Dockercon 2018 レポート
こんにちは。SB C&Sの竹石です。
6月12日 ~15日に開催された、Dockercon 2018に参加いたしましたので、その様子をレポートします。
Dockerconとは?
年2回(北米/ヨーロッパ)で行われるDocker社主催のグローバルカンファレンス
https://2018.dockercon.com/
- 開催日
2018年 6月12日 ~ 2018年 6月15日の4日間 - 開催場所
モスコーンセンター カリフォルニア州 サンフランシスコ
2014年開始当初は500名、昨年は5,500名、今年は約6,000名が参加
カンファレンスはDocker社、関連企業などから100を超えるセッション、約100社のスポンサー、Networking Party、様々な展示ブースなど盛り上がりを見せていました。
ちなみにSB C&Sもスポンサーとして名を連ねております。 ※スポンサー一覧はこちら
Day1 Keynoteセッション
CEOのSteve Singhの挨拶から始まり、新機能、導入事例、デモなど約10名でバトンを繋ぐ、盛りだくさんの内容でした。
Day1 Keynoteセッションのキーワードは以下です。
Docker利用は引き続き増加している
去年1年間で
- Docker Desktopを利用し始めたデベロッパーの数:100万人以上
- Docker Hubにシェアされた新しいアプリケーションの数:1万個以上
- 毎2週間で10億のコンテナがダウンロードされており、累計500億のコンテナがダウンロードされました。
3つの約束、「Choice」、「Agility」、「Security」
Agility、Securityは言葉はそのままの意味ですが、Choiceには「選択の自由」というニュアンスが含まれています。
DockerはNo Lock-in、単一のOSまたはVMモデルに結びつかず、すべてのクラウドプロバイダーに選択肢を提供するという意味ですね。
Docker Desktopの機能拡張
一言で表すとDocker DesktopのUI提供です。
これによりコンテナ化のハードルが一気に下がります。DockerfileやDocker Composeの記述をUIでボタンを押すだけで実行してくれます。
導入事例
現在500以上のエンタープライズユーザーがいます。
その中でもMcKessonの導入事例がフォーカスされました。
McKessonはFORTUNE500の5番目にランクしており、全米最大の調剤薬局チェーンを展開しています。
アメリカで処方される薬の三分の一はマッカーソンで調剤されているとのことです。
Dockerを採用した理由について、変化していく消費者のニーズについていくために、さらなるAgilityが求められており、開発者がプロダクトを概念化してからほぼその日のうちにプロダクトを提供できるようにしなければならなかったためといっています。
Docker loves Windows
Docker EE 2.0でオーケストレーターとしてKubernetesがサポートされましたが、Windowsコンテナのオーケストレーションはサポートされておりませんでした。
それが今回のKeynoteセッションでKubernetesのWindowsコンテナオーケストレーションのサポートが発表されました。
このパートではMicrosoftのCorporate VPのErin Chappleも登場し、Windowsのサポートをかなり強く押していた印象です。
マルチクラウドでのアプリケーション管理
冒頭の3つの約束とも繋がってきますが、オンプレミスやクラウド、さらにはAKS、EKS、GKEなどの環境のアプリケーションを統合管理することができます。
複数のプラットフォームのコンテナを単一コントロールできるようになることは非常に利便性をあげ、かつセキュリティー的にもガバナンス強化につながります
Day2 Keynoteセッション
シニアディレクター兼プロダクトマーケティングのBetty Junodの挨拶から始まり、ゲストスピーカーとして2016 International Book of the Year に選ばれたVAPORIZEDの著者であるRobert TecekがVAPORIZEDされた未来について語りました。VAPORIZEDとは「蒸発した」「気化した」という意味です。
どういうニュアンスなのかお伝えしますと、世の中の物質的なあらゆるものがまるで蒸発したかのようにソフトウエア化、クラウド化していくという意味です。
本やCD、地図、ゲームなどはすでにVAPORIZEDされており、医療、タクシー、高等教育までもがVAPORIZEDされていっております。
Day2のkeynoteの最後には導入事例としてアメリカ保険業界で100年以上の誇るLiberty Mutualの事例が紹介されました。
Liberty MutualはDocker EEを本番環境で利用しておりworkload110%増、サーバーフットプリントが6%減少しました。
保険というミッションクリティカルなシステムの本番環境でDockerの実績があることは信頼度が大きく向上しますね。
ブース
79件ものブースがありました。
IBM、Sysdigは、一番大きなブースを構えていました。
ブースの傾向としては、コンテナモニタリング、ビヘイビアアナリティクス、脆弱性スキャン、マイクロセグメンテーションなど、Dockerに関連するセキュリティー企業のブースの数が多かったです。
TrendMicro、Symantecといったアンチウイルスでお馴染みの会社から、Quolys、Tenableなどの脆弱性マネジメントの伝統的な会社、そしてAqua Security、Twistlockといったコンテナセキュリティーに特化した会社など様々な企業が出展していました。
まとめ
短い間でしたがサンフランシスコの風を感じることができました。セッションやブースでは積極的にディスカッションが行われており、温度感が非常に高かったです。日本人は50人ほど参加されていたと思います。
また冒頭のCEOの3つの約束、ブースの傾向、そして個別セッション内容を受けてセキュリティーへの注目が高まっているように感じました。その理由として、Dockerコンテナは開発環境だけでなく、本番環境においても利用され始めていることに起因しているのではないでしょうか。
KeynoteセッションがYoutubeにアップされています。
Day1:https://www.youtube.com/watch?v=SGBEq4A8ZHQ
Day2:https://www.youtube.com/watch?v=gBTPeAewu6M&t=1297s
また今回の3つの新機能(Federated Application Management Across Multiple Clouds、Kubernetes on Windows Server、Docker Desktop)は以下からbetaに参加することができます。
https://beta.docker.com/
関連リンク
資料のダウンロードはこちら
フォームに必要事項をご記入いただくことで、
Dockerの資料をダウンロードできます。
この記事の著者:竹石渡
ICT事業本部 MD本部 技術統括部
テクニカルマーケティングセンター ビジネス開発課
新卒でSB C&S株式会社へ入社し現在7年目。
セキュリティー製品のプリセールスエンジニアとして案件支援やハンズオン、プロダクトの性能検証などに従事。
昨年は年間20回以上セミナーに登壇し、セキュリティーのエヴァンジェリスト活動にも力を入れている。CISSPを保有。
2018年4月からビジネスデベロップメントに従事。新規プロダクト立ち上げの一環としてDevOpsを担当。
DevOpsを愛し、DevOpsに愛される男を目指し日々邁進中。
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