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【Pure Storage】Pure//Accelerate Digital Japan 2021 イベントレポート

ストレージ / HCI
2021.08.18
みなさまこんにちは
 
ワールドワイドに開催されたPure Storageの年次イベント「Pure//Accelerate Digital」の日本版として、Pure//Accelerate Digital Japan 2021が8月4日(水) に開催されました。
本記事ではSB C&S Pure Storage 技術担当の中田と小川、その内容を一部ピックアップして紹介いたします。
 

基調講演 - モダンデータエクスペリエンスの進め方 -

基調講演ではまずはじめに、Pure StorageのCEO Charles Giancarlo氏が5月のPure//Accelerate Digitalに登壇時の内容を一部抜粋し、日本語吹き替えを加えた動画が流されました。
Modern Data Experienceの重要性とその進め方について語った同氏の講演内容については、下記のブログに掲載していますので、ご一読いだだけますと幸いです。
 
続いて、Pure Storage Japan 代表取締役 田中社長が登壇されました。
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田中社長は、現代の会社におけるITインフラの課題として、以下の3つを挙げました。
  1. インフラの複雑
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  2. クラウド・アジリティの欠如
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  1. 管理の複雑さ
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そしてこれらを解決できるものこそがモダンデータエクスペリエンスであり、これによって従来ボトルネックとなっていたポイントを「Breakthrough」へと転換できる、と語りました。
 

ソリューションセッション1

ソリューションセッション1ではSE本部 本部長の志間氏がPure Storageの永久保証プログラムである「Evergreen」を紹介しました。Evergreenは3年毎に新しいハードウェアに交換可能な保守プログラムであり、本セッションではその優位性について説明しています。
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昨今のコロナ禍にありながら「DXとして取り組む領域が増え、予算や体制が拡大している」と感じる企業が増える一方、IT投資のほとんどが維持管理コストとなっているのが現状であるため「コスト削減だけでなく、次世代開発へ投資しをシフトする多元的なアプローチが求められる」と志間氏は伝えていました。そのような中でEvergreenにより30%コストカットできることを事例を含め説明していました。
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また、Evergreenの実現を支える技術について説明していました。最新のインタフェースを搭載したシャーシを利用することでコントローラ交換のみで最新のストレージとして利用できる仕組みを提供しています。またコントローラ交換はダウンタイムなしで実行することが可能です。これらはソフトウェアデファインのアーキテクチャであるため実現できます。
単なるコスト削減ではなくそれを支える技術によりユーザのサービスに影響を与えることなく運用できる仕組みをPure Storageは提供していると改めて感じました。
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ソリューションセッション2

ソリューションセッション2ではPure Storage Japan 福島氏が、Active Clusterの機能説明をデモを交え行いました。
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Active Clusterは、FlashArrayの提供する同期レプリケーション機能です。
福島氏は、「FlashArray2台を用意し、Pure1に接続すれば利用できるシンプルな構成」「ホストからのIOを両方のFlashArrayで処理できる、Active-Active構成」「ホストからは1つのVolumeとして利用可能」「ライセンスが不要かつ追加のハードウェアも不要であること」をその特長として語りました。
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また筐体障害やラック障害などでも切り替え/再同期が自動で行われ、運用工数を減らせることをメリットとして語りました。
Modern Data Experienceの中核である「極力人の手を介さないインフラの実現」をまさに体現した機能だと感じます。
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Active Clusterの紹介ののち、実機を用いたデモンストレーションが行われました。
デモンストレーションでは、Active Clusterを構成しているFlashArrayに対してベンチマークツールによって擬似的にトランザクションを発生させている状態で、筐体電源の抜き挿しを行いました。
その間のトランザクションの状態をPurity GUIやベンチマークツール上で監視することで、片方の筐体がまるごと停止した場合でもサービス稼働が継続できること、そして電源を挿し戻した場合には自動的に再同期が行われることを示しました。
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またActive Clusterは幅広い業種や用途で利用されていることが紹介されていました。
実際にActive Clusterを導入されているユーザー様の事例セッションでも、運用の手間がかからずパーツ故障時やOSアップグレード時でもサービス提供が止まらないことが導入効果として語られていました。
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ソリューションセッション3

