こんにちは。SB C&S 稲葉です。
2019年5月8日に Arcserve UDP 7.0 が arcserve Japan 社からリリースされました。
今回の改定に伴う主なアップデートは以下の3点となり、本ブログでは2回に分け「Nutanix AHVへの対応」にフォーカスした検証結果をご紹介していきます。
< Arcserve UDP 7.0 の主な新機能・拡張機能>
- 最新プラットフォームへの対応
- Nutanix AHV への対応
- Microsoft Office 365 保護の強化
参考文書
https://s28241.pcdn.co/wp-content/uploads/2019/05/udp70-rha180-release-rev.pdf
1. 環境構成を考える
第1回目は環境構成についての解説です。
Nutanix AHV と Arcserve UDP 7.0 を連携した構成には大きく分けて以下の2種類があります。
使用するNutanixのライセンスに応じて構成をご検討ください。
- ボリュームグループ構成
- HOTADD 構成
1) ボリュームグループ構成の特徴
ボリュームグループ構成は、Nutanix Cluster 外にバックアップサーバー配置した場合、Arcserve UDP に必要な以下3種類のコンポーネントを全て集約(外出し)することができます。
また各コンポーネントを分離し、Nutanix Cluster 内に配置することもできますので、構成における柔軟性が HOTADD 構成よりも高いメリットがあります
一方でNutanix Volumeの機能(外部クライアントからのアクセス)を使用するため構成にはNutanixのProライセンスが必要になります。
- コンソール
- バックアッププロキシ
- 復旧ポイントサーバー(RPS)
ボリュームグループ構成を設定するために必要な操作は以下の2つとなります。
1)Arcserve UDP のバックアッププラン作成時に転送方式を「ボリュームグループ(iSCSI)」に変更
2)Nutanix の Prism の画面より Cluster Details の設定画面を開き、「ISCSI DATA SERVICE IP」を設定
もし「ISCSI DATA SERVICE IP」を設定せず、バックアップを取得した場合以下のエラーメッセージが表示され、中断されますのでお気を付けください。
メッセージ内容: Nutanix クラスタで iSCSI データサービス IP が設定されていません。・・・
ボリュームグループ構成を設定した場合、Arcserve UDP によるバックアップが開始すると、Nutanix 上に一時的な Volume Group (ARCSERVE_UDP_〜)が作成され、バックアップ処理終了後に自動的に削除されます。
2) HOTADD 構成の特徴
HOTADD 構成は、ボリュームグループ構成と異なり、「バックアッププロキシ」を Nutanix Cluster 内の Windows サーバーへインストールすることで構成することができます。
HOTADD では、ボリュームグループの作成は行いません。取得した仮想マシンのスナップショットの vDISK をバックアッププロキシサーバーにアタッチ後、バックアップ処理を開始します。ボリュームグループを使用しない場合は、こちらを選択します。
HOTADD 構成を設定するために必要な操作は以下の2つとなります。
1)Arcserve UDP のバックアッププラン作成時に転送方式を「HOTADD」に変更
2)Nutanix Cluster 内の仮想マシンに「Arcserve_UDP_Agent_Windows」をインストール
(Agentをインストールした仮想マシンがバックアッププロキシサーバーとなります。)
なお、「HOTADD」を選択された場合、外部にあるバックアッププロキシを指定しバックアップを行うと以下のエラーメッセージが表示されますのでご注意ください。
メッセージ内容: プロキシが同じクラスタに存在するためバックアップを実行できません。・・・
2. まとめ
Nutanix AHV 上のバックアップを取得する際の Arcserve UDP の構成をまとめると以下の通りです。
- ボリュームグループ構成
- Arcsrve UDP の各コンポーネントを Nutanix Cluster 外に配置することができる
- バックアップ/リストア時の Nutanix AHV 転送方式にて「ボリュームグループ」を選択する
- Nutanix ProライセンスとPrism の画面から ISCSI DATA SERVICE IP の設定が必要
- HOTADD 構成
- バックアッププロキシは、Nutanix Cluster 内部に配置する
- バックアップ/リストア時の Nutanix AHV 転送方式にて「HOTADD」を選択する
- Nutanix Starterライセンスで使用可能(ISCSI DATA SERVICE IP は設定不要)
それでは、次回はボリュームグループ構成でのバックアップとリストアについて検証した結果を紹介していきます。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 1課
稲葉 直之
静岡出身で大阪に就職職してはや十数年。お茶と日本酒をこよなく愛し、現在は仮想化及びその周辺のプリセールスエンジニアとして日々修行中。