みなさま、こんにちは。
SB C&Sで仮想化製品のプリセールスエンジニアを担当しております、小泉と申します。
HCIのメーカーとして知られるNutanix社がサービス提供を行うDaaSである「Nutanix Xi Frame」(以降、Frame)について、全5回(予定)にわたりご紹介していきたいと思います。
各回でご紹介する内容は以下を予定しております。
連載内容
vol.1 概要
vol.2 リソースの追加(AWS)
vol.3 リソースの追加(AHV)
vol.4 仮想デスクトップの展開
vol.5 アプリケーション管理の効率化
第1回となる今回は、Frameの概要についてご紹介します。
DaaS
Frameをご紹介する前にDaaS(Desktop as a Service)についてご説明します。
AWSやAzureなどのクラウドやデータセンターなどに用意された仮想デスクトップへリモートアクセスを行い、デスクトップ環境を利用するサービスとなります。通常、オンプレミスで仮想デスクトップを用意する場合にはハイパーバイザーやサーバー、ストレージといったインフラ部分の管理や運用も行う必要がありますが、DaaSではこの部分がサービスとして提供されるため、利用者はインフラ部分に手を煩わせることなく、デスクトップの管理や運用に集中することが可能となります。
真のマルチクラウド
Nutanix社が掲げるビジョン「Enterprise Cloud」は、IT管理者にとってインフラを「インビジブル=意識する必要がない」になるほどシンプルにするというものであり、これはHCIに留まることなく、今やクラウドにまで広がりを見せています。
出展:Enterprise Cloud企業: Nutanixのリーダーシップとビジョン
Frame社は2012年にカリフォルニア・サンマテオで創業、クラウドから安全にWindowsおよびLinuxワークスペースを提供できるプラットフォーム(DaaS)を提供していたソフトウエアカンパニーで、2018年にNutanix社によって戦略的買収が行われました。ITをシンプルにするという共通のビジョンの下、従来サポートしていたAWSとAzureに加え、Nutanix プラットフォーム(オンプレミスのAHV)とGCPを加えることで真のマルチクラウドを実現しました。
ハイブリッドクラウド対応の管理コンソール
AWSなどのパブリッククラウド、オンプレミスのNutanixクラスタ(AHV)の双方をひとつの管理コンソールで管理可能です。
IT管理者はデスクトップの配置場所を"意識する必要がなくなる"ので、コストや要件に応じてクラウドとオンプレミスを使い分けたり組み合わせたりする場合においても新しいスキルセットを習得する必要はありません。
また、管理コンソールはクラウドサービスとして提供されるため、度重なるバージョンアップやメンテナンスからもIT管理者を開放します。設定項目も必要最小限に留められており、利用開始後すぐに仮想デスクトップ環境を準備することが可能です。
ブラウザーのみで快適なデスクトップアクセス
Frame利用者は、特別なクライアントソフトを必要とせずHTML5対応のブラウザーのみで利用可能です。
これはIT管理者にとってはクライアントソフトウエアを管理する必要がなく、在宅勤務などのデバイス管理が行き届かない利用シーンにおいても幅広いデバイスからの接続をサポートとします。
また、動画圧縮技術(H.264)をベースにQoSを組み合わせた独自の画面転送プロトコル(Frame Remoting Protocol)を採用しており、快適なデスクトップアクセスを実現しています。
豊富なユーザーデータの配置先
Frameは基本的に非永続割り当てのデスクトップを前提として作られているため、ユーザーデータを保持する仕組みが豊富に備わっています。(永続割り当てもサポートしております。)
デスクトップやマイドキュメントなどのプロファイルを自動的にリダイレクトしてくれるPersonal Drive機能(ユーザー専用ディスク)やDropboxやboxなどのクラウドストレージを連携させればログイン時にマウントしてくれる機能が提供され、設定も有効化するだけと非常に簡単です。
ユーザーデータの配置先としてもクラウドならびにオンプレミスの双方をサポートすることで、お客さまのご要件に合わせた柔軟な選択が可能です。
無償トライアル
現在、Nutanix社では新型コロナウイルスの影響拡大を受け、日本を含むアジア格好の企業に向けてFrameを30日間無償でトライアルを提供されています。在宅勤務の環境をご検討されておられる企業さまや生産性維持に課題をお持ちの企業さまなど、以下URLより無償トライアルをお申し込みください。
※Frame管理コンソール部分のみの無償提供となります。仮想デスクトップリソース(パブリッククラウドやオンプレミスのNutanixクラスタ)についてはお客様にてご準備ください。
https://www.nutanix.com/jp/work-from-home
如何でしたでしょうか?
今回はNutanix Xi Frameについて、概要をご紹介させていただきました。
Nutanixのインフラ、クラウド問わず「インビジブルにする」(シンプルにする)というビジョンは、日進月歩のITを利用する多くの方々にメリットをもたらしてくれると考えています。今回ご紹介したFrameも当然そのビジョンを踏襲しており、デスクトップを利用するための工程をシンプルにし、如何にすばやく利用者の望むデスクトップ環境が提供できるか、といったサービスであることをご理解いただけたと思います。
次回からは具体的な設定手順を交えながら、詳しく解説していきたいと思います。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 1課
小泉 政彰
アプリケーション仮想化、デスクトップ仮想化に携わること10年。さまざまな苦楽を共にした彼らを戦友と呼び、クライアント回りの仮想化技術を好む。