しているため、これらのサービスステータスを一元的にモニタリングする仕組みを整えました。この仕組みにより、早急に異常を検知することができ、障害発生時のダウンタイムの短縮や、大きな障害への発展を未然に防ぐといったメリットに繋がります。
導入後の変化は?
一番の課題だったデプロイ作業の負担については、CDの運用を開始したことで、大幅な削減ができました。
特に早急な対応が求められる障害発生時の対応は、CD運用前と比較すると、リリース頻度が8倍、リカバリー対応時間も12倍に向上し、エンドユーザー様への影響も減らすことができるようになりました。
改善できたポイントは、デプロイ作業の負担だけではありません。
デプロイ作業のほとんどを自動化することで、ヒューマンエラーが生じる余地を極限までなくすことができ、品質を効率的に保証できるようになりました。
ステップ2で行ったログのリアルタイム管理では、当初より期待されていた内部統制に向けた効果はもちろんのこと、ログの収集により、正確にシステムの利用傾向を分析できるといった効果も生まれました。このログをご活用頂き、お客様側で、システム更改時のポイントを的確にご検討頂けるようになりました。
モニタリングサービスについても、各サービスのステータスを一括で容易に監視することができるようになり、サービス品質向上の指標利用やモニタリングに関わる工数削減ができるようになりました。
まとめ
以上のように、当初の期待事項以外にも効果を感じて頂くことができ、お客様には大変ご満足を頂きながら、現在も運用を継続させて頂いております。
運用を継続させて頂く中で、同じメンバーの長期的なアサイン、およびプロジェクトノウハウの集約・共有化についてご好評を頂いております。
同じメンバーのアサインを継続することで、自身が次に同じ課題に直面した際に過去の経験をもとに効率的に対応することができ、パフォーマンス向上に貢献しています。
合わせて、日々のプロジェクト知見は、こまめに管理ツールに集積していくことで、メンバーの増強・交代を行う際の共有・引継ぎをスムーズにしており、品質低下を防いでいます。
上記は弊社としての方針ではありますが、この施策を実現できているのも、社員であるバングラデシュ人エンジニアたちの、組織に帰属的でまっすぐな性格である国民性が背景にあると考えております。
バングラデシュにおけるオフショア開発の様子
おわりに
今回は、弊社の事例を紹介させて頂きました。
"品質を落とさずに、効率的に開発・運用をしていきたい!"
このニーズにお応えできるソリューションがバングラデシュにございます。
気軽にご相談くださいませ。
お問い合わせお待ちしております!
この記事の著者:笹本真奈美
大学卒業後、NTTデータに入社し、メガバンクシステムの開発・保守を担当。その後、青年海外協力隊員としてバングラデシュでIT分野のボランティア活動を経験。バングラデシュ人の親しみやすさ、エネルギッシュさに心動かされ、現職にてバングラデシュのオフショア開発を日本の企業様へご紹介・ご提案しています。
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