皆様、こんにちは。SBC&SでSEをしております、舘林です。
Nutanixでは、Nutanix NXアプライアンスに加え、HPE ProLiant DXやDELL XC Coreなど、さまざまなベンダーのハードウェアを選択することが可能です。さらに、どのベンダーのハードウェアを選んでも、Nutanixの管理画面であるPrismから一元的に監視を行うことができます。これはNutanixがソフトウェアベンダーであるからこそ実現できる、非常に優れた機能だと言えます。
ただし、Nutanix NXモデルの場合は、ソフトウェアとハードウェアの両方がNutanixのサポート対象となりますが、異なるハードウェアを使用する場合は、ハードウェアのサポートは各ベンダーが担当します。そのため、Nutanix NXではハードウェアの自動通報をPulseから行えますが、HPE ProLiant DXやDELL XC Coreなどを使用する場合は、各ベンダーが提供するリモートサポートの仕組みを利用する必要があります。また、自動通報サービスを利用する際には、どのような機能が提供されているのかや、留意すべき事項が異なるため、本記事ではHPE ProLiant DX、DELL XC Core、Lenovo HXにおける自動通報サービスについてまとめました。
HPE ProLiant DXモデル
HPE ProLiant DXでは選択できる自動通報サービスとしてHPE Insight Remote Support(以降 HPE IRS)とHPE GreenLake for Compute Ops Management(以降 COM)から選択できます。HPE Infosigh for Seversは2024年11月1日でサポート終了を迎えるため、移行先としてHPE IRSが該当します。
HPE Insight Remote Support(HPE IRS)
HPE IRSはWindwosにインストールすることで利用できるアプリケーションとなります。Nutanixノードを監視し、ハードウェアの異常を検知し、自動的にHPEのサポートチームに通知します。また、Nutanixノード以外にもHPE製品のサーバ、ネットワーク、ストレージについても一括して監視して自動通報の対象とすることができます。
HPE IRSで自動通報サービスを使用する場合の留意事項です。
- IRSのインストール先はWindows Serverとなり、ゲストOSでも可能です
- Nutanix環境にHPE IRSを導入する場合、サポートするハイパーバイザーはVMware、AHVから選択できます
- 自動通報では外部アクセスとしてポート443と22を使用します。
HPE GreenLake for Compute Ops Management(COM)
COMはクラウドサービスと提供されており、クラウドからNutanixノードを監視し、ハードウェアを検知して自動通報するサービスも備わっております。そのためオンプレの環境に管理サーバを必要としない利点や、クラウドサービスなので新機能の追加も意識せず行われるといった利点があります。
COMで自動通報サービスを使用する場合の留意事項です。
- 物理サーバ単位のサブスクリプション課金となり、お支払いは一括、1か月、3か月、1年かから選択できます。
- 自動通報では外部アクセスとしてポート443と8080を使用します。
DELL XCモデル
Secure Connect Gateway(SCG)
Secure Connect Gateway(SCG)を利用することで、Nutanixノードのハードウェアの状態をリアルタイムで監視し、異常を検知すると自動的にDELLサポートチームへ通知が送信される自動通報サービスがあります。また、SCGではアプリケーションエディションと仮想アプライアンスである仮想エディションでがあり、Nutanix AHV環境ではアプリケーションエディションのみがサポートされています。NutanixでESXi環境を使用する場合はアプリケーションエディション、仮想エディションどちらもサポート対象となります。
SCGで自動通報サービスを使用する場合の留意事項です。
- SCGではアプリケーションエディションと仮想エディションから選択できる
- 仮想エディションは仮想アプライアンスであり、VMware ESXiへのプロビジョニングがサポートされている
- Nutanix AHV環境ではアプリケーションエディションのみ使用できる
- アプリケーションエディションは仮想のWindows/Linuxにインストール可能
- アプリケーションエディションを使用する場合、自動通報では外部アクセスとしてポート 443を使用する
- 仮想エディションを使用する場合、自動通報では外部アクセスとしてポート 443と8080を使用する
Lenovo ThinkAgile HXモデル
Lenovo XClarity Administrator(LXCA)
Lenovo XClarity Administrator(LXCA)の自動監視機能を利用することで、リアルタイムでNutanixノードのハードウェアの状態を監視し、異常を検知するとLenovoサポートチームへ通知が送信されます。LXCAは仮想アプライアンスであり、Nutanix AHV環境、Nutanix でESXiを使用した環境もサポートされております。
LXCAで自動通報サービスを使用する場合の留意事項です。
- LXCAは仮想アプライアンスであり、VMware ESXi、Nutanix AHVへのプロビジョニングがサポートされている
- 自動通報では外部アクセスとしてポート 443を使用する
Nutanixでは、Nutanix NXモデルに限定されることなく、他のベンダーが提供するアーキテクチャーを使用することで、ハードウェアの自動通報機能を実装できます。ベンダーによって提供するサービスや実装方法も異なってきますので本記事では勘所を掴んでいただき、詳細についてはマニュアルご参照の上、実装して頂ければと思います。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課
舘林 恵祐