2021.08.24

「AKSを選定する意義」技術選定を組織改革につなげる

髙井比文
株式会社エーピーコミュニケーションズ
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はじめに

こんにちは、株式会社エーピーコミュニケーションズ(APCの髙井と申します。
近年、DXの波に乗り、多くの企業がIT内製化やモダナイゼーションを進めています。
多くの技術の中でも、クラウドやコンテナがもたらす恩恵には注目が集まっており、Kubernetesと呼ばれる技術が今やデファクトスタンダードです。
本稿では、Microsoftがクラウド上に展開するKubernetesサービスであるAzure Kubernetes ServiceAKS)を取り上げ、組織にとって「コンテナやKubernetesがビジネス的意味にどうつながるのか」をご紹介します。

コンテナやKubernetesがもたらすメリット

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本来、IT内製化の手段は、コンテナやKubernetesに限るものではありません。しかし、その大きなメリットから東京証券取引所SMBCグループなど名だたる組織も、その手段にAKSを選択しています。
コンテナやKubernetesがもたらすメリットとは具体的になんでしょうか。本稿では、大きく2点に分けて説明します。

  • 開発スピードのボトルネックを解消する
  • 技術選定が組織改革を押し上げる

Kubernetesは、数ある技術の中からの単なる技術選定にとどまらず、ビジネス的意味につながるところに意義があります。

開発スピードのボトルネックを解消する

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情報伝達手段が限られた時代は、新聞・テレビなどで大人数に向けた画一的な公告を打ち、ひとつの商品でロングセラーを生むのが主流でした。

しかし、スピーディに個別最適化されたマーケティングが可能になったいま、サービスの寿命は急激に短命化しています。まさに、次々とニーズを発掘し新しいサービスを提供することが事業存続の要といえます。

すばやく仮説検証のサイクルを回すことの重要性が高まる一方、オンプレミスの仮想マシンにサービスを載せる従来のインフラ環境では、立ち上げてから使えるまでに遅ければ1日単位で時間がかかることも珍しくありませんでした。そうした物理的リソース面でのボトルネックを解消し、数分でインフラを用意可能にしたのがクラウドのIaaSInfrastructure as a Serviceです。

しかし、それでもなおスピードは不足しています。Amazonでは、2012年の時点で1時間に最大1000回ものデプロイが必要と言われていました。このレベルのスピード感を安定的に実現したいという要求が背景になって生み出されたのが軽量高速な仮想化技術であるコンテナです。

そして、それらコンテナを管理するための核となる技術としてKubernetes2014年に誕生しました。

Kubernetesは、多数のコンテナに対してヘルスチェックや冗長化、オートスケーリングなどを実行できる強力な管理機能を持っており、コンテナオーケストレーションツールと呼ばれています。

中でもクラウド上で完結するものをマネージドKubernetesと呼び、MicrosoftのクラウドであるAzureが提供するフルマネージドなKubernetesサービスがAKSです。

マネージドKubernetesは、Microsoft Azureに限らず提供されているものですが、Office 365など広く利用されているMS製品のユーザー基盤をAzure Active Directoryでそのまま引き継ぐことができるなど、既存環境の活用の面で利点があります。

もちろん、先ほど紹介した2社の事例でもあるように、アジャイル開発AIソリューションなどの新しい領域との親和性も非常に高く、金融機関でも利用可能なセキュリティレベルを備えているなど、要件の面で障壁が少ないサービスとなっています。

技術選定が組織改革を押し上げる

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クラウドとコンテナにより、技術的には高速なアプリケーションデプロイが可能になりましたが、現実的にはそれだけで高速化を成し遂げることはできません。

デプロイのたびに横並びで調整が必要となる一枚岩の巨大なサービスでは、高速なデプロイサイクルを回すことはできないからです。全体を機能ごとの小さな単位へサービスに分割し、独立でデプロイ可能な状態にする必要があります。

これがいわゆるモノリスからマイクロサービスへのシフトです。

しかし、大きなサービスをそれぞれが担う機能ごとに分割・独立させることは、デプロイ時の依存関係を減らす反面、全体としての複雑性が大きく増すことにつながります。複雑性が増すなかで、破綻することなく高速に開発をすすめるには、必然的に脱サイロやDevOpsなど組織の体制や文化面にまで踏み込んだ改革が必要になるのです。

Kubernetesの導入障壁が高いと言われるのも、その障壁がクラウドやKubernetesについての単なる技術的な側面のみに起因するものではないためです。大前提となるハイスピードな開発を継続するために、従来的な縦割りの役割分担ではなく、インフラ・アプリ・ビジネス領域がシームレスに連携するBizDevOps文化の根ざす組織への変革が求められるからこその難しさがあるのです。

おわりに

その大きなメリットから今や多くの企業がKubernetes採用に乗り出しています。一方で、システムアーキテクチャー、DevOpsなどの業務プロセス、連携できる組織構造や文化にまで適応できる知見のあるエンジニアを確保できないと円滑な運用が難しいことも事実です。

APCは、Docker Enterpriseを買収したMirantis社を戦略パートナーとしており、社としてコンテナに軸足を置いているほか、Microsoft社のDevOps Goldパートナー認定も取得しています。バックオフィスを含めた社員300余名のうちMicrosoft Azure認定資格の取得者は100名を超えているなど、万全の体制を築いており、お客様の内製化を強力に支援します。

単発のトレーニングメニューから導入アドバイザリー、SIまでお客様のステージにあわせたサービスメニューを展開しております。ぜひお気軽にお声がけください。

関連リンク

Azure SIサービス

クラウドネイティブ内製化支援サービス

この記事の著者:髙井 比文

株式会社エーピーコミュニケーションズ

大学院卒業後、製造業界に入る。ドメイン課題に取り組む中で、IT活用の成否に組織体制が及ぼす影響を強く認識。その後、抜本的なIT活用に取り組める現職へ転職。現在は、AzureKubernetesを中心としたクラウドネイティブ化支援事業に従事している。好きなものは家族と競技プログラミング。


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