ThingWorxはPTC社が提供するIIoT向けの開発プラットフォームとなりますが、具体的にどんなことが出来るのか?また現在バージョン9になっていますが、時代背景にどう合わせた進化をしているか、ここでは少し触れていきたいと思います。
【目次】
1.ThingWorxとは?
2.ThingWorxの時代に合わせたアップグレード"ThingWorx9"
【1.ThingWorxとは?】
良くThingWorxが紹介される際に、IIoTプラットフォームと評されることが多くあります。
IoTにおけるプラットフォームとはIoT導入において必要な要素を持ったパッケージのようなものになります。
工場のIoT化と一言で言い表すことはよくありますが、実現する上で、機器の接続は?取得したデータの整理は?データベース化は?可視化は?制御は?外部と連携は?などと考えることは多くあります。
現在こういった検討事項に対し様々なソリューションやソフトウエアが存在しますが、独立して存在するケースが多くそれらを組み合わせてIoT化を進めようとすると個々のエンジニア、各タスクをつなぎ合わせるエンジニア、全体の開発管理の担当等様々なリリソースが必要になり、開発工数や費用、期間が増えていってしまうことになりがちです。
そういった課題に対して有効なのがThingWorxのような"IoTプラットフォーム"と呼ばれるIoT化に必要な開発要素を持ったソリューションです。
ThingWorxではIoT化における5つの必要な要素"集める(接続)"、"整える"、"加える"、"結ぶ"、"使う"を備えています。
この5つの要素はプラットフォームとして以下の要素をもっています。
特にThingWorxでは上記の"集める"において、ThingWorx Kepware Serverと呼ばれるPLC等の産業機器やMQTTとはじめとした複数プロトコルに対応したオプションを持っており、システムへの機器接続の開発工数の大幅短縮と"整える"において既存のテンプレートやウィジェット群を活用することで非常に早くデータ取得から可視化までを立ち上げることができます。
通常ですと機器に合わせてドライバーを用意し、可視化の部分もBIツールを使うにしてもデータの成型から行わなくてはいけないのですがThingWorxではデータの整形を含めて可視化まで繋げられるので、非常に早く立上げが出来きます。実際の導入にスピード感を持たせられることはもちろん、利用前の検証やPoCにかける時間も短く済ませることができます。
また同じPTCの商材である"Vuforia Studio"と連携でき、タブレットやスマートフォンなどを介して機器から取得したIoTデータを機器上にAR表示するような運用が可能となります。
また、上記以外にもクラウド/オンプレ両方に対応している、REST APIやThingWorx Flowと呼ばれるようなツールを活用して容易に外部連携するようなことも可能です。
このようにThingWorxプラットフォーム上の機能の連携を活かしIoT化のスピードアップや連携を活かした運用が可能となるプラットフォームとなります。
【2.ThingWorxの時代に合わせたアップグレード"ThingWorx9"】
2020年の6月にThingWorx8から9へのアップグレードが発表されて以来、9月現在9.2までアップグレードが進んでおります。
ここでは少しどのようなアップグレードが進んでいるかをご案内したいと思います。
9.0が発表された際、PTCからは以下のアップデート情報が発表されました。
拡張性と可用性の向上
アプリケーション開発、ソリューション開発の加速
OPC UAを使用したデータモデルをマイクロソフトとともに開示
アナリティクスの進化
Solution Centralを利用したThingWorxの展開
参考 PTC:https://www.ptc.com/ja/news/2020/lwx-20-ptc-announces-thingworx-9
現状9.2までアップデートが進んでいますが、アプリケーション開発のところについてはUIの利便性強化に向けて新しいテンプレートの追加や画面を作る上で利用できるウィジェットが追加されたり、OPC UAとの連携のところでAzure IoT HUBコネクタとの連携強化などが引き続き進んできております。
OPC UAについては標準通信規格として世界的にも普及が進んできているので今後も連携強化が注目されるところとなります。
ライセンス商材というところもあり、今後もアップデートされていきますので是非ご期待いただければと思います。
最後に
ThingWorxに少し興味を持って検証してみたい、動かしてみたい、という方に体験版ライセンスがご用意されております。
そちらの内容については以下のおすすめ記事に記載しておりますので是非そちらもご一読いただければと思います。
それでは今回はここまでとさせていただきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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著者紹介
SB C&S株式会社
クラウド・ソフトウェア推進本部
CAD&ドローン&AR事推課
長谷川 裕