こんにちは。SB C&Sで仮想化製品の技術支援を担当している真砂です。
この記事ではAccopsのコントローラーおよびブローカーの役割を担う、HyWorks Controllerというコンポーネントの冗長化方法について紹介いたします。
Accopsについては以下の記事をご覧ください。
※投稿記事一覧
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HyWorks Controller冗長化の仕組み
本来、このようなコンポーネントの冗長化を行うには手前にロードバランサー(LB)などの仕組みを必要としますが、HyWorksでは接続時にクライアントが利用するアプリケーションにセカンダリ側のコントローラー情報を保持し、プライマリ側との通信が行えない場合に自動的に接続先を切り替える仕組みを持っています。
・正常時
・プライマリ障害時
これにより、LBを用意せずともプライマリ側のコントローラーに障害が発生するとセカンダリ側のコントローラーへ自動的に接続を切り替えることを可能としています。
なお、この方法ではコントローラーはActive-Standby方式となるため、負荷分散ではなく可用性の向上という目的で用いられることになります。
設定方法
設定方法は非常に簡単です。
2台のHyWorks Controllerをインストール後、プライマリ側のHyWorks Controllerの管理画面へ接続し、左側メニューの[設定]を選択し上部タブ[システム - コントローラー]に進み、「追加」をクリックします。
表示されたテキストボックスにセカンダリ側のHyWorks Controllerの情報を入力します。
一覧にセカンダリのHyWorks Controllerが表示されていれば、設定完了です。
以上で冗長化の設定は完了です。
なお、この後に行うHyWorks Controllerの設定はプライマリ側で実施することで、セカンダリ側へ自動的に設定が共有されます。
留意事項
今回ご紹介しているHyWorks冗長化の仕組みは、クライアント側のアプリケーションがプライマリ側のHyWorks Controllerに接続を行った際に、セカンダリのHyWorks Controller情報を記憶することで実現しています。
あまり考慮する必要はないかもしれませんが、一度もプライマリ側のHyWorks Controllerへ接続していないクライアントはセカンダリ側のHyWorks Controllerへ切り替わることができないため、手動でIPアドレスを指定する必要がある点にご注意ください。
まとめ
HyWorks Controllerが停止してしまうとクライアントがVDIなどのリソースへ新たに接続することができなくなりますが、すでにVDIやSBCへ接続済みのクライアントは継続して利用することができます。
また、HyWorks ControllerはVDIなどの用途で用いられる性質上、仮想マシンとして稼働させることが一般的なためハイパーバイザーのHAなどの機能にてある程度の可用性を保つことができます。
こういった要素もあるため、HyWorks Controllerにそこまで冗長化を求められることは少ないかもしれませんが今回ご紹介した手順の通り、LBなどの特別な仕組みも必要とせず簡単に冗長化構成を取ることができる点はAccopsのメリットの一つであると考えています。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 1課
真砂 暁 - Akira Masago
お客様へより良いシステムのご提供を目標に、インフラ周りのプリセールスエンジニアとして活動。
現在は仮想化製品を担当すべく、日々精進しております。