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Cohesity バージョン7.3リリース アップデート情報まとめ

データマネジメント
2026.01.14



 はじめに

本記事では、Cohesityバージョン7.3から追加された新機能や、強化されたポイントをピックアップして紹介させていただきます。

バージョン7.3は2025年10月21日にリリースされた最新のバージョンとなります。

※この記事は、CohesityのRelease NotesのWhat's Newをもとに作成しておりますので、詳細はWhat's Newをご確認ください。閲覧にはMyCohesityアカウントでのログインが必要となります。

 新機能および強化ポイントピックアップ


FortKnox Self-Managedの登場

FortKnoxは、Cohesityが提供するSaaS型のエアギャップ保管/復旧ソリューションであり、Cohesityが管理するクラウド上の領域にデータをレプリケーションすることができます。エアギャップ保管とは、ネットワークから完全に切り離した環境にデータを保管するための機能です。ランサムウェアはネットワーク経由で侵入しますので、切り離した環境にデータを保管することでメインのバックアップシステムがランサムウェア攻撃を受けてしまっても大切なデータを守り切るための仕組みとなります。
スクリーンショット 2025-12-25 144958.png

そして今回のバージョン7.3からはFortKnox Self-Managedが登場しました。こちらは、FortKnoxとは別のFortKnox Self-Managedライセンスにてご利用いただけます。ご購入の際は表のライセンス名称でSB C&Sまでお問い合わせください。

FortKnox表.png

具体的な利用方法はCohesityのクラスターを2つ用意していただき、一方をバックアップクラスター、もう一方をVaultクラスターとして構成することでバックアップクラスターのデータをVaultクラスターが保管する構成となります。FortKnox Self-Managedがデータを保管する仕組みはpull-based modelとなっており、エアギャップネットワークからのアウトバウンド接続のみを利用し、外部からの不正アクセスを遮断します。
セルフマネージド型FortKnox構成.png

Vault Windowと呼ばれる接続可能な時間帯を指定することで、設定されたVault Windowの時間帯以外はネットワークを遮断します。例えば1:00~2:00の間のみ接続可能と設定することで、設定された時間帯以外は接続できないようになります。これによりエアギャップでのデータ保護ができるようになるという仕組みです。
エアギャップ保管.png

FortKnox Self-ManagedでもFortKnoxと同様に、イミュータブルやWORMの設定が可能なのでエアギャップに加えて不変性の確保、不正な変更や削除から保護が行われるためデータを安心して保管することができます。

今まではエアギャップ保管をするためには、SaaS型のFortKnoxを利用いただくか、サードパーティ製のエアギャップストレージを外部ターゲットに設定することでしか構成することができませんでしたがバージョン7.3からは、インターネットに接続ができない環境でもFortKnox Self-ManagedであればFortKnoxの機能をご利用いただけます。

一度Vaultクラスターとして構成したクラスターを通常のクラスターへ戻す場合は、クラスターリセットを行う必要があり、クラスターリセットを行った場合クラスター内のデータは全て削除され新しいクラスターとして構成されますのでご注意ください。

NetBackupの管理向上とCohesityへのデータ保存

過去記事「統合を経てあらためて- Cohesityとは」でも触れている内容ですが、Cohesityの今後の展望の中にSpanFS上で動くNetBackupという構想があります。その第一歩として、ついにHeliosからNetBackupを管理できるようになりました。これにより更に管理がシンプルになりました。

また、NetBackupのバックアップ先としてCohesityへのDirectIO(NetBackup DirectIO)によるデータ保存が可能になりました。DirectIOは広く利用されているOST(OpenStorage Technology)プロトコルの改良版となります。

バージョン7.3では、Cohesity Data Cloudを動かすファイルシステムであるSpanFSにデータを保存することができるようになり、Cohesityが提供する業界でも最高効率を誇る重複排除技術の恩恵も受けることができることに加え、DirectIOにより保存されたデータはDataProtectでもバックアップ済みのイメージとして認識してくれるため、どちらのアプリケーションからもデータにアクセス可能になります。

将来的には、Heliosによるふるまい検知なども行えるようになるため、CohesityとNetBackupの統合がより近づきます。

GUIの更新

バージョン7.3にアップグレードされ、GUIの更新が行われました。全体的にすっきりした見た目に変わっていることが確認できました。

更新箇所①:InfrastructureタブにVault Clustersが追加

こちらはFortKnox Self-Managedの登場により更新された点です。Vaultクラスターは、プライマリークラスター側から管理することもできるのでこちらから状態を確認することができます。
スクリーンショット 2025-12-17 155908.png

更新箇所②:SummaryにVaultタブが追加

こちらは①にて紹介したInfrastructureタブのものとは異なり、こちらからは、Vaultクラスターを構成することができます。作成されたVaultクラスターをInfrastructureから管理するといった流れになります。

