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働き方の「いつでも、どこでも」と「セキュリティ」を実現するには

  • ハイブリッドワーク

モバイルデバイスとクラウドサービスの活用により、従業員は簡単に「いつでも、どこでも」社内と同じように業務を行えるようになった。一方で、企業のシステム管理者は見えないセキュリティリスクを懸念する。

働き方改革の推進に欠かせないクラウドサービス

2019年4月1日の働き方改革関連法の施行を背景に、今や企業の重要テーマとなりつつある働き方改革。それには、組織としての意識改革や制度、ルールの整備、そして実行するためのITツールの力が必要不可欠になる。

しかし、プロジェクトを進めるための人的リソースは限られ、使える時間も予算も少ない。一方でセキュリティ管理やガバナンスへの要求はますます高まる。どうすればいいのか。

一方、ビジネス環境に急速な広がりを見せるデジタルトランスフォーメーションや働き方改革といった動向においても、IT 環境の変革が重要な課題になっている。単に OS を入れ替えるだけでなく、モバイルデバイスの活用やクラウドサービスとの連携、セキュリティ対策の強化など、IT 管理の利便性まで含めて Windows 10 環境への刷新を考えるべき時が来ているのだ。

セミナーでは働き方改革にまつわる課題を解決するためのアイデアやツール、サービスが紹介された。マイクロソフトのセッション「『営業案件数2倍・管理負荷25%削減!』 - 働き方改革を実現したお客さまが選択したマイクロソフトのクラウドサービス」では、日本マイクロソフト Microsoft 365 ビジネス本部 プロダクトマーケティングマネージャーの三輪 宗氏とテクノロジーソリューションプロフェッショナルの橋口優二氏が登壇。Microsoft Office 365やWindows 10の機能の紹介やデモを交えながら「Windows 10とクラウドを効果的に活用することで、『会議』『移動時間』『業務』の3つを大きく変えられます」と訴えた。

働き方改革の成果を出すポイントとは

ヴイエムウェア 東根作 成英氏
ヴイエムウェア 東根作 成英氏

また、ヴイエムウェアのセッションでは、EUC技術統括 ソリューション推進部 部長の東根作 成英氏が登壇し、米VMwareでの取り組みを振り返りながら、そのノウハウを取り入れたデジタルワークスペースプラットフォーム「VMware Workspace ONE」を紹介した

東根作氏は「PCを使ったテレワークやモバイルデバイスの活用だけでは不十分。"スキマ時間"の活用やより高い生産性の実現によって働き方改革の成果を引き出すことがポイントです」と強調した。

では、デジタルワークスペースを構築するVMware Workspace ONEにはどんな特長があり、企業にどういったメリットをもたらすのか。それらを分かりやすく解説したのがSB C&Sのセッションだ。

同社の大塚正之氏と吉田哲平氏が行ったセッション「クラウド時代のデジタルワークスペース活用術」の内容を紹介しよう。

企業の生命線である迅速な意思決定を促す「モバイル+クラウド」

SB C&SはソフトバンクグループでICT流通事業を展開する企業だ。ICT流通事業はソフトバンク創業以来続くコアビジネスであり、さまざまなICT製品の卸売りや流通機能を担いつつ、企業のICT活用を支援する。Microsoft Office 365やVMware Workspace ONEも同社が販売するソリューションの一つで、豊富な知識や経験を持った人材が、バートナーとともにソリューションを提供する体制を敷く。

SB C&S 大塚正之氏(VMware vExpert 2018)
SB C&S 大塚正之氏
(VMware vExpert 2018)

大塚氏はまず、働き方改革を推進する上で「利便性と管理性の両立」が大きな課題であると指摘した。

「働き方改革を推進する上で重要なことは、社員が働きやすい環境をつくり、生産性や満足度が上がることです。ITツールが使いにくく、それによって従業員の満足度が低下しては意味がありません。一方、管理者は、セキュリティ管理やガバナンスを適切に管理したいと考えています。そのため、利便性と管理性の両立が求められるのです」(大塚氏)

この問題を問われるのが、テレワークだという。テレワークは、自宅やサテライトオフィスだけでなく、カフェやコワーキングスペースなど、どこでもモバイルデバイスを使って仕事ができる。テレワークは、今、働き方改革の中でも大きな注目を集める。

クラウドサービスが普及したこともあり、モバイルとクラウドは最高のコンビネーションとなった。PCやスマートフォン、タブレットからMicrosoft Office 365をはじめとしたクラウドサービスを利用することで、コミュニケーションやデータ共有のスピードも早まり、その分、意思決定も迅速化する。「迅速な意思決定が企業の生命線だとすれば、モバイルとクラウドを使ったテレワークは企業の大きな武器です」と大塚氏は話す。

