2025.10.13

【イベントレポート】GitLab Epic Conference & GitLab Partner Leadership Summit【GitLab】

佐藤梨花
SB C&S株式会社 ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第2技術部 2課
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はじめに

先日、GitLabが主催するAPJ年次イベント「GitLab Epic Conference」及び「GitLab Partner Leadership Summit」に参加してきました。
昨年度からスタートしたこのイベントですが、今年は去年の倍以上の参加者が集まり、GitLabの最新アップデートやビジネスの方向性についての発表に耳を傾けていました。
ここでは、イベント全体の概要、注目発表、そして私自身の感想をまとめたいと思います。

全体概要

Image.jpg イベントは昨年度と同様にシンガポールのFAIRMONT SINGAPOREで開催されました。
開催期間は2025年9月17日~18日の2日間で開催され、それぞれの日程は以下の プログラムが実施されました。

17日:GitLab Epic Conference

GitLabとAPJにおけるパートナー、ユーザー、経営層が一堂に会す年次イベントです。
2025年度は「AI駆動型ソフトウェア開発」の未来をテーマに議論が行われました。
内容としては最新の製品ロードマップの共有、Duo Agent Catalog に関する今後の計画や、ソフトウェア構築を再定義する革新的技術のプレビューが行われました。

18日:GitLab Partner Leadership Summit

GitLabパートナー企業向けの招待制イベントで、地域の営業状況やパートナー戦略の共有、市場動向のアップデートが行われます。
2025年度はAWSやGoogle Cloudとのパネルディスカッションも開催され、ハイパースケーラーとの連携強化に向けた今後の展望について発表が行われました。

参加人数もそれぞれのイベントで、初開催だった去年の参加人数を大きく上回り、日本からの参加者も6社12名から10社22名に増加しております。ここからもGitLabの注目度が伺えます。

プログラム

GitLab Epic Conference

AM

・Welcome + Opening Remarks
・Beyond the Prompt: AI that builds with you, not just for you
・The Rise of the Agents: Driving Innovation in Secure Software Delivery
・GitLab Customer Panel
・Scaling Teams, Platforms, and Applications
・The Orchestration Era: How Humans and AI Will Build Software Together

PM

Builder Track:

・Building and Deploying AI-Native Applications with GitLab

Executive Insights Track:

・We don't need more security products, we need more secure products.
・Core AI Concepts Every Platform Leader Should Understand
・Building the Business Case for an AI DevSecOps Transformation
・The 3 Waves of AppSec: How We Got Here and Why AI Changes Everything
・Closing Keynote: ​Lessons from Everest: The Success Journeys

ビジネスの方向性から今後のアップデート発表、ユーザー登壇の座談会まで、とても盛沢山な一日でした。
特に今後のアップデート発表では
・クラウド連携強化
・AIワークロードとしての機能強化
・DevSecOps機能強化
と見逃せない内容だらけでした。こちらの内容については詳細を後述させていただきます!

また午後はビジネスセッション技術セッションに分かれてプログラムが実施されました。 私は技術セッションに参加させていただいたのですが、こちらはGitLab Duoのハンズオンという、なんとも豪華な内容でした。
基礎的なチャットの活用から、Issueチケットから内容を解析し実装~マージリクエストまで完了させるという、まさにエージェントといえる内容まで体験させていただきました。
AI機能はなかなか試すにもハードルが高い...というユーザーの皆さんもいらっしゃったようで、 うまく機能しないといったトラブルは発生しつつも(ハンズオンあるあるですね)、皆さんお話しされながら楽しんで参加されていたのが印象的です。

GitLab Partner Leadership Summit

・Welcome Opening Remarks
・Executive Welcome
・APJ Sales insights Strategy
・GitLab Ecosystem Strategy and Momentum
・NexGen Software Development Powered by Al
・From Code to Production: How you can Help Customers Transform with Agentic Al
・Driving Growth with GitLab Clouds: The Power of 3
・AWS Session ★
・Partner Panel ★
・It's a Journey - Customer Success through Partner Services
・Empowering Partners with Enablement Training
・The Evolution of the GitLab Partner Program
・Q A, Call-to-action Closing Remarks

日本からの参加者が登壇するセッション(★マークセッションが該当)もあり、2日目も興味深い内容が目白押しでした。
特にクラウド連携強化に関する内容についてはGoogle、AWSの両社が登壇したりと、興味を惹かれないエンジニアはいないのではないでしょうか。

注目発表

イベントにおける個人的な注目発表について深堀していこうと思います。

クラウド連携強化

クラウド3.png

AWS、Google Cloud、RedHatとの連携を強化することが発表されました。
これによりGitLabの稼働基盤が増えることはもちろん、それぞれのクラウドの既存機能と深く連携し、よりセキュア且つ機能性の高いGitLabの開発ワークフロー環境を実現することが可能になります。
既にお使いのクラウドがあればもちろんのこと、オンプレミス版基盤の選択肢が充実するというのは、特にセキュリティに関して関心の高い会社にとっては嬉しい発表です。

