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Nutanix Sizerの紹介

ストレージ / HCI
2021.09.29

こんにちは。SB C&Sにて仮想化製品のプリセールスエンジニアを担当している笠原です。

NutanixのHCIは、ハードウェアベンダーやハイパーバイザーを選択できることから、モデルやサーバーの台数、CPU、メモリ、SSD、HDDまで選択することができ、構成の自由度が高い製品となっています。

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また、Nutanixは後からでもリソースの拡張が容易な製品のため、将来の拡張を見据えた余剰を見積もる必要はなく、現状必要十分なリソースで導入することができます。

そのために、現状の最適なリソースを見極める「サイジング」が重要となります。

そこで、本記事ではサイジングのポイントとSizerについて紹介します。


サイジングの課題

Nutanixには、CVMに必要なリソースやメタデータの容量といった独自のオーバーヘッドが存在します。このオーバーヘッドは、全体構成や利用する機能によって異なります。

Nutanixクラスタ上では環境によってはたくさんの仮想マシンが稼働することがありますが、単にそれらの仮想マシンに必要なリソースを計算するだけではなく、その時の構成によるNutanixのオーバーヘッドを考慮した上でサイジングする必要があります。

また、データ保護機能を利用し、スナップショット領域を確保することや、データ効率化機能によるデータ量削減を考慮することもあります。もちろん、それらの機能によるオーバーヘッドも考慮が必要です。

自力でこれらの情報を整理し、仮想マシンのリソースを合算し、利用する機能からCVM、メタデータのオーバーヘッドを加味し、その結果で数万通りあるハードウェア構成の中から最適な構成を組もうとすると、非常に煩雑な作業となり、現実的ではありません。

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Nutanix Sizer

このような課題を解決するために「Sizer」を利用します。Sizerは必要な情報を入力するとオーバーヘッド考慮した計算を自動で行い、最適な構成を選出することができるWEBツールです。

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Sizerは、My Nutanixのアカウントを保有し、Partner Portalをアクティベートすると利用できます。

My Nutanixのアカウントのみで利用できる一般公開用のSizerも存在します。(一部利用できない機能あり)
https://www.nutanix.com/size-your-datacenter

サイジング手順

Sizerがあってもまだサイジングが難しい印象を受けるかもしれませんが、以下のものを準備・考慮し、入力するとサイジングが完了します。

  1. Nutanix上で稼働させる仮想マシンのスペック一覧(vCPU、CPU使用状況、メモリ、ストレージ領域)
  2. 冗長構成(データを何重化にするか。ブロックを分けるか)
  3. データ保護の有無、保護する場合は構成や保護する頻度やデータの変更量
  4. 圧縮・重複排除といったデータ効率化機能の有無と想定する削減率

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現在のリソースの利用状況が不明な場合は、Nutanix Collectorを利用することでリソース情報を収集し、Sizerへインポートすることができます。

Nutanix Collectorについて
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200508_nutanix_collector.html

これらの情報を入力して結果を表示すると、自動で最適な構成が表示され、その時のリソースの使用状況なども確認することができます。

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サイジング結果のカスタマイズ

最適な構成が自動で選定されると述べましたが、手動でカスタマイズすることも可能です。

例えば、NICの種類、ハードウェアモデルの選択といったものを手動で設定し、その条件から要件にあった構成にカスタマイズすることができます。

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サイジング結果の共有

サイジングをした後は、その結果からBOMと呼ばれるレポートを出力することができます。また、結果を他のMy Nutanixアカウントへ共有することもできます。(共有された結果はSizerで確認可能。)

これらの機能を活用することにより、弊社への構成の相談や、見積もり依頼を行うことができます。

図6.png


Nutanixはインフラの導入や管理を楽にするだけでなく、導入前のサイジングから楽にするツールを提供しています。

Nutanixの導入を検討する際には是非、Sizerを活用し、構成の確認を行っていただくことで、リソースの過剰サイジングによる無駄な投資や過小サイジングによるトラブルを防ぐことができます

ツールの詳しい使い方や結果を見てどう調節したらよいかなど、Nutanixのサイジングについて不安な点があれば、SB C&Sへご相談いただければ幸いです。

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著者紹介

SB C&S株式会社
C&S Engineer Voice運営事務局

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