
みなさん、こんにちは。
SB C&S 技術担当の小林です。
オンプレミスからクラウドにいたるまでデータインフラに関する幅広いサービスを展開している皆さんご存じNetApp。そんなNetAppのラインナップの中で同じオールフラッシュのユニファイドストレージ、AFFシリーズよりも「SAN専用でコストが安い」と大注目のASAシリーズを紹介していきます。
今回のブログでは「新旧シリーズの違いって何?」「A/Cシリーズ?の違いって何?」「エントリーモデルの中でどれを選べばいいの?」といった疑問を解消します!
このブログを通してNetAppのASAシリーズを知っていただくきっかけとなりましたら幸いです。
さらに今年の6月に入ってから待望のASA Cシリーズの新シリーズ「ASA C30」がリリースされました!
このブログではC30についても触れていこうと思います!
*本内容は2025年6月時点における各製品の特徴を基に作成しております。 そのため製品の特徴や構成情報にアップデートが入ることもございます。 また実案件の要件によっては選定のポイントが異なる可能性があることをご了承いただきますと幸いです。
【ラインナップ】
まずは製品ラインナップについて、ASA Aシリーズから見ていこうと思います。
まず、ASA Aシリーズの特徴は"性能重視"のTLCディスクが搭載されている点になります。
そして今回紹介するASA AシリーズはEOA発表がされていない新シリーズの発売が主になり、新シリーズの特徴1つ目はCPUのアップデートに加えてQAT(内部プロセッサー)の追加搭載とハードウェアコンポーネントのアップデートになります。
次にASAにおける新シリーズの特徴は独自のASA R2の搭載により、操作が簡単になった点です。
(ASA R-2システムの詳細はこちらから)
*ASA A20はCPUアップデートのみとなり、QAT搭載はございません。
つまりASA Aの新シリーズは元々、性能重視型であったモデルに対して独自ハードウェアコンポーネントによるさらなる"高速化"と"簡単操作"が達成されたストレージとなります。
続いてASA Cシリーズになります。
まず、ASA Cシリーズの特徴は"容量重視"のQLCディスクが搭載されている点になります。
そのため"容量とコスト"を重視しながら、NetAppの操作に慣れているユーザー様には"今まで通りの使用感"でお使いいただける製品となります。
またASA Cシリーズは引き続き旧シリーズが主なラインナップとなるため、新シリーズの特徴であるハードウェアコンポーネントのアップデートや簡単操作のASA R2システムが搭載されておりません。
ただ冒頭でもお伝えした通り、2025年の6月にリリースされた「ASA C30」だけはハードウェアコンポーネントのアップデートとASA R2の導入で簡単操作を実現した待望の新シリーズでの販売となっております。
ここまでA/C、新/旧の観点から各シリーズについて下記のように説明してきました。
・Aシリーズ
性能重視のTLCディスク搭載に加えてハードウェアコンポーネントのアップデートと
性能がさらに強化されたストレージ。
・Cシリーズ
"容量とコスト"重視のQLCディスク搭載のストレージ。
・新シリーズ
独自ハードウェアコンポーネントによる性能強化に加えてASA R2システムにより
簡単操作が実現されたストレージ。
・旧シリーズ
NetAppを使い慣れたお客様にも従来通りの操作を提供できるストレージ。
そしてここからはASA Aの新シリーズだけでも6種類、ASA Cシリーズだけでも4種類あるこれらの製品群をどうやってモデル選定するのか?また各製品の特徴は何か?といった観点から解説してきます。
*また今回ご紹介できていないASAの旧シリーズを含んだ全てのラインナップはここからご覧いただけます。
【エントリーモデル】
まずはエントリーモデルから解説していきます。本記事で紹介しただけで、ASAのエントリーモデルはA20、A30、C30、C250の3種類があります。
「性能重視のAシリーズ」と「容量重視のCシリーズ」の違いで分けると以下の画像のようになります。
次に「簡単操作の新シリーズ」と「従来通りの操作ができる旧シリーズ」で分けるとC30はCシリーズで唯一の新シリーズモデルとなるため、以下の画像のようになります。
しかし、エントリークラスの要件においては性能や容量だけでなく100Vの電圧対応可否も入ってくることがあります。
そこで新シリーズで唯一100V対応している"A20"の特徴が際立ち、またC250も100V対応をしているため電圧の要件から考えるとこの二つのモデルが候補に挙がります。
つまり、エントリーサイズのモデル選定においては容量と性能以外に"電圧"もまたポイントになります。
【ミドルレンジ】
続いてミドルレンジモデルについて解説します。
本記事で紹介しただけで、ASAのミドルレンジモデルはA50、A70、C400の3種類があります。
またこちらもA/C、新/旧の違いで分けると新シリーズの導入で操作が簡単で且つ性能重視のAシリーズと従来通りの操作性でコストと容量が重視されたCシリーズという分かれ方になります。
しかし、ミドルレンジモデルにおいては筐体サイズの違いとネットワークポート数などさまざまなポイントに着目するとそれぞれのモデルの色が出てきます。
A50はA70に比べてミドルレンジクラスの性能を持ちながら筐体サイズが半分となり省スペースで導入ができる製品となります。
それなら「A70はサイズが大きいだけで無駄なのではないか?」そんなことはありません。
A70は筐体サイズが大きい分、A50と比較して大容量のデータを搭載することができます.。
またそれだけでなく200Gb/ETHポートのSlot対応やネットワークカードのSlot数もまた多く、物理インターフェースにおいてより多くの冗長性を組むことができます。
ミッションクリティカルな環境で使用されることの多いSANストレージにおいて物理インターフェースの冗長化は重要な要件になります。
さらには容量とコストのメリットを兼ね備えたASA C400においては電圧100V対応可能というポイントがあるのです。
そのためラックスペース、物理インターフェースや電圧などミドルレンジクラスはそれぞれのモデルに個性豊かなポイントがあるのです。
【ハイエンド】
最後にハイエンドクラスの解説をしていきます。
ハイエンドクラスもエントリー、ミドルクラス同様に性能、容量さらには操作性から以下のような違いがあります。
ハイエンドは容量と性能で製品を分けるかたちで問題はないのですが、ASAシリーズの中で"性能が最も高いモデル"がASA A1K、(EOAが発表されていない製品群において)"容量が最も大きいモデル"ASA C800というのが大きな特徴になります。
しかしながら、ASA A1Kはコントローラーシャーシとディスクシャーシが分離されているので最低でも6Uのスペースを必要とする製品になります。
そんな時に高性能で4Uから導入ができるハイエンド製品ASA A90の特徴が際立つのです!
皆さん、本日のASAシリーズの解説はいかがだったでしょうか?
ファイルサーバーやストレージ専用OS「ONTAP」に定評のあるNetAppはSAN専用ストレージにも力を入れています。
そして実案件のモデル選定時においては容量・性能・価格が選定の基準として大部分を占めることが多いと思います。ただNetAppはSAN専用ストレージだけでもこれだけの製品群を取り揃えていて個性抜群のモデルが容量・性能・価格以外のあらゆるニーズに対応しているのです。
今回のブログはそんなモデルが豊富なNetAppのASAシリーズを知っていただくきっかけとなりましたら幸いです。
最後に冒頭でも記載した通り、実際の要件毎で今回の選定基準が異なることもあることをご了承ください。またモデル選定のための詳しい構成情報をお求めの方はこちらのブログでご参照いただけますと幸いです。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
小林 健太