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Nutanix 「AHV」とは

ストレージ / HCI
2019.09.05

はじめに

 HCI(ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャ)市場の牽引者であるNutanix社は、2009年の設立から今年で10周年を迎え、現在も成長を続けている企業です。Nutanix社は、2015年に自社開発のハイパーバイザーである「AHV」をリリースし、今年も新たなサービスを次々と発表しています。

 そこでこの記事では、「仮想環境やハイパーバイザーといえばESXiやvCenter Server、Hyper-Vしか知らない」「AHVとはなんぞや?」という方のために、Nutanixが提供しているAHVについてご紹介したいと思います。

AHVとは

 Nutanix社は、一般的なハイパーバイザーが抱える仮想環境の管理の複雑さや拡張性の難しさを解消することなどを当初から課題として捉えていました。そこで、Linux KVMをベースとした「AHV」というネイティブのハイパーバイザーを開発し、2015年にリリースしました。もともとは「Acropolis Hypervisor」とも呼ばれていたのですが、現在では「AHV」が正式名称となっています。Acropolis(アクロポリス)とは、NutanixのHCIクラスター環境のアーキテクチャを構成するコンポーネントの総称で、この名前がNutanixのネイティブハイパーバイザーにも付けられたようです。

 AHVではOpen vSwitchの採用や、シンプルなWebコンソールでNutanixクラスターを統合管理することができるなど、最適なHCI環境を実現できるように設計されています。提供開始から4年が経過した現在も、AHVは市場シェア拡大を続けており、とても注目度の高いプロダクトとなっております。

HCIとは

 AHVの話を続ける前にHCIのおさらいをさせていただきます。HCIとは、従来の3-Tier(サーバ+SAN+ストレージ)構成を1台のノードに垂直統合した基盤です。HCIでは、外部共有ストレージに複数のサーバからアクセスする従来のような構成ではなく、各ノードのローカルディスク(SSDやHDD)を仮想的に束ねて一つの大きな共有ストレージに見せかけることで、クラスター環境を実現しています。このHCIの構成を導入することによって、ユーザはSANやストレージの構成に悩まされることなくインフラ環境を管理することができるようになりました。

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 HCIの利点は、柔軟な拡張性やランニングコストの削減などにあります。CPUやメモリ、ストレージなどのリソースが不足した際には、一台のノードを追加するだけでリソースをスケールアウトすることができます。これは余分な出費を抑えるだけでなく、初期導入ではスモールスタートをして、将来的にリソース拡大を見込んでいるような環境にも柔軟に対応することができます。また、外部ストレージやFCスイッチを導入する必要がないため、サーバラック内のスペースを節約できるなど、運用コストも削減することができます。

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NutanixのHCI構成

 NutanixのHCI環境を説明する上で最も重要なコンポーネントは「CVM」です。CVM(コントローラーVM)とは、各ノード上に1つずつデフォルトで作成されている仮想マシンのことで、ノード間で互いに連携し合ってNutanix HCI環境全体をコントロールする役割を担っています。CVMは、物理ネットワークを通じて他のノードのCVMと通信することによって、仮想的に大きな共有ストレージプールを作成しています。CVMとローカルの物理ディスクは、ハイパーバイザーを介さずにPCIパススルー接続されています。

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AHVのネットワークのしくみ

 AHVでは、Nutanix HCIクラスターを作成した際に、次の2つの仮想スイッチが作成されます。

  • ノード内でCVMとAHVが内部通信するためのネイティブLinuxブリッジ
  • CVM、AHV、ユーザVMが、他のノードや外部と通信するためのOpen vSwitch

 AHVではOpen vSwitchを採用して、複数ノード間の分散仮想スイッチ/仮想ネットワークを作成し、VLANの割り当てに加えて、IPAM(DHCPによるIPアドレス管理)機能を提供することもできます。


 またAHVに限った話ではないですが、Nutanix HCIクラスターでは初期構築で下記の3つのネットワークを作成します。

  • ノード内のCVM/AHVの管理ネットワーク
  • CVM/AHVが他のノードや外部と通信するための管理ネットワーク
  • ハードウェアの管理等を行うIPMIネットワーク

 Nutanixのハードウェアアプライアンスも一般的なサーバ機器と同様にIPMIのポートを有しており、CVMがダウンしてクラスターが管理できないなどの緊急時の接続に使用することができます。ちなみにクラスター作成後に新規作成したユーザVMのサービス系ネットワークは通常、管理系ネットワークとセグメントを分けます。


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Nutanixの管理コンソール「Prism」

 NutanixのHCIクラスターの管理には「Prism」という標準のWebコンソールを利用することができ、AHVの管理にもPrismを使用します。Prismでは、サーバ、ストレージ、ハイパーバイザーやネットワークの管理だけでなく、リソースの監視やアラートの設定、各種コンポーネントのアップデートやクラスターの拡張など、様々な機能を一元管理することができます。

 このWebコンソールは、管理のシンプルさを追求してデザインされており、その中でも特徴的なのは「ワンクリック・オペレーション」です。これにより、仮想マシンの作成や、仮想ネットワークの作成、各種コンポーネントのバージョンのアップデートなどが、より少ないクリック回数で実行することができます。また、右クリック操作も排除されており、左クリックのみで全ての操作が行えるように設計されています。

PrismのHome画面スクリーンショット 2019-07-22 19.23.53.png


 実際にPrismを触ってみたいという方はNutanix社が無償で提供している「Test Drive」というテスト環境があるので、ぜひ活用してみてください。
  →Test Driveはこちら

まとめ

 この記事では、NutanixのHCIやAHVの話を簡単に紹介させていただきました。これからも、AHVやその他のNutanix関連の情報を発信させていただければと思います。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

書籍紹介

 おわりに、Nutanix製品に関する最新の書籍を紹介させていただきます。こちらは当社のエンジニアチームと、ニュータニックス・ジャパン合同会社のエンジニアの方々が共同執筆したもので、AHVをはじめとするNutanixの技術やサービスを詳しく学ぶことができます。ご興味のある方やこれからNutanixを勉強したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

Nutanix Enterprise Cloud クラウド発想のITインフラ技術
書籍タイトル: Nutanix Enterprise Cloud
クラウド発想のITインフラ技術
著者: SB C&S株式会社
ニュータニックス・ジャパン合同会社 協力
発売日: 2019年05月24日
価格: 3,600円+税
出版社: 翔泳社
詳細情報: 翔泳社のホームページ

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 販売推進・技術本部 技術統括部 第1技術部 1課
友松 桂吾 - Keigo Tomomatsu -

DC運用、MBA留学などの経験を経て、2019年にSB C&S入社。若いうちに技術を習得しておきたいとの想いから、日々HCIや仮想化製品をいじり回している。ちなみに好きな食べ物はささみ。