Vaultクラスターを構成するときはこちらからGet Startedをクリックすることで構成することができます。
3.Vaultクラスター構成画面2.png

更新箇所③:SNMPの設定箇所の変更

ダッシュボード上のナビゲーションメニュー内のSettingsからSummaryにSNMPの設定画面が変更されました。
スクリーンショット 2025-12-17 161246.png

S3互換ストレージのバックアップ及びリカバリーをサポート

バージョン7.3からS3互換ストレージのバックアップとリカバリーがサポートされ、より多くのストレージ環境をCohesityのDataProtectにて保護することが可能になりました。クラウドやオンプレのS3互換オブジェクトストレージとの親和性が高まり、柔軟な運用を実現します。

またEarly Accessという制限付きではありますが、AWS S3バケットそのものをバックアップできるようにもなりました。これまでのバージョンでは、AWS環境を保護する場合、EC2をはじめとした仮想マシン単位でのバックアップや保護が中心で、S3 バケットの扱いとしては、Cohesityから外部ターゲットとしてデータをアーカイブすることはできても、S3バケットそのものをバックアップ対象として扱うことはできませんでした。今回のアップデートにより、ついに S3 バケットを Cohesity の保護範囲に含められるようになったことは、大きな進化と言えます。

利用にはいくつかの制限があり、機能の有効化にはCohesityアカウントチームと連携する必要があります。Early Accessとなっているため近いうちに正式サポートされると思われます。

Nutanix AHVのタグを利用したバックアップ対象の動的更新機能

Nutanix AHVのPrism Centralでは、仮想マシンに「キー:値」形式のカテゴリを付与し、個別に管理できます。バージョン7.3からバックアップ対象としてタグを選択することで、Nutanix AHV側でそのカテゴリが付与された仮想マシンをまとめてバックアップできるようになりました。
Nutanixタグバックアップ.png

このバックアップ方法によりNutanix AHV側で新規作成された仮想マシンに、既にバックアップ対象としているカテゴリを付与するだけで、Cohesity側で動的にバックアップ対象を更新することが可能となります。

除外ディスク処理オプションの追加

仮想マシンの中には バックアップしたいディスクとバックアップ不要なディスク(ログ、一時領域、スワップ、キャッシュ等) を分けて管理しているものもあります。特にアプリケーションサーバやデータベースサーバでは、OSやアプリ本体とは別にログ・一時領域・キャッシュ専用ディスクを持つことがあります。運用上このように分けて管理されているディスクはバックアップする必要が無いとされることが多く、ストレージ削減のためにバックアップしないことがあります。ですが、バックアップから除外してしまうと復元の時には存在しないことになりますのでアプリケーション側でディスクが見つからずにエラーとなってしまうことがあります。

こちらのオプションを適切に設定することで、バックアップから除外したディスクも空のディスクとして復元されるようになるため、アプリケーションやOSが期待するディスク構成を壊さず安全に復元できるようになります。
スクリーンショット 2025-12-02 154054.png

外部ターゲットとしてAzureのColdストレージがサポート

バージョン7.1.2ではアーカイブ先の外部ターゲットとしてAzure環境ではArchive BlobとCool BlobそしてHot Blobがサポートされており登録可能でしたが、新たにバージョン7.3よりCold Blobがサポートされました。登録することでアーカイブ先としてCold BlobへデータをCloudArchiveすることが可能になります。
Azure Cold Blob.png

Coldの最低保存期間は90日となっており、Coolの30日よりも長めの設定となっております。そのため半年に1度、あるいは数年に1度程度のアクセスが発生するようなデータを保存するのに適しております。

 その他アップデート一覧


・Microsoft SQL Server Always on Availability Groupsをソースとしての登録をサポート
・Cohesity SAP HANAコネクタを経由のバックアップのデータを転送する前に暗号化する機能をサポート
・ファイルベースのバックアップ時にスパースファイルの空き部分をバックアップデータに含めずに処理する機能をサポート
・カスタムレプリケーションでバックアップ対象の一部のみをレプリケートする機能をサポート
・レプリケーションとアーカイブの両方でスケジュールを週次、月次、年次で指定する機能をサポート
・GCP Cloud EditionでGCSバケットを外部ターゲットとして登録する際にWORM形式で保存する機能をサポート
・Azure Cloud EditionにおいてAzure MySQLデータのバックアップと復元をサポート
・AWS S3アクセスログの設定で対象バケットを指定してログを保存する機能をサポート

 まとめ

Cohesityバージョン7.3はいかがでしょうか。

FortKnox Self-Managedの登場によりオンプレ環境でのセキュリティはさらに強化されより安心してご利用いただけるものとなりました。また、NetBackupとの連携強化やクラウド・仮想化基盤への対応拡充など、日々の運用を意識した数多くのアップデートが行われました。セキュリティを重視する環境から、クラウド活用を進めたい環境まで、より幅広いニーズに応えられるデータ保護基盤へと進化している点が、今回のバージョン 7.3 の大きな特徴です。

C&S ENGINEER VOICEでは、Cohesityのアップデート情報をこれからも発信していきますのでアップデートが行われた際には是非足を運んでいただけると幸いです。

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
大塚 芳輝