ソリューションセッション3ではシステムエンジニアの川合氏が監視ソリューションである「Pure1」について説明しました。
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従来のストレージ製品ではハードウェアや性能監視を行う際に別途監視ツールを用意する必要がありました。そのためリプレース時の設定作業やコスト面でユーザに負担が生じていました
Pure Storageでは、これらの監視をクラウドベースの監視サービス「Pure1」として提供しています。難しい設定が必要なく、Pure1の提供するWebサイト上で監視を行うことが可能です。途統合管理ツール用意する必要もなく無償で利用することができます。また、専用の統合管理ツールではないため専用ソフトからのアクセスは不要でスマートフォンのアプリからでも監視できる仕組みを提供しています
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また障害発生時にユーザの許可によりPure Storageのサポートチームがリモートでアクセスできる仕組みである「RemoteAssist」により問題を迅速に対応する仕組みもあります。
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そのほか、Pure Storage製品の監視だけでなくVMwareの環境を統合的に管理できる機能である「VM Analytics」についても紹介していました。VM AnalyticsはvCenter Serverと連携することで仮想マシンの情報を収集し、ストレージ側と連携することでトラブルの要因がストレージなのかVMware環境なのかを一目で把握できる仕組みを有していることを紹介していました。
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今後はPortworxなどの新製品やコンテナ環境に関しても統合的に管理できる仕組みが出ることを期待したいと思います。

ソリューションセッション 4

ソリューションセッション4は、Pure Storage 藤井氏によるPure-as-a-Serviceの紹介でした。
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藤井氏ははじめに、企業のCAPEXに対する支出の減少、および新会計基準においてリースモデルはOPEXとして計上できないことをPure-as-a-Service登場の背景として語りました。
ここでのCAPEXは企業が有形資産のために支出するコスト、OPEXは企業が日々の事業運営に必要とする短期的なコストを指します。CAPEXを減らすことで資産管理面のシンプル化や総資産利益率の向上などを見込むことができます。
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このような背景に対しPure-as-a-Serviceは、定額とオンデマンドを組み合わせた柔軟な課金体系と単一サブスクリプションに契約をまとめることのできるシンプルさ、そして何より新しい国際会計基準に準じてOPEXとして計上できることをその特長として強調していました。
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またPure-as-a-Serviceの利用シチュエーションについて、以下の5つを挙げていました。
  1. 新しい国際会計基準でのストレージ利用が必須の場合
  2. ストレージ選定、運用コストを低減したい場合
  3. 1-2年の短期的なストレージ利用の場合
  4. ストレージの需要予測が難しく、突発的な需要にも迅速に対応したい場合
  5. ハイブリッドクラウド、もしくは完全にクラウド化の予定がある場合
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クラウドライクな課金が可能なストレージの利用方法は各社打ち出してきていますが、オンプレからクラウドまで契約をまとめることが可能というのは、現状他社にはないメリットだと感じます。
 

次世代ソリューションセッション1

次世代ソリューションセッション1ではシニア・システムズ・エンジニアの澤藤氏がFlashArray //Cシリーズを紹介しました。
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澤藤氏は冒頭に「そろそろ本気で、HDDの廃止を検討しませんか?」という先鋭な投げかけとともにHDDを使う限り、たとえSSDをキャッシュとして利用するハイブリッドストレージであってもデータが増えるとレイテンシが増え品質/性能からくる運用管理の複雑さからは逃れることはできないと説明していました。
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そこでHDDの用に大容量を実現し高性能を実現するFlashArray //Cシリーズを紹介しました。FlashArrayは2モデル展開しており//Xシリーズが「パフォーマンス最適化モデル」、//Cシリーズが「容量最適化モデル」という位置づけになります。//Cシリーズは「QLC」のフラッシュデバイスを採用しています。QLCの問題点として「耐久性」、「パフォーマンス」、「スケール」が上げられますがFlashArray に採用されているPurity OSとDirect Flash Module(DFM)を用いることで、SSDで問題となる「余剰領域」や「ファームウェア制御による個々の制御によるストレージI/Oと内部処理のバッティング問題」に対してフラッシュデバイスをストレージOS側で制御することにより容量と性能の問題を解決し高性能と低コストの両立を実現しています。
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//Cシリーズも//Xシリーズと同様に重複排除・圧縮効率が高いので、現在HDDで大容量のストレージを展開し複数のラックスペースを有しているようなお客様に対してラックスペースの削減の提案ができるのではないかと感じました。
 

