SB C&Sの最新技術情報 発信サイト

C&S ENGINEER VOICE

SB C&S

NutanixのVM管理Tips ~カテゴリ機能を使った整理・運用術~

Nutanix
2026.03.09

はじめに

Nutanixを導入してVMを作り始めると、最初のうちは数台のVMを名前だけで管理できていても、台数が増えるにつれて「このVMはどのシステム用だっけ?」「本番環境と検証環境のVMが混在してしまっている...」といった状況になりがちです。

こうした悩みを解消するのに役立つのが、Nutanixのカテゴリ機能です。カテゴリは単にVMを整理するだけでなく、セキュリティポリシーやストレージポリシーの適用にも連携できる、非常に応用範囲の広い機能です。

本記事では、カテゴリ機能の概要から作成・設定手順、そして実際の活用例までをご紹介します。Nutanixを導入したばかりの方を対象に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

カテゴリとは

カテゴリとは、「名前(キー)」と「値(バリュー)」の親子関係でVMを分類できる機能です。たとえば Environment(親)に対して ProductionStagingDev(子)といったバリューを用意し、各VMに割り当てることで、環境ごとにVMを整理できます。

カテゴリ機能は Prism Central から利用します。Prism Elementでは使用できない点にご注意ください。

VMに対して実際に割り当てるのは親(キー)ではなく**子(バリュー)**である点が重要なポイントです。また、1つのVMに複数のカテゴリを同時に割り当てることも可能です。

カテゴリの大きな特徴は、VM整理にとどまらず、ポリシーの適用単位として使える点です。一度カテゴリを設計・設定しておくことで、セキュリティポリシーやストレージポリシーを「このカテゴリに属するVMすべてに適用する」という形で自動化できます。

なお、似たような機能で「タグ」という機能がありますが、今後のアップデートで削除されるとアナウンスされております。

カテゴリの作成手順

1. カテゴリ管理画面を開く

Prism Centralにログインし、「Admin Center」→「Categories(カテゴリ)」 を選択します。

画像1.png

すでにデフォルトのカテゴリが一覧表示されています。ここから新しいカテゴリを作成します。

2. 新しいカテゴリを作成する

右上の 「New Category」 をクリックします。

画像2.png

3. キー(親)とバリュー(子)を設定する

カテゴリの作成画面が表示されます。

画像3.png

  • Key  (親):カテゴリのキー名を入力します(例:Tier
  • Values(子):このキーに紐づくバリューを入力します(例:ProductionStagingDev

※Categoryをクリックすることで連続して作成できます。

画像4.png

「Save」 をクリックして保存します。
画像5.png

VMへのカテゴリ割り当て手順

カテゴリに属したい仮想マシンを選択します。

画像6.png

※複数の仮想マシンを選択できます。

「・・・」→「Other Actions」→「Manage Categories」を選択します。

画像7.png

適用したい「カテゴリー」を検索して選択します。

画像8.png

※複数のカテゴリーを選択できます。

選択できたら画面右下の「Sava」をおします。

画像9.png

割り当て後の確認

カテゴリ一覧からキーをクリックすると、各バリュー(子)に対してどのVMが紐づいているかを確認できます。VMの件数が表示されているリンクをクリックすると、VM一覧画面にジャンプし、該当するVMだけが一覧表示されます。

画像10.png

※「Tier:Dev」のカテゴリーを選択した例

活用例①:VM整理・検索への活用(NCI標準機能)

カテゴリの最もシンプルな使い方が、VMの整理と絞り込み検索への活用です。

カテゴリ一覧からバリューに紐づくVMをワンクリックで一覧表示できるほか、VM一覧画面のフィルター機能でカテゴリを指定することで、該当するVMだけを素早く見つけられます。

カテゴリキー(親)

バリュー例(子)

用途

Tier

Production / Staging / Dev

環境別の管理

Owner

TeamA / TeamB

担当チーム別の管理

AppType

HRSystem / SalesSystem

システム・用途別の管理

1つのVMに複数のカテゴリを割り当てられるため、Tier:ProductionOwner:TeamA の両方を割り当てておけば、「インフラチームが管理する本番VMだけ」を絞り込む、といった横断的な検索も可能です。

活用例②:ポリシーへの連携

カテゴリはポリシーの適用単位としても使用します。

たとえば Owner:TeamA のカテゴリを持つVMにはTeamAのユーザのみ使用できるポリシーを付与し、Owner:TeamBのカテゴリを持つVMにはTeamBのユーザのみ使用できるといった操作権限の識別をすることも可能です。

活用例③:セキュリティポリシーへの連携(Nutanix Flow)

Nutanix Flow(マイクロセグメンテーション機能)では、カテゴリを使ってVMをグルーピングし、そのカテゴリ単位で通信制御ポリシーを適用できます。たとえば以下のような制御が可能です。

  • Tier:Production     カテゴリのVMへのアクセスを特定のVMからのみ許可する
  • AppType:HRSystem   カテゴリのVMが外部と通信できるポートを制限する

カテゴリを使うことで、ポリシーの適用対象をVMの追加・削除に合わせて自動的に追従させられるため、手動でのポリシー更新作業が大幅に削減されます。

注意: Nutanix Flowは別途、ノード単位の年間のサブスクリプションライセンスが必要になります。また、マイクロセグメンテーションポリシーを管理するにはNCM-Staterが必要になります。

活用例④:レポート・監視への活用(NCM)

Nutanix Cloud Manager(NCM) の上位ライセンスを利用している環境では、カテゴリ単位でレポートやアラートを絞り込むことができます。

たとえば Owner:TeamA カテゴリのVMだけを対象にしたリソース使用状況レポートを作成することで、担当チームごとに必要な情報だけを確認できるようになります。複数チームが同一のNutanix環境を共有している場合に特に有効です。

注意: レポートの作成はNCM-Proライセンスが必要になります。

まとめ

本記事では、Nutanixのカテゴリ機能を使ったVM整理・運用術をご紹介しました。今後の皆様の参考になれば幸いです。

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 ソリューション技術統括部 ソリューション技術部 2課
舘林 恵祐