SB C&Sの最新技術情報 発信サイト

C&S ENGINEER VOICE

SB C&S

【コラム】STEM教育とプログラミング教育必修化

その他
2019.07.03

STEM教育とプログラミング教育

こんにちは。SB C&S 鵜重(うじゅう)です。
STEM教育用のソリューションを手にする機会に恵まれましたので、その背景となる日本のプログラミング教育およびSTEMについて概要を解説したいと思います。

■小学生からプログラミング!?

世間を賑わせ続けている、小学校でのプログラミング教育科目の必修化がいよいよ来年スタートと間近に迫ってきています。中学校ではその翌年の2021年から技術・家庭科に組み入れられ、さらに2024年にはセンター試験に代わる大学入学共通テストにおいてプログラミングを含む情報科目の導入が検討されています。
肝心の授業の中身ですが、一番最初となる小学生の履修内容としては、C言語やPython、JAVAといったプログラミング言語をいきなり学ばせるのではなく、遊びの要素や体験コンテンツを数多く取り入れることで学習ハードルを下げつつ、論理的な思考能力のベースを養うことが最初のステップとされています。さすがにいきなり専門的なカリキュラム、とはしないんですね。
(※それでも、私が小学生の頃はスマホはおろかパソコンすら珍しい時代でしたので、すごい時代になったんだなぁと実感します。)

coding.jpg

■STEM教育

そんな中で注目を浴びているワードの1つに "STEM教育" が挙げられます。
『Science、Technology、Engineering、Mathmetics』それぞれの頭文字から取られており、科学技術に秀でた人材、論理的な課題解決能力に優れた人材を輩出するためにオバマ政権下のアメリカで推進された教育政策がベースとなっています。ただ単に従来の理数系科目やプログラミング教育に重点を置いただけということではなく、体験型学習や創造力を養う総合的なコンテンツが多く取り入られているのが大きな特徴です。

現在では世界各国にも導入されており、冒頭のプログラミング教育必修化やスーパーサイエンスハイスクールもこの世界的な流れに合致したものなのでしょう。

41fcf72d0ff717665b968273edaadb50_s.jpg

■Scratch

プログラミング教育を支える教材ですが、ドローンやロボット、センサーデバイスを組み合わせたブロックなどが続々と登場しています。私が幼い頃にも電子ブロックやラジコン自作キットなどがありましたが、当時と今とではPCやタブレット、インターネットの普及という環境の変化からか、それらを積極的に活用した実に多種多様な教材が出揃ってきています。

create.jpgそして、プログラミングの第一歩を学ぶ代表的な教材の1つにScratchがあります。Scratchはビジュアルプログラミング言語の1つと呼ばれており、子供でも理解しやすいGUIでブロックを組み合わせていくプログラミングツールで、「発想する → 作品をつくる → 遊ぶ → グループで共有する → 振り返る → 発想する ・・」というスパイラルを積み重ねて、楽しみながら創造性を養うクリエイティブ・ラーニング・スパイラルの考え方が反映されています。

 

 

scratch.jpg※Scratchのプログラミング画面です。

これから始まる小学校でのプログラミング教育でも、Scratchが多く採用されることが予想されます。実際に触ってみるとわかるのですが、ScratchはWebブラウザ上で動作し無料で誰でも自由に利用することができ、大人でも十分のめりこめる魅力的なプログラミングツールです。これまでプログラムに触れる機会がなかった親世代にとっても、子供と一緒に遊びながら学べるコミュニケーションツールとも言えますので、STEM教育の根本にある創造性を養えるうってつけな教材と言えるでしょう。

Scratchは MITメディア・ラボのライフロング・キンダーガーテン・グループによって開発されました。https://scratch.mit.edu から自由に入手できます。

他のおすすめ記事はこちら

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部 第3技術部 1課
 
鵜重 翔一