SB C&Sの最新技術情報 発信サイト

C&S ENGINEER VOICE

パブリッククラウドで動くNutanix Clusters on AWS

ストレージ / HCI
2021.02.22

こんにちは。SB C&Sで九州/中国/中部地区で技術支援を担当しています、萩原です。

2020年8月に、AWS上でNutanixが利用できる、Nutanix Clusters on AWSが発表されました。
弊社SB C&Sでは、EarlyAccessで触る機会を頂き、GAされる前から検証をさせていただきました。
Nutanix社の Nutanix Clustersのサイト 「 https://www.nutanix.com/jp/products/clusters/faq 」 には、弊社からのコメントも記載されています。
今日は、Nutanix Clustersの概要とメリットを中心に紹介致します。

Nutanix Clusters on AWSとは

Nutanix Clusters on AWSは、単純に言うとAWS上のプラットフォームでNutanixクラスターを稼動させることができるものです。
Nutanix Clustersは、Nutanixのサービスとして提供される物ではなく、Nutanixが提供する機能の1つであり、その機能が稼動する場所としてAWSが選択できるというものです。具体的には、AWSで提供されるベアメタルEC2インスタンスの物理ハードウェアに直接NutanixのハイパーバイザーであるAHVとAOS(CVM)を展開し、Nutanixクラスターを構築します。

Nutanix Clustersの特長

すぐに展開できてすぐに廃棄できる

これはパブリッククラウドとしての最大のメリットです。製造や配送の必要が無く、インターネット上に展開される管理サイトからいくつかの設定を行うだけで、Nutanix環境を手に入れることが出来ます。また、不要になれば、利用していたAWS上のNutanix環境をすぐに手放すことも出来ます。
Nutanixの得意とする、必要なときに必要なだけリソースを用意するという使い方は、パブリッククラウドの使った分だけ請求されるという考え方にマッチしており、費用とリソースのバランスがとれたシステム運用が可能となります。
オンプレミスのNutanixと同様に、AWS上で稼動中のNutanixクラスターに、活性でノード(ベアメタルインスタンス)の追加も、もちろん可能です。

既存AWSのコンポーネントとの親和性の高さ

Nutanix Clusters on AWSは、特別に作られたサービスや機能ではありません。先程ご紹介したとおり、AWSで一般的に提供されているEC2ベアメタルインスタンスを利用しています。Nutanix ClustersのためにAWS側で特別な構成を作成することなく汎用的なサービスの上でNutanixが稼動することから、自社で既に利用しているAWSの契約環境の中にNutanixを展開することが出来ます。また、ネットワークもAWS既存環境のVPC内に展開が出来るため、EC2仮想マシンインスタンスとNutanix Clusters on AWS上で稼動する仮想マシンは、同一のサブネットに割り当てることで、L2で疎通することも出来ます。AWSとオフィスの間でダイレクトコネクトやVPNで接続している場合、その回線を使ってオンプレミス環境とAWS上に構築されたNutanixの仮想マシンとの疎通も可能です。

▼Nutanix Clusters上で稼動する仮想マシンを既存のEC2仮想マシンと同じサブネットに割り当て可能
01.png

オンプレミスのNutanixそのものがAWS上で使える

前途の通り、Nutanix Clustersは、AWSのベアメタルインスタンスに直接イメージングすることから、作り込まれた専用の操作画面もありません。オンプレミスのNutanix上で展開されるPrismと全く同じ操作方法・画面が提供されます。Nutanixの操作スキルを持っていれば、新たな運用管理方法を習得することなくそのまま運用が可能なパブリッククラウドプラットフォームを手に入れることが出来ます。

▼AWS上で稼動するNutanixのPrism画面は、オンプレミスのPrism画面と同じ
aws-prism.png

Nutanix Clustersの使いどころ

一時的に必要なワークロードに

在宅勤務のシステムを急遽用意する必要性が出てきた、一時的にプロジェクトで必要なサーバーを展開したいなど、恒久的ではなく一時的な利用目的で仮想マシンを展開したい場合、既存のNutanixのスキルで、パブリッククラウドのリソースを使ったNutanixクラスターをAWS上に構築できます。オンプレミスのNutanixで稼動している仮想マシンをレプリケーションでAWS上のNutanixクラスターにコピーや移動することも出来ます。

▼すぐにリソースが必要な場合にすぐ用意できるパブリッククラウドのメリットを活用
02.png

データーセンター引っ越しやDR先に

またオンプレミスで利用していたNutanix環境をデーターセンターや新社屋に移設する場合など、Nutanixクラスターを停止する間、AWS上のNutanixクラスターに仮想マシンを移動させダウンタイムを最小限におさえることが出来ます。また、台風などの自然災害に備えてのDR環境として利用することも可能です。

▼一時的にNutanix Clustersに仮想マシンを移動後、またオンプレミスに戻すことも簡単にできます
03.png

まとめ

長期的な運用においては、オンプレミスを利用し、期間限定で一時的なリソースを必要とする際には、パブリッククラウドを利用する運用は、オンプレミスとパブリッククラウドの良さを使い分けることで、コストを抑えつつ迅速なIT運用を行う得策であると思います。一方で、パブリッククラウドのお作法はオンプレミス環境と異なる点が多く、進化の早いパブリッククラウドと長期間マニュアルベースで運用してきたオンプレミスをの両方を運用することは容易なことではなく、運用負荷の課題となります。
Nutanix Clustersは、パブリッククラウドの広大なリソースを利用しつつも、オンプレミスのNutanixの操作性をそのままで新たな学習コストも最小限におさえることができ、運用効率の高いハイブリッドクラウド環境を手に入れることが出来ます。

コンパクトなNutanix。HPE DX8000 検証レポート

著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第3技術部 1課
萩原 隆博 (Nutanix NTC)

九州・中国地区でHCIを中心とした仮想化プリセールスエンジニアを担当しています。
Nutanix Technology Champion 2018-2021