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「Windows 7」から「Windows 10」への移行を成功させる "秘密兵器" とは

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「Windows 7」のサポート終了日は2020年1月14日。
「Windows 10」への移行問題は目前に迫りつつある。
IT 環境の変革も実現したい企業は、成功のシナリオをどう描くべきか。

今でも企業のクライアント OS として少なからぬ利用者がいる「Windows 7」。この Windows 7 の延長サポート終了日は2020年1月14日だ。サポート終了後は、Microsoft から新たなセキュリティーパッチが提供されなくなるため、企業にとって「Windows 10」への移行という課題は、目前に迫りつつある。

一方、ビジネス環境に急速な広がりを見せるデジタルトランスフォーメーションや働き方改革といった動向においても、IT 環境の変革が重要な課題になっている。単に OS を入れ替えるだけでなく、モバイルデバイスの活用やクラウドサービスとの連携、セキュリティー対策の強化など、IT 管理の利便性まで含めて Windows 10 環境への刷新を考えるべき時が来ているのだ。

Windows 7 のサポート終了日まであと 3 年足らずだ。限られた時間の中で Windows 10 への移行、さらには IT 環境の変革を実現するために、どういうアプローチをしていけばよいのか。

こうした状況の中、Windows 10 の移行に関する課題解決に向けたベストプラクティスを紹介するセミナー「いまからできる!! 3 年後のワークスタイルをこの手に!!~Dell PC と Workspace ONE で実現!Windows 10 時代の ID 管理とセキュリティ対策~」が、2017年6月26日に東京・港区で開催された。本稿では、このセミナーの内容から、Windows 10 移行の解決策を紹介する。

Windows 7 から移行する Windows 10 の神髄

SB C&S株式会社
ICT 事業本部 MD 本部技術統括部 第 1 技術部 3 課
増田立夫(VMware vExpert)

セミナーに登壇した SB C&S株式会社(SB C&S)ICT 事業本部 MD 本部 技術統括部 第 1 技術部 3 課の増田立夫(VMware vExpert)は、Windows 10 の機能概要やその特徴について解説した。

Windows 10 は「Windows 8」を原点として、タブレット PC「Microsoft Surface」などのモバイルデバイス向けに最適化する形で進化した OS だ。画面を直接タップしてアプリケーションを操作できるタブレットモードを有し、Web ブラウザには「Microsoft Edge」を搭載。PC からスマートフォン、タブレットまで、デバイスを問わず利用できる点が特徴だ。

特に、法人で多く使われている Windows 7 と比較して大幅に強化したのが、MDM(モバイルデバイス管理)に対応したところだ。従来の Windows 管理では、社内 LAN 内で利用することを前提にしたものだった。

モビリティが進化するに伴い、従来の PC 管理だけでは十分とはいえなくなってきた。そこで Windows 10 はこれに加えて、デバイスを外に持ち出し、インターネット接続する"モビリティ" としての管理に対応した仕組みを提供している。

「Windows 10 は、これからのモバイル、クラウド時代に必要不可欠な OS だ」と増田は強調する。

失敗しない働き方改革のヒントはエンドポイントにあり

デル株式会社
クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティングマネージャー
飯塚祐一氏

続いて、デルでクライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティングマネージャーを務める飯塚祐一氏が登壇。エンドポイントを通じて、働き方改革を実現するためのヒントを紹介した。

飯塚氏は、企業が抱えるデジタルトランスフォーメーションおよび働き方改革に向けた課題として、「イノベーション」「エンドポイントテクノロジー」「エマージェンシー」の 3 つを挙げた。飯塚氏は「デルの調査によると、IT をイノベーションの源泉として活用している企業は 34% にすぎなかった。IT とイノベーションの間には依然として隔たりがある」と指摘。しかし同じ調査結果によると、ビジネスリーダーの 73% が「企業はテクノロジーを優先すべき」と考えており、66% が IT インフラとデジタルスキルへの投資を計画していた。「イノベーションには IT が欠かせないという意識は強まっている」と飯塚氏は語る。

