自動車のキーッと鳴るようなブレーキ音は古くから問題となっており対策されてきておりますが、近年電動化が進むにつれより静寂性に対する要求仕様が厳しくなっております。このブレーキ鳴きは摩擦によって異なるモードが連成して生じる自励振動といわれております。
「Ansys Mechanical」ではブレーキ鳴きのような現象を、静解析結果より得られた非対称剛性を使ったモーダル解析(複素固有値解析)によって解析することが可能です。複素固有値解析を実施することで鳴きに起因する不安定な固有振動数を分析することができ、ブレーキ鳴きの対策に大きく貢献することができます。
下図のは実際に自動車用ディスクブレーキで複素固有値解析を実施し、ブレーキ鳴きについて分析した例になります。
こちらの例題では約6.5kHzに不安定なモードが存在する結果となりました。
- 解析モデル
解析対象のブレーキモデル | Ansys Workbenchによって簡単に静解析の結果を 固有値解析に利用することが可能です |
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解析結果
複素固有値解析結果 解の実部(グラフY軸)が正になっている モードは不安定なモード |
不安定モードのモード図 |
キーワード:
ブレーキ鳴き 複素固有値解析 非対称剛性 不安定 自動車 自転車 バイク 連成振動 自励振動 構造解析
著者紹介
SB C&S株式会社
C&S Engineer Voice運営事務局
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