今回はAnsys Discoveryでボルトの正しい締め方とはどのようなものか見ていきたいと思います。
DIYなど仕事以外でも工具を扱う機会は意外と多いかもしれません。例えば下の図のように、ある板2枚をボルトで締結することを考えます。この時①~④の穴のうち、どの順番で締めていくと良いでしょうか。Ansys Discoveryのボルトプリテンション機能を用いたボルトのモデリング・構造解析でその答えを探してみましょう。今回は2本ずつボルト締めをしっかりと行っており、2枚の板は完全に密着しているものと想定します。始めに①と③の穴にボルトを締めた場合を解析してみます。『プリペア』タブ⇒『ボルト』⇒『割り当て』より、ボルトを割り当てたい穴を選択します。寸法に応じて適切なボルトを自動的に割り当てくれるので非常に簡単に設定できます。ボルトの割り当てが完了したら『シミュレーション』タブ⇒『解析関連』⇒『構造』⇒『ボルト予圧』より各ボルトに予圧を設定します。ボルトの設定はこれで完了しました。ボルトの締結によって2枚の板がどうなってしまうか、解析にて確認してみましょう。ボルトの締結により板が圧縮され、反っていることが確認できます。今回の事例では微々たる変形量ですが、より大きなパーツの締結時には反りが無視できなくなるかもしれません。その場合、他の穴にボルトを通し難くなるといった問題が起きうるため不適切な締め方であると言えます。正しい締め方は①と④・②と③のように対角で締めていく手順になります。こちらについても解析で確認してみましょう。特定の側へ予圧が偏らなくなったため板の歪みを抑えることができました!これならば他パーツとの取り付けや他穴の締結でも困ることはありません。
このようにボルトの締結もAnsys Discoveryで簡単にモデリングすることができます。
大きな機械など、各パーツの取付けのためしっかりとボルト締めを行うことから大きな力がかかります。より細かく解析をしたい・ボルトの締結による影響はどれほどか等、ボルトプリテンション機能は広く活用できそうです。
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