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【Wasabi取り扱い開始】Wasabi Hot Cloud Storageとは?

データマネジメント
2024.09.24

昨今、大容量データの格納先として、アーカイブ用途のみならず高い可用性とパフォーマンスやセキュリティ機能も提供できるオブジェクトストレージへの関心がとても高まっています。

2024年8月29日、弊社 SB C&S株式会社は、Wasabi Technologies LLC(以下、Wasabi)とディストリビューター契約を結びました。

本記事では、Wasabi社の主力製品であるWasabi Hot Cloud Storageについて紹介します。

Wasabi、その実態はクラウドで提供されるオブジェクトストレージ

Wasabi社のコアプロダクトは、クラウドで提供されるオブジェクトストレージ製品「Wasabi Hot Cloud Storage」です。

私たちがWasabi(ワサビ)と聞くと、お寿司やお肉などにつけて食べる"ワサビ"を思い浮かべますが、社名はなんとその"ワサビ"が由来だと聞きます。

ストレージ界隈では高パフォーマンスで高価な層をHot(ホット)、逆をCold(コールド)と表現することがしばしばありますが、Hotはそれ以外にも「辛い」と感じる時にも使われることから、高品質なサービスを提供する会社名として私たちの身近にあるワサビの名称がつけられたのだとか...

そんなWasabi社では、Wasabi Hot Cloud Storage以外にも複数の製品を提供していますが、いずれも基本的にはオブジェクトストレージに格納されたデータを活用するソリューションとなります。

wasabi_lineup.jpg

Wasabi Hot Cloud Storageの特徴

  • S3 APIと完全互換

    既存システムとの連携や、他社S3 API互換製品からの移行が容易に行なえます。
  • 超シンプルな料金プラン

    料金プランは1つだけ!他社のHot Tier相当のパフォーマンスと可用性を備えたオブジェクトストレージを低価格で提供しているため、プランの比較/検討で悩むことがありません。
  • 容量 × 年数 のご契約で追加コストなし

    Wasabiは基本的には容量ベースでの年間契約なため、従量課金と比較すると予測しにくいAPI リクエストやイグレス(ダウンロード)でかかる追加費用は『不要』です。お客様は決めた予算の中で計画的にご利用いただくことが可能です。
  • 日本国内では2つのリージョンを展開、リージョン間でのレプリケーションも可

    早くから日本国内でのビジネスを展開しており、本記事投稿時点で東京リージョンと大阪リージョンが存在します。リージョン内のバケット間レプリケーションに対応しており、大規模な障害にも備えることが可能です。
  • パートナーアライアンスが豊富

    バックアップ製品やストレージ製品をはじめ、各社との連携が活発で、非常に"食べ合わせの良い"製品なんです!

wasabi_TAP紹介.jpg

バケット作ってみた

ここでは、Wasabi Hot Cloud Storageのトライアル環境を使って実際にオブジェクトストレージを提供する「バケット」を作成し、手元のPCからバケットにアクセスしたいと思います。
トライアル環境は、どなたでも申し込むことができます。ぜひ1度この直感的なGUIをご自身で体感いただくことをおすすめします。

https://wasabi.com/ja/blog/wasabi/free-trial

  1. ログイン
    ログイン直後のダッシュボード画面がこちらです。
    左側にメニューが並んでいます。日本語UIがサポートされているためとてもわかりやすいです。
    画面上部のバナーに表示されているとおり、本番環境で運用する際には多要素認証(Multi-Factor Authentication)やマルチユーザー認証(Multi-User Authentication)設定することをおすすめします。
    これにより、悪意あるユーザーによるなりすましや、アカウントおよびバケットの削除といった攻撃を防ぐことができます。
    wasabi_dashboard.jpg
  2. バケット作成
    メニュー「バケット」をクリックし、オブジェクトストレージの実体となるバケットを作成します。
    wasabi_bucket2.jpg

    ※ポリシーについて
    作成したバケットはIAMによるアクセス制御が可能です。
    ポリシーはJSON形式で定義しますが、ポリシージェネレーター機能により条件を選択するだけでJSONが自動生成されますので初心者でも手軽にポリシー設定が可能です。
    wasabi_policy_Generator.jpg
  3. アクセスキー/秘密鍵 発行
    作成したバケットに外部からアクセスできるよう、アクセスキーと秘密鍵を発行します。
    値が記録されたCSVファイルをダウンロードする場合は、外部に漏れることの無いよう厳重に管理します。
    wasabi_accesskey.jpg
  4. バケットへのアクセス
    発行したアクセスキーと秘密鍵を使い、バケットにアクセスします。
    今回は、事前にPCにインストールしておいた「Wasabiエクスプローラー」を使用します。
    Wasabiエクスプローラーのインストーラーはこちらからダウンロードします。
    https://wasabi.com/downloads

    Wasabiエクスプローラーの新規アカウント設定にて、発行したアクセスキーと秘密鍵を入力すると、作成したバケットが表示されます。
    wasabi_explorer1.jpg
    試しにPC内にあるファイルをバケットにコピーすることで、オブジェクトストレージへのファイルアップロードが確認できました。
    wasabi_explorer2.jpg
    バケット内に作られたフォルダやファイルはWasabiコンソールからも確認できます。
    wasabi_consolebucket2.jpg

バケットの作成は以上です。

さいごに

ハイパースケーラーが台頭するクラウド オブジェクト ストレージ市場に彗星のごとく現れたWasabiですが、操作性に優れたWasabiコンソールやシンプルな料金プランが多くのお客様にご好評をいただいており、取り扱い開始とともにすでに多くの案件ご相談をいただいています。

本記事ではWasabi取り扱いを祈念しましてWasabi Hot Cloud Storageについて紹介しましたが、Wasabiのテクニカルアライアンスパートナーが提供する製品との連携に関する記事も今後公開していきますのでそちらもご覧いただけましたら幸いです。

「インフラ提案にピリッとアクセント!Wasabiをプラスしてみませんか?」

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 3課

長濱 歳也 -Toshiya Nagahama-

◇◇◇執筆書籍◇◇◇
・(2019年5月)Nutanix Enterprise Cloud クラウド発想のITインフラ技術
・(2017年4月)Nutanix Hyper Converged Infrastructure入門