自由と管理を両立できる「VMware Workspace ONE」

大塚氏によると、テレワークは「自由を求めるユーザーと、管理を求める管理者の間の戦い」が起こりやすい分野でもある。

「デバイスが多様化し、使いやすいアプリケーションやクラウドサービスも多く登場しています。ユーザーはそれらを活用し、仕事をより速く進めたいと考えますが、業務の効率化につながるからといって全てを従業員任せにすると、管理側からは見えないセキュリティリスクを抱えることになります。例えば、会社以外の環境で作業をするために、勝手にファイル共有サービスを使って重要ファイルを社外に持ち出したり、利用するサービスの多さから異なったパスワードを設定するのが面倒で同じパスワードを使い回したりといったケースも考えられます。このような見えないリスクを排除するため、管理者はセキュリティを強化する必要がありますが、それによってユーザーの自由が制限されてしまうケースもあります」(大塚氏)

新しいITが登場するたびに「自由 vs. 管理」の新しい戦いが発生することになる。この課題を解決するのがVMware Workspace ONEによるデジタルワークスペースの実現だ。

VMware Workspace ONEは、一言でいえばデバイスからセキュアな状態でさまざまなクラウドサービスにアクセスできるプラットフォームだ。まず、PCやスマートフォンからVMware Workspace ONEにアクセスすると、Microsoft Office 365やSalesforceなどのアプリケーションのアイコンが並ぶ。ユーザーはこのトップページを入り口とし、それぞれのサービスにシングルサインオン(SSO)でセキュアにログインできる。

ログイン後のページには、現在利用できるアプリケーションのアイコンが並ぶ
SB C&S 吉田 哲平氏
SB C&S 吉田 哲平氏

大塚氏に「VMware Workspace ONEのプロフェッショナル」と呼ばれて登壇した吉田氏は、イベント参加者にVMware Workspace ONEの操作デモを見せながら、ファイル共有やチャット、経費精算、営業管理、Web会議、グループチャットといったアプリケーションの使い勝手を損なうことなく利用できることを説明した。

「Microsoft Office 365はもちろん、SlackやDropbox、Salesforce、Concurなども、操作性や利便性を損なうことなく利用できます。さらにクラウドサービスだけでなく、WindowsアプリケーションやWindowsの仮想デスクトップ環境へのアクセスも可能です。このように企業が必要とするアプリケーションを安全に、そしてユーザーが簡単に利用できる環境が必要とされています。VMware Workspace ONEによって実現するデジタルワークスペースが、この自由と管理を両立させるのです」(吉田氏)

「デバイスの多様化」「アプリとクラウド」「ID統合」の3つが重要

VMware Workspace ONEは、ユーザーがこれまで以上に自由に作業できる環境でもある。講演では、大塚氏が繰り出すさまざまな疑問に吉田氏が答えるという2人のかけあいの形で、VMware Workspace ONEが備える有用な機能が紹介された。

例えば、パスワード管理だ。SB C&Sのユーザー調査では、「パスワードを何個覚えられるか」という質問に対する回答は平均で2.8個。だが、実際の業務では4~5種類のアプリケーションを異なるパスワードで運用することが一般的だ。こうした問題に対し、Workspace ONEはSSOで対応する。一度VMware Workspace ONEにログインすれば、登録されたアプリケーションは認証なしで利用できる。

VMware Workspace ONEのデバイス管理と認証の仕組み

マスターパスワードが漏えいした場合に備えて、二要素認証機能も提供する。SMSや電話を使ったPINコードやワンタイムパスワードの他、Windows HelloやiPhoneのFace IDにも対応する。スマートフォンだけでなく携帯電話にも対応する。

パスワードやデバイスが盗難に遭った場合には、デバイス認証で対応する。管理者側からアクセスを制限したり、不審なアクセスをブロックしたりもできる。データのリモート消去やGPSを使ったデバイスの探索も可能だ。また、登録したデバイスでしか利用できないようにし、私物デバイスからの利用を防ぐデバイス管理機能は日本で特に需要が多い機能の一つだという。

バイパス対策も万全だ。例えば、Microsoft Office 365のサイトに直接アクセスした場合でも、VMware Workspace ONEにリダイレクトされる仕組みとなっている。

こうした機能を、デモを交えてこうした機能を解説した後、吉田氏は「今後も利用するアプリケーションは増え続けるでしょう。その中で、VMware Workspace ONEはセキュリティと利便性を両立させ、安全なワークスペースを従業員に提供する一つの選択肢となります」と言う。

最後に、大塚氏は「働き方改革は、『デバイスの多様化』『アプリとクラウド』『ID統合』という3つの要素を検討することが重要です。VMware Workspace ONEを使って、利用者に意識させることなく横断的なID管理と統合したデバイス管理を実現し、社員の満足度を最大化してください」と話し、講演を締めくくった。

※このページは、TechTarget ジャパンの2018年11月に掲載されたコンテンツを転載したものです。
https://members.techtarget.itmedia.co.jp/tt/members/1811/13/news01.html

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