はじめに
みなさんこんにちは、SB C&Sの佐藤 梨花です。
今回はRed Hat社のデスクトップWindows向けのJava開発・実行環境「Red Hat build of OpenJDK for Workstations」をご紹介いたします。
Red Hat build of OpenJDK for WorkstationsはRed Hatがビルドとサポートを行うRed Hat Build of OpenJDKのWindowsデスクトップ向けサブスクリプションで、主な狙いはデスクトップJavaアプリケーションの実行にベンダーサポートレベルのセキュリティが必要なお客様向けとなっています。
利用実績
業界問わずさまざまなお客様にご利用いただいていますが、特に日本では官公庁や自治体、教育機関等で業務に利用するPCのソフトウェアに対してベンダーレベルのセキュリティサポートが義務付けられている方々にご好評いただいております。
そもそもOpenJDKとは
OpenJDKはJava開発環境のオープンソース実装で、Oracle社が提供するJDKとほとんど(部分的には全く)差異がなく、誰でも利用可能となっております。
Red Hat build of OpenJDK
OpenJDKそのものは誰でも利用可能とはなっていますが、過去のUnix文化のように「ソースを入手して自分でビルドするのがあたりまえ」とはいかないので、複数のベンダーがビルドを行って実行バイナリを提供しています。その一社がRed Hat社で、ビルドを行うだけではなくOpenJDKそのものへ長い期間の貢献を行ってきました。
価格体系
Red Hat build of OpenJDK for WorkstationsはRed Hat社よりサブスクリプション形式で購入することができます。
インストールするマシン数に応じて、1年あたりのサブスクリプションが定価ベースで以下の表の通りになっております(2023年10月時点)。ご検討をはじめたいお客様はぜひ「DevOps Hub お問い合わせ」よりお問い合わせください。
※サーバー用は別となっており、次回の連載でご紹介予定です
Breaking News!!
標準化と経済合理性の狭間でお困りのお客様に朗報です。Eclipse Adoptiumが提供するEclipse Temurin™もOpenJDKビルドの一つですが、Red Hat build of OpenJDKのサブスクリプションがEclipse Temurin™をサポートするようになりました。
「コスト観点からベンダービルドのOpenJDKとコミュニティビルドのOpenJDKを使い分けたいが、管理が煩雑」といった点でお困りの方もいらっしゃると思いますが、「Red Hat build of OpenJDK for Workstations」のサブスクリプションとEclipse Temurin™の合わせ技で、Java実行環境の標準化と経済的合理性を両立することができるようになりました。
おわりに
今回はデスクトップWindows向けJava開発・実行環境「Red Hat build of OpenJDK for Workstations」に付いてのご紹介でした。
Red Hat社はRed Hat Enterprise Linux以外にもオープンソースの世界で様々な貢献をしており、それはWindows OSの世界にも及んでいます。
次回はWindows Server向けJava開発・実行環境「Red Hat build of OpenJDK for Servers」をご紹介予定です。
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著者紹介
SB C&S株式会社
テクニカルマーケティングセンター
佐藤 梨花
勤怠管理システムの開発(使用言語:Java)に約8年間従事。
現在はエンジニア時の経験を活かしたDevOpsやDX推進のプリセールスとして業務に精励しています。