
みなさま、こんにちは。植木です。
今回は、UiPathの新たなツール「Maestro」についてご紹介します。
「Maestro」は、AIエージェント、ロボット、人間を統合して、
業務プロセスを効率的に自動化・最適化する
オーケストレーションプラットフォームです。
BPMN 2.0(Business Process Model and Notation)準拠で視覚的に業務フローを設計でき、
長大で複雑な業務プロセスを効率的に連携させ大規模に運用することができます。
本記事では、Maestro の概要や機能について詳しく解説していきます。
実際の使い方は後編でご紹介しますので、合わせてご一読いただけますと幸いです。
※【2025/7/14】Maestroの特徴が伝わるように記事の構成を修正しました。
※他の記事はこちら
【UiPath Agents】Maestro の使い方
目次
1.はじめに
Maestro は、すべてのテナントで自動的に利用可能となっております。
また、不要な場合はテナントを選択して無効化することもできます。
一方で、Maestro に関連する以下のツールや機能を利用するためには、
それぞれに適したライセンスが必要となりますのでご注意ください。
【Maestroの関連ツール・機能】
- Studio, Stduio Web
- Apps
- Agent Builder
- Integration Service
- Action Center
■2025/7/8 追記
以下の公式ドキュメントに詳細が記載されておりますのでご参照ください。
Maestro ユーザー ガイド ー ライセンス
2.Maestro の概要
Maestro は、企業の業務プロセスを効率的かつ高度に自動化・最適化するための
オーケストレーションプラットフォームです。
RPAロボット、AIエージェント、そして人間の協働を可能にし、
複雑な業務プロセスを統合的に管理します。
■開発画面サンプル
Maestro の主な特徴は以下の通りです。
・【BPMN2.0準拠】
複雑な業務フローを国際標準の表記法で可視化・管理
・【プロセスの統合】
AIエージェント、RPAロボット、人間を統合し、長期かつ複雑なプロセスの自動化・最適化を実現
・【一貫支援】
業務プロセスの設計、実装、運用、監視、最適化までを一貫して支援
・【柔軟な連携】
部門横断や外部パートナーを含む複数システム・エコシステム連携が可能
※補足:BPMN2.0 とは
業務プロセスを視覚的に表現するための標準的な表記法です。
業務プロセスの設計、分析、自動化、監視、改善など幅広く活用されます。
3.従来のRPA+AI組み込み方式とMaestroの比較
従来のRPA+AI組み込み方式とMaestroを比較すると以下のようになります。
4.Maestro の機能
Maestro は主に以下の項目・機能で構成されます。
4-1.イベント
プロセス内で発生する事象(出来事)を表します。
主に以下の3種類が存在します。
・開始イベント: プロセスをスタートさせるきっかけ
(例: ボタンを押す、メッセージを受け取る)
・中間イベント: プロセスの途中で発生する出来事 (例: タイマーが発動、エラーが発生)
・終了イベント: プロセスが終わる瞬間 (例: 結果が出る、処理が完了する)
4-2.タスク
プロセス内で実行される具体的な作業やアクティビティを表します。
UiPath Studio, Studio Web で作成したプロセスや、
Agent Builder で作成したAIエージェントを実行することもできます。
4-3.ゲートウェイ
プロセスのフローを分岐、分割、または結合するための制御要素です。
4-4.データ
プロセス内で使用される情報や成果物を表します。
情報の流れを可視化するために利用されます。
4-5.参加者・レーン
「参加者」はMaestro独自の概念で、BPMNのプール(Pool)とレーン(Lane)を統合したものになります。
・プール: プロセス全体を表し、プロセスを実行する主体(例: 組織や部門)を示します。
プール内には複数のレーンを含むことができます。
・レーン: プール内でプロセスをさらに細分化したものです。
特定の役割や部門(例: 部署や担当者)を示します。
5.さいごに
今回は、Maestro の概要と機能についてご紹介しました。
後編では、Maestroの使い方についてサンプルフローをもとに詳しく解説していきますので、
ぜひご一読ください。
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植木 真