次世代ソリューションセッション 2

次世代ソリューションセッション2では、Pure Storage 城野氏がFlashBladeについて説明しました。
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FlashBladeは、ブレード型のノードをシャーシの空きスロットに挿していくことでスケールアウト可能なNAS/オブジェクトストレージです。15ブレードまでを1つのシャーシに集約できることから、拡張の際には筐体ごとの追加とケーブル結線が必要となっていた従来のスケールアウト型ストレージと比較すると、よりシンプルな構成でスケールアウトが可能であることが特長です。
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また最小7ブレードから最大150ブレードと幅広く拡張可能であり、その拡張作業はサービス停止・設定変更なしで実行できることから、スモールスタートも可能となっています。
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セッションの中で城野氏は「FlashBladeのバックアップ機能と指定された期間データの削除を制限する『SafeMode』の組み合わせにより、急増するランサムウェア被害に対してもFlashBladeは有効である」と語りました。
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またFlashArrayを本番ストレージ、FlashBladeをバックアップ用ストレージとした場合の多段防御についても説明していました。
侵入が30日以内であればFlashArrayのSafeModeスナップショットからのリストアが可能であり、それを超えてしまい正常なスナップショットがFlashArray上に残っていない場合にはFlashBladeからの高速リストア、という形で状況に応じて使い分けることでビジネスの停止時間を大幅に小さくすることにストレージ観点から寄与することができる、と語りました。
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次世代ソリューションセッション3

次世代ソリューションセッション3ではクラウドアーキテクトの溝口氏がPortworxを紹介しました。
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PortworxはKubernetes(以降K8s)環境における統合データプラットフォームを提供するソリューションですが、Portworxには様々な機能があります。K8s環境へSDSの環境を提供、K8s Podのバックアップなど多岐に渡ります。SDSに関してはサーバのベアメタルストレージ、Pure Storageのストレージ製品、他社のストレージ製品を1つのプールとしてK8s環境に提供しストレージデプロイの際に最適なストレージを選択して提供する仕組みであると紹介していました。また、データ保護に関してはバックアップだけでなくマイグレーションやセキュリティ機能まで備えた唯一の製品であることを伝えていました。
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Portworxの概要を説明したうえでPX-backupを用いたバックアップ、リストアのデモを紹介しました。今回のデモではオンプレのK8sクラスターからAWSのEKSクラスターへのリストアを実施していました。必ずしもバックアップ元と同じ環境にリストアする必要がなく、利用したい環境へリストアすることが可能であり、操作方法に関してはGUIを用いて簡単に実施できることを紹介していました。また、アプリケーションに展開するパーシステントボリュームだけでなくK8s自身が持つ環境のバックアップも可能であることを紹介していました。
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今回Portworxのすべての機能に関しては時間の都合上紹介していませんでしたが事例やユースケースが公開されていることを紹介していました。
K8sはこれまで仮想マシンで展開していたDBなどの重要なアプリケーションがコンテナ上で展開が進めば飛躍的に普及が進むと考えています。その際の最適なストレージやデータ保護に関してPortworxを利用することで管理が容易になる感じました。
 

クロージングセッション

クロージングセッションでは、Pure Storage 岩本氏が全てのセッションの総括を行いました。
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モダンデータエクスペリエンスについて「極力、人の手を介さないインフラの実現」と意訳した上で、それを実現するためのPure Storageの製品、サービス、機能について振り、イベントの締めとしました。
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最後に

セッション内容は以上となります。
Pure Storageがストレージだけにこだわらず、製品、サービス、機能といったさまざまな観点から「モダンデータエクスペリエンス」を目指していることを感じられるイベントでした。
ここまで記事をお読みいただきありがとうございました。

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著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 2課
中田 浩嗣

著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 2課
小川 正一(VMware vExpert)