SB C&Sの最新技術情報 発信サイト

C&S ENGINEER VOICE

SB C&S

SASE対応ベンダのいまをご紹介

ネットワーク
2021.09.13

SASEのいま

皆さんこんにちわ。SB C&S 鵜重です。
昨今、市場を賑わせているホットなキーワードである"SASE"について、実際のプロダクトは?の視点でご紹介したいと思います。

2019年にGartnerによって提唱されたSASE(Secure Access Service Edge)ですが、このところ様々な場面でこの単語が聞かれるようになりました。
これまでのネットワーク専業ベンダやセキュリティ専業ベンダのみならず、意外な?ベンダもSASE進出を公表していたりと、非常に期待度の高い大きな市場として見られているようです。
ただ、往々にしてあるのが、SASEが供える機能群のうち1つでも有していると"SASE完全対応!"と謳うベンダがあるなど、ユーザーからするとどのプロダクトがどんな機能を提供しているのかが非常に見えづらい状況とも言えます。

そこで数多あるSASE対応ベンダから、コア機能であるSDWAN、そして今がまさしく旬なZTNA(w/VPN)を有している
ベンダを3社ほどピックアップしてご紹介したいと思います。(アルファベット順)


1. Cato Networks

2015年創業の比較的新しいベンダですが、当初よりネットワーク/セキュリティのクラウドシフトを鮮明に指向している『元祖SASE』とも呼べるベンダです。アクセス拠点となるPoP同士を相互に結ぶバックボーンを自前で有しているほか、いわゆるFWaaS/SWGの諸機能(Webセキュリティ、マルウェア検出など)を網羅的に実装しています。多様な機能を備えている分、設定作業に苦慮してしまいがちですが、CatoではユーザーフレンドリーなUIが提供されており
大袈裟ではなく驚くほどシンプルに設定を終えることができるのも大きな特徴です。
※Catoについてはこちらの記事で詳しく解説しています
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20210823_cato2.html


2 Cisco Systems

ご存知ネットワーク業界最大手のCiscoですが、ここ数年の間にネットワークのみならずセキュリティ市場へのアプローチが進んでおり、Umbrellaに代表される特徴的なセキュリティソリューションをリリースしています。SASEとしてはこのUmbrellaに加えてSDWANソリューションの旧Viptela、さらにMeraki、認証サービスとして旧Duo Security、豊富な実績を誇るAny Connectで構成される包括的なソリューションを提供しています。
業界屈指の事業規模およびプロダクトポートフォリオを有しているため、SASEにおいても更なる進化に期待を持てるベンダの1つです。


3 VMware

仮想化基盤カテゴリの雄として名高いVMwareもSASE市場に進出しています。
VMwareがかつて買収したSDWANベンダである旧VeloCloudやWorkSpaceOneといった製品群に加え、新たにリリースされたクラウドプラットフォームのSecure Acessおよびセキュリティ機能を担うCloud Web Securityと組み合わせ、VMware SASEとしてリリースされました。まだリリース間もない製品ですが、それぞれのコンポーネントはすでに豊富な実績を有するソリューションで構成されています。
特にWorkSpaceOneが担う強力なMDM/MAM機能はSASEベンダとして実装しているケースとしても珍しく、ワンベンダで末端のデバイス管理までを網羅可能な一歩突っ込んだ包括的なソリューションと呼べることが大きな特徴と言えるでしょう。


◆まとめ

いかがでしたでしょうか?
"SASE"という言葉は多面的な要素を持つため1つの視点では語り切れませんし、今回ご紹介した3ベンダもあくまで代表的なベンダの一部に過ぎません。
さらに、全てのSASEの機能を実装しているベンダはまだなく、今後の対応を含めて継続して注視していく必要があります。
世間的には『まだまだこれから』と捉えられている節があるのも実情かと思いますが、各ベンダとも足早な機能追加・深化を繰り広げており、SASEという言葉が違和感なく浸透していく日もそう遠くないでしょう。

資料ダウンロード

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部 第3技術部 1課
 
鵜重 翔一