2023.06.23

【カサレアル インタビュー:Vol.1】
Opsは対応できてる?DevOpsの実情とは

情野 あずみ
株式会社カサレアル
営業部 マーケティング担当
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IT化の重要性が叫ばれる中、DXやクラウドネイティブよりも前から定着しており、改めて注目されているキーワード"DevOps"。

今回、DevOpsをテーマにSB C&S社から株式会社カサレアルへのインタビューを企画。DevOpsの現状や実践のために必要なこと、DevOpsにおけるエンジニア像などを4回に亘りお送りします。

本編では、国内におけるDevOpsの進捗状況と、DevOps実践のために必要なことをお伝えしていきます。

▌   はじめに

----はじめに会社紹介と自己紹介をお願いいたします。

株式会社カサレアルで取締役を務めます、植草です。

カサレアルはシステム開発、技術研修、クラウドネイティブ推進支援の3つのサービスを提供しており、私は主にクラウドネイティブ推進支援に携わっています。クラウドネイティブ推進支援では、クラウドネイティブ環境構築・パイプライン構築・オンプレミスからクラウドへの移行やマイクロサービス設計といった支援を行っています。

私は元々アプリ開発のエンジニアだったのですが、テストソリューションの経験などから、カサレアル入社後はテスト関連サービスや開発プロセスの改善を担当するようになり、現在はクラウドネイティブ領域に携わっています。

 

▌   国内のDevOps進捗状況

----植草さんから見た国内のDevOps状況について感じていること、最近の変化はありましたか?

ハイプ曲線を用いて申し上げると、「過度な期待」のピークを越えてきたという印象を持っています。

開発担当者は技術情報に敏感な方が多く、DevOpsに関しても「PoC的にやってみた・作ってみた」という状態からテンプレート化して広げていこうとする例が増えているように感じます。ただし多くの場合、開発目線で見てできる範囲だけを進めており、運用を取り込み損ねているとも感じています。

一方、運用担当者からお話を伺う中で感じるのは、「DevOpsの推進によって自分たちの仕事が奪われていくのではないか、自分たちができる仕事がなくなるのではないか」といった強迫観念に囚われている方が少なくないということです。運用業務はまだまだ手順書の世界であり、新しい技術―例えばクラウドネイティブというと"Kubernetes"が花形的に出てきますが、そういった技術の取り込み・対応に対して消極的で、開発と比較し遅れがちなのではないでしょうか。

冒頭に申し上げたように期待のピークを過ぎ落ち着きを見せてきている中で、今ある状態でまとめにかかってしまっている印象がありますが、開発と運用との乖離に危機感を覚えており、このままではDevOpsが絵に描いた餅になりかねないと感じています。

 

----国内でDevOps実践が進むには、どのようなことが必要だと思いますか?

DevOps実践を進めるために必要なことをお話しする前に、まずはDevOpsおよびDevOpsを取り巻く環境―クラウドネイティブ・DXについて整理させてください。それぞれの定義については、様々な機関・企業がまとめていますので、詳しくはそちらを参照していただければと思います。

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DevOps・クラウドネイティブ・DXの関係をまとめると、上図のように表せるのではないでしょうか。DevOpsという言葉・概念は元々、アジャイルのワークショップにて、アジャイルを実現させる環境として出てきましたね。アジャイルの種が成長してDevOpsになったというイメージです。向かっている先は「正確かつ速いシステム開発と堅牢な運用」で、その実現に向けて大きくなっています。頭でっかちになっているアジャイルの木が倒れないよう両側から支えるのが、技術的側面であるクラウドネイティブと、組織的・文化的側面であるDXです。クラウドネイティブとDXがバランス良くDevOpsを支えられる状態が、理想的であると考えています。

しかし、国内ではこうしたバランスに適合させる過程でアンバランスな状態になってしまっているのが実情ではないでしょうか。たまたま倒れずに落ち着いてはいますが、このままでは倒れてしまったり、本来目指す方向とは異なった方向へ向かってしまうだろうという危機感があります。いかにバランス・タイミングを見て、適切な対応をしていくかが大切になってくるのではないでしょうか。

色々と申し上げましたが、整理ができたところで改めてDevOpsを国内で推進していくにはどうしたらいいかを考えると、まず⼈の意識の改⾰やトレーニングの下地を作ることであり、実際にそれらを使うタイミングよりももっと前から仕込んでいく必要があるということです。

日本のシステム開発の歴史によるものですが、プロジェクトの計画を綿密に立てすぎてしまい崩しようがない、という状態がよく見られますよね。例えば現在のプロジェクトが、「15年ほど利用する計画で、3年掛けてシステム開発をし、サービスインから5年経過している」状態だとします。時代は変わっているので、システムも刷新していくべきなのですが、「後10年はいまの運用をしないと計画通りに元が取れない」という考えになってしまうのです。そうしたやり方を、SIを中心にしてきてしまっているため、組織・文化という点においても、今年~来年の時間感覚で変革していけるかというと、難しいですよね。様々な企業において、新しい言葉や概念に敏感な方ほど、「これをやらなきゃ」ということを考えていると思うのですが、こうした背景からなかなか実行に移すことができず、本当の革新に向かえてないのだと感じます。

意識・トレーニングを前々から仕込んでいけば、必要になってから時間がかかるということはありませんし、実質的にそれを役立てていくことができます。言い換えれば、今始められるところから始めていかないと、次の矢が打てなくなってしまうだろうと考えています。


本編のインタビューはここまでです。次回はOpsに光を当てたDevOpsについてお伝えします。お楽しみに。

Vol.2に続く

【関連リンク】

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この記事の著者:情野 あずみ

株式会社カサレアル
営業部 マーケティング担当

新卒でアウトソーシングサービスを展開する企業に入社、Webサイト運用やLP制作ディレクションを担当。カサレアル入社以降、ホームページ改善・制作からイベント出展など、マーケティング全般を担う。


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