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CohesityによるNetAppストレージスナップショット連携VMバックアップ

データマネジメント
2021.12.28

こんにちは、SB C&Sの臼井です。

今回はNetAppストレージスナップショットと連携したCohesityによるvSphere仮想マシンのバックアップをご紹介します。


VMwareスナップショットの問題点

Cohesityを含む多くのバックアップソフトでは、vSphere仮想マシンのバックアップにおいて、VMware vSphere Storage APIs - Data Protection(以下、VADP)を利用しています。VADPはバックアップ時に仮想マシンのVMwareスナップショットを作成し、バックアップ終了時にスナップショット削除する際、バックアップ中の仮想マシンへの変更(デルタファイル)を元の仮想ディスクにマージするため、変更量が多く、仮想マシンのI/Oの負荷が高い場合にはスタンと呼ばれる仮想マシンの応答が無くなる事象が発生することがあります。

vadp.PNG

VADPバックアップ動作概要
① vCenterと連携して対象VMのスナップショット作成を指⽰
② ファイルシステム整合性が担保されたVMスナップショットを作成
③ 変更ブロックを抽出してバックアップ
④ データ転送完了後にvCenterと連携してVMスナップショットの削除を指⽰
⑤ VMスナップショットを削除して変更を元の仮想ディスクにマージ

NetAppストレージスナップショット連携による解決

CohesityはNetAppのストレージスナップショットと連携することで、VMwareスナップショットが存在する時間を短くし、元の仮想ディスクにマージする変更(デルタファイル)を小さくすることで、スタンが発生する可能性を抑えることができます。

storagesnapshot.PNG

NetAppストレージスナップショット連携時のVADPバックアップ動作概要

① vCenterと連携して対象VMのスナップショット作成を指⽰
② ファイルシステム整合性が担保されたVMスナップショットを作成
③ ストレージスナップショット作成し、ストレージスナップショットからクローンボリュームを作成
④ vCenterと連携してVMスナップショットを削除し、変更を元の仮想ディスクにマージ
⑤ クローンボリュームをESXiにマウントし、クローンボリュームの中の仮想マシンを登録
⑥ 変更ブロックを抽出してバックアップ
⑦ データ転送完了後、登録した仮想マシンの登録解除
⑧ クローンボリュームをアンマウントし、クローンボリュームとストレージスナップショットを削除

CohesityのNetAppストレージスナップショット連携の要件

NetAppのストレージスナップショットと連携するための要件は下記になります。
※リンク先のドキュメントを参照するには、Cohesityのサポートアカウントが必要です。

NetAppストレージスナップショット連携のバックアップ手順

NetAppのストレージスナップショットと連携するための設定からバックアップまでの手順をご紹介します。弊社で検証を行った際の構成は下の図となります。

■バックアップ構成

lab.PNG

NetApp ONTAP Select上に svm_nfs_data というボリュームを作成し、ESXi上でnetapp-nfs-vol というデータストア名でNFSマウントしています。 netapp-nfs-vol データストア上に netapp-nfs-winvm という仮想マシン名の仮想マシンを作成しています。

<NetAppボリューム>
netap-config.png

<NFSデータストア>vsphere-config.png

<仮想マシン> vm-config.png

下記の流れで行います。
(1) vCenterの登録
(2) NetAppストレージの登録
(3) バックアップジョブ(Protection Group)の作成とバックアップの実行

(1) vCenterの登録

まず、仮想マシンをバックアップするためにvCenterを登録します。

Cohesityのコンソールにログインし、ダッシュボードの[データ保護]→[ソース]を表示し、「登録」メニューから「仮想マシン」をクリックします。
vm01.png


[ソースの種類]で「VMware:vCenter」を指定し、対象のvCenterのホスト名とユーザー名/パスワードを入力して「登録」をクリックします。
vm02.png


vCenterが登録されます。
vm03.png

(2) NetAppストレージの登録

次に、NetAppストレージを登録します。

ダッシュボードの[データ保護]→[ソース]の「登録」メニューから「NAS」をクリックします。
netapp01.png


[NASソース]で「NetApp」を指定し、[NetAppソースの種類]を選択し、管理IPアドレスとユーザー名/パスワードを入力して「登録」をクリックします。
※今回はNetAppソースとしてクラスターを登録しています。
netapp02.png


NetAppストレージが登録されます。
netapp03.png


(3) バックアップジョブ(Protection Group)の作成とバックアップの実行

最後にバックアップジョブを作成し、バックアップを実行します。

ダッシュボードの[データ保護]→[保護]を表示し、「保護」メニューから「仮想マシン」をクリックします。
pg01.png


「オブジェクトを追加」をクリックします。
pg02.png


バックアップ対象のNetAppストレージ上に作成した仮想マシンの netapp-nfs-winvm を選択し、「続行」をクリックします。
pg03.png


保護グループの名前を設定します。
※今回は保護グループ名をNetApp-VM-PGとしています。pg04.png


ポリシーとして、デフォルトで作成されている Bronze を指定し、「詳細オプション」をクリックします。
pg05.png


「追加設定」をクリックします。
pg06.png


[ストレージスナップショット連携]のトグルを右に移動し、有効にします。
pg07.png


[アプリ整合性バックアップ]のトグルを右に移動し、アプリ整合性バックアップを有効にします。
※アプリ整合性バックアップを有効にすることでVMwareスナップショット時にVMware Toolsによるファイルシステムの静止処理が行われます。
pg08.png


「保護」をクリックします。
pg09a.png


自動的にバックアップが開始します。
backup01.png


NetAppのsystem Manager上でボリュームのスナップショットが作成されていることが確認できます。
backup02.png


スナップショットからクローンボリュームが作成されていることが確認できます。
backup03a.png


クローンボリュームがESXiホストにマウントされていることが確認できます。
backup04.png


マウントしたクローンボリュームから仮想マシン名の先頭に tmp_ を付加した名前で仮想マシンが登録され、この仮想マシンを対象にバックアップが行われます。
backup05a.PNG



vSphere Clientのタスクから一連の処理が自動で行われ、仮想マシンのスナップショット作成から削除までに1分もかかっていないことが分かります。

snap-time.PNG


バックアップが完了します。
backup06.png


バックアップが完了すると、クローンボリュームから登録された仮想マシンは登録が解除され、クローンボリュームはアンマウントされます。
after1.PNG

after2.PNG


NetAppストレージ上では、クローンボリュームとストレージスナップショットが削除されています。
after3.PNG

以上がCohesityのNetAppストレージスナップショットと連携した仮想マシンのバックアップになります。


CohesityはNetAppのストレージスナップショットと連携することで、スタンを発生させずに安定したバックアップ運用を実現できます。FAS/AFFなどのONTAPベースのNetAppストレージをデータストアとしてご利用のお客様は、Cohesityとの組み合わせをご検討いただければ幸いです。

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部 第3技術部 1課
臼井 守