AIワークロードとしての機能強化

AIワークロード.png

GitLabの強みである「開発ライフサイクルをワンプラットフォームで完結させる」を活かし、「AI活用を単純なコード生成で終わらせない」というメッセージが印象的でした。
そのメッセージ通り、アプリケーション開発ワークフロー全体をカバーするGitLabの既存機能にしっかりとAI機能を組み込み、隙のないサポートと一貫した生成の実現に寄与します。
またそれぞれ得意分野を持つサードパーティー製品での情報や生成結果をGitLabに集約することで、それぞれのフローで最も効果的なAIを利用しつつ、生成物や情報はGitLabで一元管理が可能になります。これは運用管理的な観点はもちろん、サードパーティー製品もこのGitLabに保存されたデータを参照することで、連携する様々なツールが「シングルソース」を元にした生成を可能にします。
現状のAIにおける弱点をしっかりとカバーする、なんともGitLabらしい素晴らしい戦略だと感じました。

Knowledge Graph

Image (3).jpg

リポジトリをKnowledge Grapで構造化することでAIのコード構成理解を高め、Agentによる生成結果の精度を向上させることが可能です。
またトークン消費の減少や、生成スピードの向上も期待できます。
もちろん開発者からの可視性も上がりコード理解の質を高めることもできるので、生産性向上も同時に実現できます。
参加者の注目度も高く、リリース後には絶対に試したい機能の一つです!

Deep Research

Image (2).jpg

knowledge graphとセマンティック検索を活用して、ソフトウェア変更のコンテキスト全体を横断したDeep Researchを実行できます。
対象コードを理解した状態で実行されるため出力精度が高く、且つGitLab内で完結するためセキュリティも担保できるという嬉しい機能です。
マイグレーション等でも活用できるのでは?と注目しています。

AI Catalog

Image (4).jpg

GitLabで使用可能なエージェントをカタログ表示する機能です。
カタログ化することで「許可されたエージェントのみを使用する」ことが可能になります。
脆弱性や攻撃要素を含んだエージェントもすでに確認されているため、このような機能による制限でコンプライアンス性を高めることが今後重要になります。

DevSecOps機能強化

Image (5).jpg

既存機能であるセキュリティダッシュボードが強化されます。
チケット登録からどれだけ時間がかかっているかといった内容とマージしながら確認できるため、 サードパーティー製品のみでのチェックよりも「プロジェクト進行に沿った」セキュリティチェックができるのではないでしょうか。

この他にも機能強化や新機能の発表が行われたため、実際に使える日が来るのがとても楽しみです!

感想とまとめ

GitLabを主語にした情報交換の価値

参加者全員が「GitLab」に携わっているからこそ、共通の基盤をもとに多彩な情報交換ができました。
特に「GitLabを紹介するときにどこを意識して伝えるか」「お客様にとってのアピールポイントは何か」といった実務直結のテーマについて、 イベントの枠を超えて学びを得られたのは大きな収穫でした。

技術も交流も熱い!

ディスカッションでは、AIを絡めた技術的な議論が特に活発で、 自分とは違う視点(しかもすごく高い視点!)を持つエンジニアの方々の意見を聞けるのが本当に刺激的でした。
GitLabという共通のテーマから話題が広がり、Receptionではいつも大盛り上がり。 宿泊を伴うからこそ、腰を据えた深い会話ができるのも、このイベントの醍醐味だと感じました。

来年に向けて

今回の2日間で得た学びやご縁を大切にしつつ、今後の業務にしっかり活かしていきたいと思います。発表された新機能についても積極的に検証し、ブログ発信していきますのでよろしくお願いします。
そして何より...「来年もぜひ参加したい!」と心から思えるイベントでした。今から来年のイベント、そして発表が楽しみです。

Image (7).png ということで、情報収集だけで収まらない、得るものがとても多いイベントでした。 GitLabの最新アップデートや機能紹介については今後もこちらのブログサイトにて随時掲載していきますので、GitLabに興味を持たれた方は是非過去記事も併せてご覧ください!

GitLabの特設サイトはこちら

フォームに必要GitLab特設サイトでは、GitLabの製品情報や トライアル(無償試用版)をお申込みいただけます。 ぜひ、特設サイトをご確認ください。事項を記入いただくことで、資料がダウンロードできます。

この記事の著者:佐藤梨花

SB C&S株式会社 ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第2技術部 2課

勤怠管理システムの開発(使用言語:Java)に約8年間従事。
現在はエンジニア時の経験を活かしたDevOpsやDX推進のプリセールスとして業務に精励しています。


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