前回は、製品開発プロセスの効率化のために近年注目されている設計者CAEを加速する、Ansys社の「Ansys Discovery」を、構造解析を例として紹介しました。そして今回は、Ansys Discoveryを実際に導入し、社内の製品開発プロセスの改善に成功した、とあるA社のHさんにお話を聞くことができましたので紹介させていただきます。以下、実話です。
「Hさん、設計者CAEの推進担当に任命される」
A社では、設計者が3Dデータを作成し、それを解析専任者が構造解析をし、問題があればフィードバックするという仕組みになっていました。しかし、設計者と解析専任者の間でデータを受け渡しする際に、CADのフォーマットを整える必要があり、非常に時間がかかっていました。そこで、解析専任者のHさんは当時の部長から
「設計者が自ら解析する設計者CAEというのをやってみないか?そうすれば、データの受け渡しがなく、より効率的に設計検討ができるようになるだろう。また、自ら解析することで、設計者には強度を考えた設計ができるようになって欲しい。是非その推進をやってくれないか。」
と指示があり、Hさんは設計者CAEの推進委員に任命されたのでした。
「Hさん、設計者CAE導入に行き詰る」
Hさんはまず、設計者CAEとして当時使用していたCADに後から追加できるCAEを使ってもらおうと導入しました。また、使ってもらうための社員教育も設計者に実施しました。
しかしそれでも設計者CAE導入の壁は高く、設計者は
「設計で忙しく、使い方の難しいソフトを覚える時間がない。」
「一つの解析結果が出るまで数時間もかかるようだと、トライ&エラーに時間がかかって開発が進まない」
というのです。そうして、設計者CAEの導入は行き詰ってしまったのです...。
「Hさん、ANSYS Discoveryと出会う」
そんなある日、HさんはAnsys社のセミナーで「Ansys Discovery」の紹介を目にしました。3Dモデルの編集に追随して解析結果がリアルタイムに表示され、操作も随分とシンプルになっているようでした。
「これならば、設計者にも使ってもらえるかもしれない!」
そう確信したHさんはAnsys Discoveryの導入を決断しました。
「Hさん、ANSYS Discoveryを導入」
早速、Ansys Discoveryを導入して設計者に使ってもらった結果、
「直感的で操作がしやすい!」「設計検討が効率的になった!」
「複数案があるときにどっちを採用すべきかの意思決定が早くなった!」
と反応が良く、社内で設計者CAEが普及し始めました。
さらに、これの恩恵を受けたのは、設計者だけではありませんでした。結果的に線形構造解析を設計者が進んで実施するようになったことから、解析専任者はより高度な最適化問題や、非線形解析に時間を割けるようになりました。また、設計者に使われておらず無駄になっていたライセンスも無くなりました。こうして、会社全体としてより良い製品を生み出す好循環を生み出すことに成功したのです。
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