Kubernetesの世界を体験したら、複雑怪奇なクラウドネイティブの辺縁が見えた
はじめに
みなさん、こんにちは。株式会社カサレアルの竹葉です。
2022年4月13日、当社の研修サービスである「クラウドネイティブ道場」のひとつ、「Kubernetesにおける運用基本操作」を受講してきました。その模様をご紹介いたします。
私は営業企画としてプロフェッショナルサービスやラーニングサービスに関わっているのですが、昨今Kubernetesに関する問い合わせが増えてきており、「私自身もしっかり理解しなければ!」という想いに駆り立てられたことが発端です。
私のスペックとしては元エンジニアで、本コースの受講条件の
- オープン系システム開発プロジェクト(基盤構築、アプリケーション開発、運用業務のいずれか)に携わった経験がある
- 基本的なLinuxコマンド操作が行える
- 基本的なTCP/IP(IPアドレス、ポート番号など)の知識がある
は満たしており、「全体像から理解するクラウドネイティブ基礎」も独学で修了していました。しかしながら、コンテナの概念やKubernetesについてはなんとなくわかるけど、他人に説明できるほどではない、という状態でした。
「クラウドネイティブ道場のコースを実際に受講される方もそんな人が多いのかな。」と想像しつつ、敢えてあまりわからない状態のままで臨みました。
研修の概要
「本コースでは、Kubernetesでの運用を中心に、クラウドネイティブなシステムでの基本的な運用操作を紹介します。また、マイクロサービスの運用に不可欠なサービスメッシュやランタイム時のコンテナセキュリティについても、ハンズオンを通して理解することができます。」
というのがWebサイトに掲載している研修概要です。Kubernetesと、Kubernetesでコンテナを操作する上で考慮しなければいけないポイントを学べます。
研修の模様
研修はAWSを使ったハンズオンで進みますが、Kubernetesはおろか、DockerやAWSを触るのも初めてという人でもスムーズに進めるよう、かなり丁寧に構成されています。
チャットツールのMattermostを使って、「AWSログインOK?」「イメージ作成OK?」と段階的に進捗を確認したり、お昼休み明けには出欠確認がてら「お昼何食べた?」というやりとりをしたりとインタラクティブに進みます。
(研修時のドキュメント)
まずはチャットツールのMattermostとAWSのログインから始まり、Kubernetesクラスターの生成、Docker Composeの導入、Dockerイメージリポジトリの利用といったトレーニングの準備をします。
Kubernetesの基本操作としては、Kubernetesの概要、アプリケーションのデプロイ、Pod、ロールアウト、スケール、ノードのスケールを学びます。その後、Kubernetes Dashboardによるモニタリングとしてロールアウト、スケーリング、ノードのスケーリング、セルフヒーリングを学び、PrometheusとGrafanaを使ったモニタリング、Istioを使ったサービスメッシュ、Kialiによるネットワーク通信の可視化、Falcoを使ったコンテナセキュリティまでを学びました。
クラウドネイティブ道場は「体験する」ことに主眼が置かれているため途中、時間が掛かるインストールやサンプルアプリの実装などは3分クッキング的に用意してあるものを活用します。直前・直後の操作は順を追って実行していくので変なところに深入りしたり引っかかったりせずに、全体の流れを追いながらも、あくまでKubernetesの仕組みや操作に集中できる内容になっていました。
(Webチュートリアルをなぞれば、自分でひととおり組み立てられるようになっているので、会社に戻っても「えっと・・・・」とはならないでしょう)
今回は私を含めて3名と小規模だったため、口頭でもチャットでも質問しやすく、受講生の知識に合わせて適宜補足も入りながら、かなり充実した研修となりました。
私自身はコンテナ、Dockerの理解もまだ初心者レベルのため、Kubernetesのノードやらポッドやらが出てくると「クラスター・・・は大枠で、そのなかにポッドがいっぱいあって・・・、それはDockerコンテナのことで、それを支えてるのはノード、つまりEC2で・・・」という構造を頭で思い描いたり、EC2とECSとEKSとECRをいちいち「EKSはElastic Kubernetes ServiceだからKubernetesに特化してるんだよな・・・」などと解いていくのは時間がかかりました。
一方で「メトリクスの可視化までPrometheusとかKubernetesでできればいいのに。いや、でもそこは小さく分けてるのがマイクロサービスな考え方なのかな」や、「サービスメッシュって網状のカーテンを想像してたけど、どちらかというと空中ブランコの下にあるセーフティネットみたいなものか」など受講前とは違う考えが浮かぶようになりました。
おわりに
本コースを含め、クラウドネイティブ道場は先述したとおり「体験する」ことに主眼が置かれており、その意味ではKubernetesにおける運用基本操作を十分に体験できました。
「私自身もクラウドネイティブの世界、Kubernetesをしっかり理解しなければ!」と門を叩いたわけですが、私が体験したのはクラウドネイティブの世界のほんの一部であって、ここから縦横無尽に知らない世界が広がっていることを実感し、「これはウワサどおり大変だ・・・!」という想いも抱けたのは良い刺激となりました。
「クラウドネイティブってどんなもの?」という人から、「クラウドネイティブを始めようとしている人・最近始めた人・壁にぶつかっている人・社内で展開しようとしている人・もっと高度なことがしたい人」まで、カサレアルでは分野も深さも研修形態もさまざまなコースを用意していますので、是非クラウドネイティブ道場のページをのぞいてみてください。入門お待ちしております!
関連リンク
この記事の著者:竹葉美沙
新卒でSIerに入社、R&Dセンターで研究開発や技術文化醸成を推進、新入社員教育にも携わる。2020年12月より現職。営業企画、マーケティングとして、顧客の技術者育成に関わる企画・支援を行う。
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