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こんにちは。SB C&Sの石井です。
今回は、2025年1月29日にリリースされたHorizon 2412の情報について概要や変更後の注意点を紹介していきます。
Horizon 2412 概要
Horizon 2412バージョンからの大きな変更点として、VMwareからOmnissaへのリブランディングがされました。
管理者向けのWebインターフェースであるHorizon Consoleのログイン画面もブランドロゴが更新され、VMware時代の緑を基調とした色合いからOmnissaの青を基調した色合いに変更されています。
ログイン後の管理コンソールもUI等は色合いやロゴに変化はありますが、画面表示の大きな変更点はなく、今まで通りの操作感で利用できるかと思います。
Horizon 2412の変更点・注意点
UIの変更以外にも新バージョンによる変更点や注意点があるので紹介していきます。
ライセンスキーの変更
Horizon 2412への新バージョンによりライセンスキーが変更されました。従来25桁で構成されていた、ライセンスキーが30桁に変更され、新しいライセンスキーの使用が必要になります。
既存のライセンスを適用している状態の場合、Horizon 2412へアップグレードしてから60日間有効な状態となり、残り期間はHorizon Consoleの画面上部に表示されます。
60日を過ぎるとRestricted mode(制限モード)に移行します。Restricted modeの場合、既存で作成されているプールやファームに対してユーザーがデスクトップ接続することはできますがプールやファームの作成・変更ができなくなりますのでご注意ください。
Restricted modeで利用できなくなる機能の詳細は、Omnissaドキュメントをご参照ください。
https://docs.omnissa.com/ja-JP/bundle/Horizon8InstallUpgrade/page/EnablingHorizon8forSaaSSubscriptionLicensesandHorizonControlPlaneServices.html#about_restricted_mode
既存のライセンスキーを使用している方はOmnissa Customer Connectにアクセスしライセンスキーを変換する必要があります。
変換手順は、Omnissaのドキュメントをご参照ください。
古い形式のライセンス キーを新しい Omnissa ライセンス キー形式に変換する方法(6000695)
新しいライセンスキーに切り替える際は、Horizon Pod内すべてのConnection Serverをアップグレードしてから置き換えてください。アップグレードしていないConnection Serverがある場合、Horizon全体での互換性が確保されず、トラブルが発生する可能性があります。
Horizon Clientの変更
Windows・macOS
Horizon 2412バージョンからHorizon ClientのUIやファイルパスなどがOmnissaブランドにリブランディングされました。その影響でファイルパス等を指定しているサービスやツールがある場合、想定通りに動作しない可能性があります。また、ZoomやCisco Webexなどの最適化プラグインを使用している場合に、既存のバージョンの組み合わせでは動作しない可能性があります。
既存でご利用されているツールが想定通りに動作するか、事前に検証してからアップデートすることを推奨します。
なお、既存で利用中のHorizon Clientをアップデートする場合、既存のHorizon Clientの操作画面からは更新ができず、新しいHorizon ClientをOmnissa Customer Connectからダウンロードして、インストールする必要があります。
iOS・Android
Horizon 2412バージョンからモバイル用のHorizon Clientの提供者が変更されました。
iOSはアプリの提供が「VMware,LLC」から「AirWatch,LLC」に変更され、Androidは「VMware,LLC」から「Omnissa HoldCo LLC」に変更されています。
この変更により既存のHorizon Clientのバージョンアップではなく、別のアプリケーションとして配信されています。そのため、既存のHorizon Clientで設定されていた情報がリセットされてしまいます。
また既存のHorizon Clientはアプリストアから削除されているため、MDMなどを使用してHorizon Clientを配信している場合は新しいHorizon Clientを配信できなくなります。新しいアプリとして、配信設定を適用し直す必要があります。
フォルダ名やファイル、サービス名などの変更
UIやアプリの変更だけでなくフォルダ構造やレジストリ、ファイル名なども変更されています。
フォルダ構造
各フォルダ構造が以下に変更されました。
フォル構造の変更の詳細は以下KBを参照ください。
Rebranding Changes in Omnissa Horizon Products (6000681)
フォル構造の変更により、フォルダを参照する機能やツールなどを使用している場合、変更する必要が出てきます。例えば、自社で作成したスクリプトを用いてHorizonの設定変更を行っている場合、スクリプト内に記載されたフォルダパスを変更する必要が出てくる可能性があります。
また、Horizonを2412のバージョンへアップデートした際に、設定ファイルの保存先フォルダパスが原因で影響が出る可能性があります。UAG経由でHorizonにHTMLアクセスをしたい場合「locked.properties」という名称の設定ファイルを構成する必要がありますが、Horizon 2412のバージョンではパスが変更されています。
この設定ファイルは、旧バージョンのHorizonからHorizon 2412にアップデートしても自動的に新しいフォルダにはコピーされません。そのため、アップデート作業時に新しいフォルダへ手動でコピーする必要があります。
ファイル
Horizon 2412ではグループポリシー管理(ADMX)テンプレートファイル名が変更されています。そのため、Omnissa Customer Connectから新しいテンプレートファイルをダウンロードし、Active Directoryに追加する必要があります。
その後、旧GPOで構成していた内容を新GPOに反映する必要があります。
サービス名
Horizon 2412ではサービス名の変更もされています。そのため、サービス名を使用したスクリプトなどを構成している場合は、内容を変更する必要があります。
その他、フォルダ構造やファイル、サービス名の変更点に関しましてはOmnissaドキュメントをご参照ください。
Omnissa Horizon 製品のブランド変更
ESB(Extended Service Branch)
Horizonのリリースでは、最新機能が実装されるバージョンのリリース「Current Releases (CR)」と、バグ修正やセキュリティ修正といったメンテナンスアップデートが定期的に提供されるリリース「ESB(Extended Service Branch)」の定義があります。ESBのリリースは、新機能が実装がないメンテナンスアップデートのみが定期的に提供されるため、機能拡張を必要とせず長期的に安定した仮想デスクトップ環境を利用したいニーズがある場合に選択されることが多いリリースです。
今回リリースされたHorizon 2412は、ESBの対象ではありません。そのため、長期的に安定して同バージョンの機能を利用するニーズがある場合、今回のバージョンでの導入は注意が必要となります。
その他、Horizon 2412の新バージョン情報についてはOmnissaのリリースノートをご参照ください。
Omnissa Horizon 8 2412リリースノート
まとめ
今回はHorizon 2412バージョンのリリースから環境に影響が出そうな変更点や注意点に絞ってご紹介させていただきました。その他、細かい変更点もありますのでアップグレードをする場合は十分検証してから実施いただければと思います。
Horizonに関する新しい情報は、今後も発信していきますので、引き続きご確認いただけますと幸いです。
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著者紹介
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SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
石井 基久 - Motohisa Ishii -
VMware vExpert