イノベーションに向けたテクノロジーの重要性に関する調査では、72% が「カスタマーエクスペリエンスの改善はビジネスの重要課題」と回答。「優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することは、イノベーションやビジネス成長につながる重要な取り組み」(飯塚氏)と説明した。優れたカスタマーエクスペリエンス提供には優秀な人材が欠かせないものだが、人材確保のために有効な手段としては「デバイス選択肢の自由度を広げる」(42%)という回答が最も多かった。ビジネス目標を実現するための投資としては「エンタープライズモバイルソリューションの拡張および改善」(33%)という回答がトップとなり、ビジネスの現場でモバイルデバイスへの期待が高まっていることが浮き彫りとなった。

働き方改革の鍵はエンドポイント

「エンドポイントテクノロジー」の課題について、飯塚氏は次のように指摘する。「働き方改革への注目が高まっている昨今、エンドユーザーを取り巻く業務環境も大きく変化しつつある。多様化するワークスタイルに適したエンドポイントが必要だ」。そこでデルでは近年、多様化するエンドユーザーの環境やニーズに対応するために、エンドユーザーに合わせたデバイスを開発し用意するという考え方を重要視している。デルは現在、

  • 社内移動
  • デスク型
  • 外勤型
  • 在宅型
  • クリエイティブ型
  • エンジニア型
  • 現場作業型

という 7 つのメソッドを設定し、それぞれの働き方にマッチした製品群を用意している。

エンドユーザーの働き方に合わせたデバイスを選択する際の大きな「課題の 1 つ」として飯塚氏が指摘したのが、2020年1月14日に延長サポートが終了する Windows 7 から Windows 10 への移行問題だ。Windows 10 への移行が進んでいない企業も少なくないが、その理由の 1 つにアプリの互換性を保てないことがある。飯塚氏は「この問題については、Windows 10 テレメトリー(遠隔情報収集)データを活用するのがポイント。全世界の Windows テレメトリー情報が提供されており、Web サイトからアプリケーションの互換性情報を検索することができる」と解説する。

さらには、企業に差し迫る「エマージェンシー」として、Windows 10 への移行に伴う喫緊の課題である「エンドポイントのセキュリティー対策も見逃せない」と飯塚氏は説く。Windows 10 の導入によってモバイルデバイス活用が広がるほど、IT 部門はモバイルデバイスへのサイバー攻撃対策を強化する必要性が出てくる。この課題に対してデルは、Dell EMC や RSA、VMware とのシナジーを生かし「データ保護」「脅威対策」「アイデンティティー管理」「端末管理」といった領域をカバーする強固なクライアントセキュリティーを展開している。「特に最新のエンドポイント向けセキュリティースイート製品『Dell Data Protection | Endpoint Security Suite Enterprise』では、人工知能(AI)技術の活用により、マルウェア検知率 99% を実現している」と飯塚氏は強調する。

Windows 10 への移行と管理を楽にする Workspace ONE

次に、ヴイエムウェアのソリューションビジネス本部ソリューション技術統括部 シニアソリューションアーキテクトの野村秀貴氏が登壇。Windows 10 への移行と管理の課題を解決し「デジタルワークスペース」を実現する「VMware Workspace ONE」のメリットについて解説した。

野村氏は、Windows 10 の移行や管理に当たって「SaaS で個別管理されている ID 管理やその他のアプリへの認証」「新しい環境に対応した OS の配布や管理、アプリケーションのインストール」「新しい OS に対する既存アプリケーションの動作確認」という 3 つの課題があると指摘する。これらの課題を解決するベストプラクティスとして、ヴイエムウェアが提案しているのが Workspace ONE だ。「Workspace ONE はデバイスの種類や場所を問わず、あらゆるアプリケーションやサービスへのアクセスを実現する。シンプルな使いやすさと強固なセキュリティを兼ね備えているのが特徴」と野村氏は説明する。

