こんにちは。 SB C&S の市島です。
私は VMware 製品のプリセールスエンジニアチームに所属しており、主に Workspace ONE を担当しております。本ブログは、Workspace ONE に関連する情報を発信していきます。
今回は、 Windows 10 における OS イメージ管理の課題と、Workspace ONE UEM を使用した解決策についてお伝えします。
●WaaS ( Windows as a Service )
Windows 7 のサポート終了も迫り、多くのお客様で Windows 10 の社内展開・リプレイスが進んでいる、または検討中かと思います。
ですが、Windows 10 の導入は単なるPCのリプレイスとして取り組むと導入後の運用で躓いてしまいます。
Windows 10 は今の時代に合ったクライアント OS として様々な機能や特徴を持っていますが、特にこれまでの Windows OS と大きく異なる点として、 WaaS ( Windows as a Service )と呼ばれる新しい概念があります。
WaaS ( Windows as a Service )は OS のアップグレードを、従来の Windows XP や Windows 7のように新しい「製品」として届けるのではなく、定期的に更新・継続されるサービスとして提供し続けるという概念です。
機能の改善・追加を無料のサービスとして提供し続けます。例えるならばスマートフォンのように OS が定期的に更新され機能が追加されていくイメージです。
この WaaS 、これからの時代にあった OS 環境の更新の仕組みとして導入されましたが、これまでになかった Windows の仕組みのため企業の PC 管理・運用において新しい課題が生じています。
●従来のWindows PC 展開手法
Windows PC を社内に展開する際、「ワイプ & ロード(イメージ展開)」の方法で社内 PC をキッティングしている企業さまが多いのではないでしょうか。
「ワイプ & ロード(イメージ展開)」は社内 PC 用にカスタマイズした OS イメージを作成し、Windows 展開サービス等を使用して新しい PC にインストールして展開する方法です。マスターとなる参照 PC に共通アプリケーションやデバイスドライバー・設定などを適用し OS イメージを作成します。
よく "イメージ展開" と呼ばれる手法ですが、Microsoft のドキュメントなどでは "ワイプ & ロード" という名前で記載されています。
このイメージ展開の手法を利用する際、OS イメージファイルの管理が必要になってきます。
企業 PC と一言で言っても、部署や役割、利用者によって使用するアプリケーションや設定が異なるため、用途ごとにいくつかの OS イメージを作成し管理している企業さまも多いのではないでしょうか?
また、異なる機種の PC を導入する場合は新たに作成する必要があったり、OS イメージの管理数が増え対応が大変な企業も少なくないかと思います。
●WaaS による課題
この OS イメージ管理ですが、WIndows 10 でも同様の運用をしようとした場合大きな課題となります。
従来の OS イメージ管理の手法と同様な形で Windows 10 を管理した場合、用途ごと、機種ごとのイメージ作成が必要になるのは同様ですが、Windows 10 の場合はこれに"OS の更新"という要素が加わって来ます。この要素により Windows 10 の更新バージョンが新たに公開され企業内の PC が新たなバージョンの OS に変わった段階で、旧来の OS イメージが使用できなくなり、新たな OS のイメージを作成する必要が出てきてしまいます。
これでは、パソコンの種類や用途毎のイメージ数が増えれば増えるほど更新しなければならないイメージが増加してしまいます。
このようにWindows 10 では、新しいバージョンの Windows 10 がリリースされるタイミングで OS イメージ再作成作業が発生してしまい作業の手間が増大してしまうため、運用しきれない事態になってしまう可能性があります。
このような課題から Windows 10 の PC 展開・イメージ管理では、従来の方式とは異なる運用方法が必要となります。
●Workspace ONE UEM で 課題を解決
Workspace ONE UEM は Windows 10 の管理に対応した機能を持っており、今回ご紹介した PC 展開・イメージ管理における課題を解決することができます。
WaaS に対応するため、 Windows 10 の展開方法として必要なことは、OSイメージとカスタマイズ内容の分離です。
まず、管理するマスターの OS イメージを少なくするため、最小限の設定やドライバー・社員共通のアプリケーションのみを適用した OS イメージを作成します。(上記イメージ図の左側)
一番の理想はカスタマイズ無しの標準 OS イメージ1つ利用するか、購入した PC をそのまま利用するのが理想です。
作成した共通 OS イメージをインストールした PC をユーザーに配布します。
そして部署や役割ごとに異なる設定やアプリケーション、ポリシー設定は Workspace ONE UEM で統合的に管理し、OSから分離します。企業 PC として必要なカスタマイズは、誰がどの PC を利用しているかを判別して Workspace ONE UEM から提供します。
ユーザーが配布された PC にログインすると、自動的にそのユーザー用のセットアップが実効されます。
このような管理手法であれば、後に新しい Windows 10 の OS バージョンがリリースされたタイミングで必要になる対応作業は、標準となる OS イメージを更新するだけですみます。管理している OS イメージの数が少ないため、OS イメージ管理の工数を少なくすることができます。
もし、カスタマイズ無しの標準 OS イメージそのまま使える、または購入した PC をそのまま利用できる環境であれば OS イメージ管理の必要がほぼなくなります。
●まとめ
Windows 10 で導入された WaaS ( Windows as a Service ) は これまでの Windows クライアント OS と異なる仕組みのため、PC 展開・イメージ管理の面でもこれまでの Windows クライアント OS の方法から変更する必要があります。
Workspace ONE (UEM)は、Windows 10 に適した展開・管理を行うことができます。
これまでの OS と大きく運用が異なる Windows 10 をスムーズに運用をしていくために Windows10 への移行プロジェクトとあわせて Workspace ONE の導入も是非ご検討ください。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
市島 拓弥 - Takuya Ichijima -
VMware vExpert