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仮想デスクトップ愛を語る vol.1

仮想化
    2019.06.27

    仮想デスクトップとは

    みなさま、こんにちは。

    SB C&Sで仮想化製品のプリセールスエンジニアを担当しております、小泉と申します。

    本ブログは、私が主に担当している仮想デスクトップ製品について、さまざまな観点で語り続ける予定です。本ブログならびに仮想デスクトップ製品が何らかの形でみなさまのお役に立てることを願っております。

    記念すべき第1回は「仮想デスクトップを正しく理解してもらう」ことに重点をおき、あらためて「仮想デスクトップとは何か」と「仮想デスクトップの良さ」について語りたいと思います。

    なぜこのような内容での連載を思い立ったかと言いますと、日頃の業務で仮想デスクトップのご相談をいただくことが多くありますが、コストが合わずに導入を見送られるケースも多く、私個人としては残念に思います。仮想デスクトップは利用者にとっては多くの利便性をもたらし、管理者にとっては運用の柔軟性と高いセキュリティをもたらしてくれます。

    本ブログを通じて仮想デスクトップの知見を深めていただきたいことはもちろんのこと、導入を検討されているお客様には少しでも多くのコストメリットを感じていただける、導入済みのお客さまにはさらに多くの効果が得られるようなご支援ができればと思います。

     

    仮想デスクトップって何?

    仮想デスクトップといっても様々な技術やそれを実現するための製品が存在します。本ブログでは、仮想デスクトップを以下のように定義したいと思います。

    1台のハードウェア上で多数の仮想マシンを稼働することができる"仮想化テクノロジー"(いわゆるハイパーバイザー)を用いてデスクトップ環境を仮想マシンとして構成し、そのデスクトップ環境へ"画面転送テクノロジー"を用いてアクセス・遠隔操作する仕組み。

    ここで2つのテクノロジーが出てきました。

    1.仮想化テクノロジー

    ハードウェアをソフトウェアによって抽象化(仮想化)することで自由に分割することが可能になります。これにより、1台のハードウェアの上でたくさんのコンピュータ(仮想マシン)を動作させることができるというテクノロジーとなります。代表的な仮想化テクノロジーとしては、VMware ESXiやMicrosoft Hyper-V、Nutanix AHVなどがあります。

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    2.画面転送テクノロジー

    デスクトップ環境(OSやアプリケーション)を遠隔で操作するためのテクノロジーです。自席においてあるパソコンや社内のサーバールーム、データセンターなどにデスクトップを設置し、地理的に離れた場所から遠隔で操作することができます。代表的な画面転送テクノロジーとしては、Microsoft RDP、Citrix ICA、Teradici PCoIP、VMware Blastなどがあります。

    ブログE2.jpg仮想デスクトップとは、これら2つのテクノロジーを合わせ持ち、双方の仕組みを最大限活用することで得られるメリットも最大化されます。仮想デスクトップが持つ2つのテクノロジーによってもたらされるメリットをしっかりとご紹介します。

     

    仮想デスクトップの良さ

    1.強固な可用性

    仮想化テクノロジーによって、デスクトップ環境は容易に他のハードウェアへ移行できます。このことはハードウェア障害時においても他のハードウェアで継続稼働ができることを意味し、デスクトップ環境に強固な可用性をもたらします。

    ブログE3.jpg2.容易なプロビジョニング

    仮想化テクノロジーによって、仮想マシン(仮想ハードウェア情報+OS+アプリケーション)はいくつかのファイルとして存在する形となり、簡単に複製することが可能になります。つまり、大量のデスクトップ環境を高速に展開することが可能になります。
    これは初期導入時の展開はもちろん、定期的に訪れるセキュリティパッチやアプリケーションのバージョンアップなど、大量のデスクトップ環境の更新においても効果を発揮します。
    また、デスクトップ環境に何か不都合が生じた場合においても元の正常な状態へすぐに復元できます。これらは、ヘルプデスクを担当される方の負荷を大きく低減する効果が見込めます。

    ブログE4.jpg3.どこでもいつものデスクトップ

    画面転送テクノロジーによって、いつも使っているデスクトップ環境へ世界中のどこからでもアクセスすることが可能になります。自宅はもちろん、外出先や出張先でも普段と変わらないデスクトップ環境を提供することで、利用者にとっては世界中がいつもの作業場になり得ます。処理はすべて仮想マシン側で行われるので、万が一ネットワークが途切れてしまっても処理が中断されるといった心配も必要ありません。

    ブログE5.jpg4.強固なセキュリティ

    画面転送テクノロジーは、画面情報とキーボード、マウスと言った操作命令のみネットワークを通じてやり取りを行います。そのため、仮想マシンに格納されたデータが直接脅威にさらされることはありません。大切なデータを安全に世界中のどこからでも参照することが可能になります。

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    如何でしたでしょうか?

    仮想デスクトップが持つ2つのテクノロジーがもたらす4つの効果、この双方をご活用いただくことが仮想デスクトップを導入いただくことのメリットだと私は感じています。

    とはいってもご予算はもちろん、IT戦略やリテラシー、業務ルールなど、デスクトップ環境にはさまざまな問題やしがらみが存在します。みなさまのデスクトップ環境をよりよくするためのひとつの手法として、まずは仮想デスクトップを正しくご理解いただけましたら幸いです。

    次回は、仮想デスクトップがどのような仕組みで実現されているのかについて語ります。

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    著者紹介

    SB C&S株式会社
    ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課
    小泉 政彰

    アプリケーション仮想化、デスクトップ仮想化に携わること10年。さまざまな苦楽を共にした彼らを戦友と呼び、クライアント回りの仮想化技術を好む。