Workspace ONE が実現する、Windows 10 デバイスの統合管理

ヴイエムウェア株式会社
ソリューションビジネス本部 ソリューション技術統括部 シニアソリューションアーキテクト
野村秀貴氏

 Workspace ONE は、エンタープライズモバイル管理(EMM)の「AirWatch」、VDI/ 仮想アプリの「Horizon」、ID 管理基盤の「Identity Manager」の 3 つで構成されている。エンドユーザーは「Workspace ONE ポータルサイト」から、これら全てのシステムにアクセスできる。このポータルサイトは、PC、スマートフォン、タブレットなど、どのデバイスから接続しても同じ環境で使うことができる。ポータルサイト内にある SaaS のアプリや仮想デスクトップ、仮想アプリ、モバイルアプリなど、あらゆるアプリケーションにシングルサインオンでアクセスすることもできる。

Windows 10 移行に際して Workspace ONE を併用することで、Windows 10 搭載 PC とタブレット、スマートフォンを一元管理できる。AirWatch の「バルクプロビジョニング」機能によって、Windows 10 環境でのアプリの追加や削除、各種 Windows 設定および設定値のプッシュ配信、ローカルアカウントの作成、デバイスのドメイン参加などを一括で行うことが可能になる。IT 管理者は、統合的にエンドポイントを管理できるようになるのだ。

Workspace ONE の導入事例として、野村氏は米国ノースカロライナ州メクレンバーグ郡政府のケースを紹介した。同郡ではWindows 10 への移行を機に、Workspace ONE 導入による IT サービスの刷新を実現した。約 6000 人の職員用の新しい PC を、IT 管理者を経由せずに Dell が職員へ直接出荷。ミッションクリティカルなレガシーアプリケーションや仮想デスクトップは Horizon を使用して配信した。デバイスやアプリケーションの設定はユーザー自身が実施したことで、従来は数時間かかっていた設定作業の時間が数分程度に短縮したそうだ。Workspace ONE の導入により、ユーザーは IT の利便性や生産性の向上が得られ、管理者側は IT サポート稼働コストを削減できたという。

また、Workspace ONE と「Dell Client Command Suite」(Dell の業務用クライアント PC 向けクライアントシステム管理ツール)との統合による、BIOS の設定や、バッテリー状態などの重要なシステム属性の照会・レポート機能も紹介された。これにより IT 管理者は Workspace ONE を通じて、Dell の業務用 PC のプロアクティブな管理も行えるようになり、ダウンタイムの最小化やビジネスの継続性の確保も図ることができるようになる。

「Workspace ONE こそが、働き方改革が進むこれからの時代に求められるワークスペースを実現する」と、野村氏は Workspace ONE が実現するデジタルワークスペースの魅力を説明する。

Workspace ONE で劇的に変わるオフィス

デモセッションの様子

野村氏の講演の後には、"Workspace ONE の導入前と後でこれだけ働き方が変わる" をテーマに架空の企業を舞台に Workspace ONE でデバイス管理を一新したシチュエーションを紹介するデモセッションが行われた。セッションでは、ヴイエムウェアのソリューションビジネス本部ソリューション技術統括部シニアソリューションアーキテクトである藤野 哲氏と、SB C&S の増田立夫が登壇。海外留学から 2 年ぶりに帰国した従業員が、Windows 10 搭載 PC やアプリケーションのセッティングをセルフサービスで短時間のうちに完了できることや、自宅の私物 PC からでも社内の業務環境へアクセスできることなど、2 年前とは大きく変わった社内 IT の進化した姿に、驚くさまをコミカルに実演し、会場も大いに盛り上がっていた。

Workspace ONE による統合管理

3 社によるシナジー

Windows 10 への移行をきっかけに、デバイス・アプリ・セキュリティーといった要素をバラバラに管理するのではなく、Workspace ONE で 1 つにまとめることができる。アプリケーション互換性の問題で移行できないユーザーは「ThinApp」で Windows 10 環境に対応できるので、3 年先を待つ必要はないのだ。

Windows 10 への移行は働き方改革における重要な存在といえるだろう。

※このページは、TechTarget ジャパンキーマンズネットの2017年7月に掲載されたコンテンツを再構成したものです。
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1707/26/news02.html

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