これまでに、Discoveryでビル風の影響の調査(Ansys Discoveryでできる!立地検討時のビル風検証)や、エアコン位置の検討(Ansys Discoveryでできる!エアコンの冷却性能検討)を行ってきました。今回は水道の水の温度を調整できる仕組みをAnsys Discoveryで模擬して、水温がどの程度変化するか調査してみましょう。
今回もオリジナルのジオメトリを使用します。冷水が通るパイプと熱湯が通るパイプが途中で合流し、それぞれの流量を調整することで水やお湯が出てくるようになっています。流量は、それぞれのパイプ内のバルブを回転させることで調整します。バルブは①冷水・熱湯どちらも全開、②冷水のバルブを30度閉める、の2ケースで解析し、出てくる水の温度を比較してみます。 まずは、①どちらのバルブも全開の場合の解析を行います。水が通る領域を抽出し、入口と出口に境界条件を設定します。冷水の入口面は22℃で150 kPa、熱湯の入口面は67℃で150 kPa、出口面は圧力0 Paで出ていくようにします。流れる流体は水なので、物性はデフォルトの水のままで大丈夫です。設定は以上で完了です!画面右下の「解析」より解析を開始してみましょう。 同様に、②冷水のバルブを30度閉める場合の解析を行います。バルブは「デザイン」タブの「移動」から回転させることができます。その他の条件は①と同様なので、操作はバルブを回転させるだけでそのまま自動的に解析が行われ、瞬時に結果が表示されます。 それでは、各ケースでの結果を比較してみましょう。 温度で色分けした速度ベクトルで結果を表示しています。出口付近を見てみると、全体的に色が青から橙に変わったことが分かりますね。ここで、どれくらい温度が上がったのか、モニタ機能を使って確認してみましょう。「モニタ」をクリックし、出口面をクリックします。そして、「平均温度」を選択すると、出口面での平均温度の変化がグラフで表示されます。 冷水のバルブを30度回転させると、7℃くらい温度が上がったことが分かりますね。これは、冷水のバルブを閉めたことで冷水の流量が減ったからだと予想できます。流量をモニタして確かめてみましょう。平均温度のモニタと同様に、冷水の入口面の流量をモニタしてみます。 予想通り、冷水の流量が減ったことが分かりますね。平均温度や流量のモニタ結果を表にまとめてみました。バルブを回転させても出口から出てくる水の流量はそれほど変わらずに済んでいることも分かりました。
バルブの回転によって水温がどの程度変化するか比較してみました。今回のバルブのように、形状を回転移動させたいときでも、Discoveryのソフト1つですぐに変更できました。また、モニタ機能を使えば変更後の結果を数値で簡単に比較できますね。Discoveryの形状回転機能やモニタ機能を使って、複数の条件での結果検討を行ってみませんか?
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