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【Ansys Discovery】Ansys DiscoveryでブロワのPQ特性を見てみよう【流体解析編】

CAE
2023.06.22

 今回はAnsys Discovery2023R1より新たに実装された回転体流体ゾーンを用いた回転機器解析の事例をご紹介します。

 回転体はプロペラやファンとして様々な機械やシステムに組み込まれており、流体の輸送・機械の冷却などの役割を果たしています。要求性能を満たす回転体の設計のためにCFDは積極的に利用されています。Ansys Discovery 2023R1からは高速であることはそのままに、回転体を含む解析も行えるようになりました!

 今回は以下のようなブロワの流れ解析を行います。吐出風量を変更して解析を行い、PQ曲線でAnsys Fluentの結果と比較します。出入口の境界条件は以下のように設定します。ad_034_01.png

それでは羽根の回転設定を行います。回転する羽根の流体領域は以下のような円筒形状で定義します。「シミュレーション」タブ⇒「解析関連」⇒「流体流れ」⇒「回転流体ゾーン」を選択します。回転する流体領域を選択し、回転数を入力します。今回は-1500 rpm回転するものとします。画面上で回転方向を示してくれるので迷いなく設定することができます。設定が完了したら「解析」より解析を実行します。回転領域の設定.gif

それでは解析結果を確認してみます。速度ベクトルを表示すると回転方向に沿ってベクトルが向いています。アニメーションでもケーシングに沿って流体が流れていることが確認できます。ad_034_02.pngポスト_速度ベクトル.gif

次にAnsys Fluentによる解析結果をPQ曲線で比較します。Ansys Fluentよりも吐出圧力が過小に算出されていますが、風量の増加に伴い吐出圧力が減少しており定性的に傾向が一致していることが確認できました。ad_034_03.png

 回転機器の設計において、羽根の形状は性能に大きな影響を与えるため試行錯誤の回数は多くなってしまいます。Ansys Discoveryなら形状の修正-結果確認まで高速かつスムーズに行うことができるため、設計・開発早期での性能確認・設計の根拠付けの助けとなります。

Ansys Discoveryに少しでも興味が湧きましたらSB C&Sまでお問い合わせください。


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SB C&S株式会社
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