Automation Anywhereって、なんか色々名前を聞くけど、いっぱいあってよくわからない。。。
と思っている方、いらっしゃいませんか?
今回は主要な製品についてご紹介したいと思います。
※本記事はv11.3.xの内容になります。
目次
1. 製品構成(基本編)
2. 製品構成(応用編)
3. まとめ
1. 製品構成(基本編)
Automation Anywhereは他の主要なRPA製品とは異なり、完全サーバー型のRPAです。
そのため、特に統制や管理をしっかりと行いたい企業に向いていると言えます。
導入の最小単位は「Automation Anywhere Enterprise」になります。
Control Room(サーバー)と、AA Enterprise Client(クライアント)で構成されます。
AA Enterprise ClientはControl Roomと常につながっている必要があります。
【参考】AUTOMATION ANYWHERE ENTERPRISE RPA
https://www.automationanywhere.com/jp/products/enterprise
Control Room
Automation Anywhereでは、管理者だけでなく、一般ユーザーもControl Roomを使用します。
Control Roomへのアクセスには、各種ブラウザを使用します。
利用できる機能は設定されている権限によって異なります。
AA Enterprise Client (Bot Creator / Bot Runner)
Automation AnywhereではRPAのロボットを「Bot」と呼んでいます。
Botを作るライセンスが「Bot Creator」です。もちろんテスト実行もできます。
Botを実行するだけのライセンスが「Bot Runner」になります。
CreatorもRunnerも同じAA Enterprise Clientを使用しますが、使用できる機能が異なります。
Bot Runnerは、人が逐次実行することもできますし(Attended)、
Control Roomから指示を出して無人で実行することもできます(Unattended)。
Control RoomとAA Enterprise Client
開発環境と実行環境を1台のマシンにしてしまうこともできますが、
実行中は開発できませんので、本格運用には向かないですね。
ということで、開発環境と実行環境が別マシンである前提なので、Botの受け渡しが必要になりますが、
それはControl Roomを介して行えるようになっています。
Control Roomではバージョンの管理もできますので、バージョン2を開発しつつ、
他の人にはバージョン1を使ってもらうといったことも簡単にできてしまいます。
Database
Automation Anywhereでは、データベースとしてMicrosoft SQL ServerまたはOracle Serverの
いずれかが必要です。
ダッシュボード関連のデータ保存先としては、別途PostgreSQL Serverに保存するか、
または上記いずれかのデータベースへ統合するか、選択ができます。
Control RoomをExpressモードでインストールした場合は、
同梱されたSQL Serverを無償で使用することができます。
ただ、本格的に運用するようになったら、データベース製品を導入することが推奨されています。
2. 製品構成(応用編)
別途ライセンス購入が必要となるものもありますが、
簡単に機能追加できる製品がいくつか用意されています。
また、実際にはControl Roomが1つということもなく、
障害に備えたり負荷分散のために複数用意することになりそうです。
ちなみに1つのControl Roomで、同時に実行できるBotは1000台までとのことです。
SVN
Botの履歴管理をしたい場合はSVNが利用できます。
SVNはVisualSVNの無料版を使用しますが、他のSVN製品を使用することもできるみたいです。
すでに使っている製品があるなら、そちらに統合することもできそうです。
Bot Insight
Bot Insightはリアルタイムに各種データを分析できるようにする製品です。
つまりBI(Business Intelligence)のような製品になります。
Control Roomのダッシュボードには、
[ホーム][Bots][デバイス][監査][ワークロード][インサイト]という
6つのメニューが用意されているのですが、
そのうちの[インサイト]を使いたい場合だけライセンス購入が必要です。
個別の製品インストールは不要なので、
Control Roomのダッシュボードを表示するために内部的に使っている製品がBot Insightで、
ライセンス購入するために名前が出てくるだけで、
それ以外はあまり意識することはないのかな?という感じです。
(ここがちょっとわかりにくいですね。。。)
ちなみに[インサイト]以外のメニューでは、
Botのパフォーマンスやリソースの使用率、監査情報の分析結果などを見ることができるので、
従来のシステム運用では専用のパッケージなどを導入していたと思いますが、
それが不要になるのはうれしいですね。
[インサイト]メニューでは、Botで取り扱ったデータに関する情報など、
ビジネスに関するデータの分析結果を見ることができます。
例えば、請求書を発行するBotがあった場合、単に何件の処理を行ったかということだけでなく、
何円分の請求金額を処理したかや、請求書発行と支払いの傾向などに関する分析結果を
自動的に生成することができます。
経営層への報告や業務の改善のために使用できそうですね。
全体的にこちらの方が機能が充実していそうな印象です。
【参考】BOT INSIGHT
https://www.automationanywhere.com/jp/products/bot-insight
IQ Bot
IQ Botは請求書などの非構造化データをBotで利用できるようにする製品です。
簡単に言えば、AIが対応してくれるOCRのようなものになります。
使用するには製品のインストール+ライセンスの購入が必要です。
学習によってデータを分類しデジタルデータで取り出せるようにしてくれます。
例えば請求書なんてどこの会社でもほとんど内容は同じですが、
書いてある場所が違ったり、項目名が微妙に違ったりしますよね?
IQ Botは複数のパターンを登録しておけば、
未登録のフォーマットが来てもある程度は類推してくれるらしいです。
RPAを導入したい理由の1つは紙の書類をなんとかしたい!というのも大きいと思います。
Automation Anywhereでは標準でOCRコマンドもありますが、表形式になっていなかったり、
手書き部分があったりすると、ちょっと対応が難しくなってしまいます。
アウトソーシングしたり、システム開発するほどではないという分量の場合は、
大きな戦力になるのではないでしょうか。
【参考】IQ BOT
https://www.automationanywhere.com/jp/iq-bot
3. まとめ
いかがだったでしょうか?
すでに他のRPA製品の知識がある方なら「これはアノ製品みたいだな」とか、
「アノ製品でできなかったことができそうだ」とか、思われたのではないでしょうか?
逆にRPA製品の知識がまったく無かった方も、
これをベースにして他の製品の情報を探ってみるとわかりやすいのではないかと思います。
他のおすすめ記事はこちら
著者紹介
先端技術推進統括部
RPAビジネス推進部
西尾 玲