2019.11.20

IBM Cloud Pak for Multicloud Managementで実現するマルチクラウド環境の管理

太田充紀
日本アイ・ビー・エム株式会社 クラウドSW 第一テクニカルセールス
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はじめに

こんにちは、日本アイ・ビー・エム株式会社の太田 充紀と申します。

近年、様々な企業がDX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現に向けて、既存システムやアプリケーションのモダナイゼーションを進めています。

IBMでは、Kubernetesをベースにオープンテクノロジーを活用して、お客様システムの迅速なモダナイゼーションを支援する「IBM Cloud Paks」を提供しています。

「IBM Cloud Paks」は、下記の3点を統合したパッケージ・ソリューションです。
Red Hat OpenShiftを採用したコンテナ・プラットフォーム
コンテナ化され、セキュリティー/ロギングなどプラットフォーム各種サービスと統合された多様なIBMソフトウエアとオープン・ソース・コンポーネント
③開発とコンテナ向け共通管理基盤

IBM Cloudだけではなく、他ベンダーのクラウドやオンプレミスにも導入することができます。

2019/10現在、これらの特徴をベースに、下記の5つを用途別に提供しています。

IBM_SS.png

本稿では、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドで稼働する企業システムの一元管理を実現する「IBM Cloud Pak for Multicloud Management」と、その主要コンポーネントの1つにあたる「IBM Multicloud Manager」についてご紹介します。

「IBM Cloud Pak for Multicloud Management」でマルチクラウド環境を管理

企業システムのモダナイズが進むにつれて、オンプレミス環境とクラウド・ネイティブ環境が並行稼働し、システムの運用管理が複雑になるという課題が出てきます。

「IBM Cloud Pak for Multicloud Management」は、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドで稼働する企業システムを一元管理するソリューションです。

具体的には、マルチクラスター管理、イベント管理、アプリケーション管理、インフラストラクチャー管理と、既存のツールやプロセスと統合するためのコンポーネントが組み込まれています。

IBM_S.png

「IBM Multicloud Manager」を活用して複数のKubernetesクラスターを一元管理

企業システムにコンテナ/Kubernetesを採用し、何らかのサービスを提供する場合、本番、開発、テストで環境を分離させたり、災害対策や高可用性の目的で地理的に分散させたりして、複数のクラウドやオンプレミスをまたがって、複数のKubernetesクラスターを管理する必要が出てきます。

「IBM Multicloud Manager(以下、MCM)」は、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドで稼働する複数のKubernetes基盤を一元管理するソリューションです。

MCMを利用することで、下記4点のサービスが提供されます。
① すべてのクラスターの正常性やコンプライアンスを確認できる
② アプリケーションのデプロイを一元管理できる
③ マルチ・クラスター全体のトポロジー把握/リリース管理ができる
④ ポリシー設定内容を一元管理できる

Red Hat OpenShiftやIBM Cloud Privateだけではなく、IBM Kubernetes Service (IKS)、Microsoft AKS、AWS EKS、Google GKEといった、多様なKubernetes環境をシンプルに統合管理することができます。

その結果、Kubernetesクラスターの構成情報やイベントを集約して表示でき、管理者は多岐にわたるKubernetesクラスターを迅速に把握できるようになります。

IBM_003.png

MCMを活用することで、複数のKubernetesクラスター環境を単一のコンソールから管理できるようになり、Kubernetesのマルチクラスター環境の俯瞰や、クラスターをまたがったアプリケーションのデプロイなどができるようになります。

また、Placement Policyを指定すれば、KubernetesのSchedulerのように、条件にあうKubernetesクラスターを動的に選択してアプリケーションを稼働したり、ポリシーベースで稼働インスタンス数を管理したりできるようになります。

その他にも、Kubernetesクラスターのロールベースアクセス制御権限の管理として、コンプライアンス・ ポリシーを用いて、企業ポリシーを逸脱するロールベースアクセス制御設定の更新を検知し、通知や自動修正といったアクションをとらせることもできるようになります。

IBM_004.png

おわりに

ここまで、IBM Cloud Pak for Multicloud Managementで実現するマルチクラウド環境の管理についてご紹介してきました。

関連リンクの情報についても参考にしていただければと思います。

関連リンク

IBM Cloud Paks
https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/paks

IBM Cloud Pak for Multicloud Management
https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/cloud-pak-for-management

資料のダウンロードはこちら

フォームに必要事項をご記入いただくことで、
本製品の資料をダウンロードできます。

この記事の著者:太田充紀

日本アイ・ビー・エム株式会社 クラウドSW 第一テクニカルセールス

WebSphereやWatsonのテクニカル・サポートとして活動し、様々な業界のお客様システムのデリバリーを経験。
現在はIBM Cloud Pak for Applications/IBM Cloud Pak for Multicloud Managementなどの
テクニカルセールスとして活動中。


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