SB C&Sの最新技術情報 発信サイト

C&S ENGINEER VOICE

SB C&S

【Ansys Discovery】Ansys Discoveryでできる!立地検討時のビル風検証【流体解析編】

CAE
2022.10.13

これまでの紹介でAnsys Discoveryが手軽で高速解析が可能な強力なツールであることが伝わってきたのではないでしょうか。それらを踏まえ、今回はAnsys Discoveryを用いた簡易かつ高速な設計検討の一例をご紹介します。

今回はオリジナルのジオメトリを使用して、街中に建てるアパートの立地を検討してみます。アパートの立地候補は、
① オフィスと銀行の間 
② デパートの隣
の2か所のいずれかとし、立地検討の要因となる「ビル風」の様子を解析で求めます。
ビル風は強風に煽られ歩きにくくなる・風の巻き上げを引き起こす要因であるため、新たに建物を建てる際には、どのようなビル風が生じるのかを予め検討する必要があります。

ad_018_001.pngまずは、アパートを立地候補①に建てた際に生じるビル風の解析を行います。始めにビル風などの外部流れ解析に必要となる、建物を覆う流体領域:エンクロージャを作成します。上部メニューの「プリペア」タブから「エンクロージャ」を選択します。ドラッグで建物全てを選択し、建物全てを覆うエンクロージャを作成します。ここで、地面となる下部の寸法は0と設定します。設定後、画面内のチェックマークを選択することでエンクロージャの作成が完了します。

makeEnclosure.gif
次に、上部メニューの「シミュレーション」タブから「流体流れ」を選択し、境界条件として風の出入口を設定します。今回は入口から5 m/sの風を流します。これにて準備完了!画面右下の「解析」より解析を開始します。
setBoundary.gif続いて、立地候補②に建てた際に生じるビル風の解析を行います。エンクロージャを削除し、「デザイン」タブの「移動」よりアパートを移動させます。その後は先程と同様、エンクロージャ作成・境界条件の設定を行います。位置変更から解析条件の設定まで、一瞬で行うことができます。
relocation.gif
各立地候補でアパートを建てた場合での速度分布を比較し、住まいに適した立地を考えてみましょう。

ad_018_002.pngad_018_003.png

立地候補①では風がオフィスによって遮られ、アパート近くでの風は穏やかであると予想されます。ところが立地候補②では、アパートの一面だけですが入口よりも速度の速い流れが確認できます。このようにビル風は、建物形状や立地によっては与えた速度以上の風を引き起こす可能性があります。

"立地候補①の方が穏やかな風が吹き、立地として適している"ということが今回の解析による比較から推察できました。ビル風のような大規模な環境の解析であっても、エンクロージャの作成から解析結果の表示までスピーディに行うことができます。
建物の位置変更も高速で簡単に行えることから、一度解析から得られたアイデアをすぐに試すこともできます。

Ansys Discoveryに少しでも興味が湧きましたらSB C&Sまでお問い合わせください。

※使用したモデルのダウンロードはこちらから


・IT-EXchange Ansys Discovery特設サイトは次のリンクから
bnr-630x180.jpg

・Ansys Discoveryを使って効率化を実現した3つ事例をご紹介

honda.pngnikki.pngVW.png



C&S ENGINEER VOICE Ansys Discovery記事一覧

著者紹介

SB C&S株式会社
C&S Engineer Voice運営事務局

最新の技術情報をお届けします!