こんにちは。SB C&Sにて仮想化製品のプリセールスエンジニアをしている笠原です。
昨今、リモートワークの普及により、安全かつ快適に利用できるデスクトップ環境がユーザーから求められています。
そこで、今回はリモートアクセスソリューションを提供するAccops社の製品群についてご紹介します。
弊社での実績としては、VDIと相性が良い仮想基盤であるNutanix上に構築することが多数あり、時間割ごとにデスクトップを展開できるといった特長があるため文教のお客様向けとしてお引き合いの強い製品となっています。
Accopsとは
Accops社は2012年に設立されたインドに本社を置く企業となります。
創立者はSSL-VPNの企業出身であり、セキュリティやリモートアクセス技術に強みを持っている企業となります。
企業理念としては、"リモートアクセス技術、デプロイメントプラットフォーム、ライセンスモデルを自由に選択できるようにし、企業がスケーラブルで安全な「どこでも使える」ITインフラを実現します。"とされていて、製品の機能にもこの考え方が反映されていることを多々見ることができます。
Accopsの製品群
Accops社は以下の製品を提供しています。
- HyWorks
- HyLabs
- HySecure
- HyLite
- HyID
- HyDesk
それぞれについての概要と特長を紹介していきます。
HyWorks
HyWorksはデスクトップの仮想化及び、RDSによるデスクトップ・アプリケーションの共有を管理・制御するためのソフトウェア製品です。
主要コンポーネントとしては、VDIを展開・管理したり、RDSを管理するためのHyWorks Controller(Windows Server)を構成します。
また、HyWorksによって展開されたデスクトップへアクセスするためにクライアント端末にHyWorks Clientをインストールします。
(例)Nutanixクラスタ上にVDIを展開し、HyWorks Clientによりクライアント端末からアクセス。
Accops社の「自由に選択できる」という企業理念がしっかりと反映されていて、HyWorksは以下に挙げるように構成の選択幅が広くなっています。
- 仮想環境のプラットフォームはvSphere、AHV、Hyper-Vから選択することができ、Azure上に展開することや物理PCへのリモートアクセス制御も可能です。
- 複数のプラットフォーム上のデスクトップを管理することや、必要になった時にデスクトップを増やすことができます
- RDSは物理サーバーにて構成することも可能です。
- VDIの展開方法としてはリンククローン、フルクローンに対応していて、WindowsだけでなくLinuxのVDIにも対応しています。
- 認証については、AD認証以外にHyWorks内でアカウントを保有し、ローカル認証を行うことも可能です。
- 独自のクラスタ技術が備わっており、ロードバランサを構成することなくコントローラーの冗長構成を取ることが可能
- 接続元となるクライアントPCはWindows、Ubuntu、Macが対応しています。
HyWorksの管理画面はブラウザさえあればアクセス可能であり、日本語化されています
HyLabs
HyWorksと連動する文教向けのVDIを展開する製品となります。
スケジュールを建て、時間ごとに展開するデスクトップを調整できることが特長です。
例えば、学校ではデスクトップを常に利用するわけではなく、特定の授業時間しか使わない場合があります。
そういった場合には利用する時間だけデスクトップを展開することで、利用するリソースを抑え、コスト削減することができます。
また、生徒が自習する際には予約することにより、その時間にのみデスクトップを展開するといった機能もあります。
HyLabsのその他の機能として、VDIの利用状況やアプリケーションの利用状況を確認することができます。
実際には利用されていないアプリケーションを確認することで学習状況を確認することや、不要であると判断できれば更なるコスト削減に繋げることができます。
HySecure
HySecureはSSL-VPNを提供するための仮想アプライアンスです。
HySecureを導入することで、社外や学外からでも安全にHyWorksによって展開されたデスクトップへアクセスすることができます。
クライアントソフトの入ったWindows/Mac/Ubuntuからブラウザへ接続し、VPNの設定を行います。
VPNトンネルは特定のポートやIPアドレスに制限するなど、幅広い設定が可能です。
HySecureのVPNトンネルを通じて外部から内部のWEBアプリケーションに対してアクセスすることも可能です。
クライアントPCが安全かどうかをチェックするポリシーなどを設定することができます。
また、クライアントPCのデバイス情報を元にアクセス制御することができます。
このように、より安全なリモートアクセスを実現する機能が揃った製品となっています。
なお、HySecureもHyWorks同様、独自のクラスタ技術によってロードバランサ不要で冗長化することが可能です。
HyLite
通常のHyWorksで展開したデスクトップへはHyWorks Clientによりアクセスすることとなりますが、HyLiteを利用することでクライアントソフトを必要とせずにブラウザからアクセスすることができます。
これによって、例えば文教向けに導入した場合、生徒がプライベートのパソコンから即時アクセスするといったことも可能になります。
HyLiteの画面転送はHySecureが仲介して行うため、HySecureが必須となります。
HyID
HyIDはHySecureのアドオンソフトです。
Email、SMSまたはスマホアプリによるトークンを用いた二要素認証が可能となり、より安全なリモートアクセスを実現することができます。
HyIDもHySecureが仲介して認証が行われるため、HySecureが必須となります。
HyDesk
VDI用のシンクライアントとなります。
VDIソリューションを提供しているメーカーとしては唯一自社でシンクライアントを提供しています。
HyWorksのクライアントとして利用する場合、ファームウェアのアップデートなどはHyWorks Controllerから制御が可能です。
Accops以外にもCitrix ICAやVMware Horizon PCoIPにも対応しています。
HY1000はARMを利用した安価なモデルであり、VESAマウントでディスプレイの後ろに設置でき、PoEによる給電に対応しているため、物理的にもコンパクトにまとまります。
Accops製品を利用することで、「プラットフォームなどが自由に選択でき、スケーラブルで、安全に、どこからでもアクセスできる」デスクトップが実現されていることがお分かりいただけたでしょうか。
ご相談などあればお気軽にお問い合わせください。
次回以降、それぞれの製品をNutanixの仮想基盤上に展開する手順をご紹介したいと思います。
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著者紹介
SB C&S株式会社
C&S Engineer Voice運営事務局
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