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仮想基盤アセスメントツールの紹介 ~Aria Operations編~

仮想化
2024.11.29

こんにちは。SBC&Sの大塚です。

本記事は、仮想基盤のコスト最適化を検討されている方に向けて活用いただけるアセスメントツールをご紹介するものとなっております。

「仮想基盤アセスメントツールの紹介」サマリ記事はこちら

今回はAria Operationsについて、概要とデプロイ方法、ツールを使うことで確認できる情報などをお伝えしていきます。その他のツールについては、それぞれの記事にてお伝えしていきますので合わせてご覧ください。

また、Aria Operationsは、今後「VCF Operations」へ名称変更となる予定ですが、本記事では「Aria Operations」の名称を使用させていただきます。

製品概要・特徴

Aria Operationsは、VMwareが提供する仮想環境を監視・管理することができるツールです。各クラスターやホストなどを階層ごとに表示させることで、階層ごとにリソース分析や評価を行うことが可能です。

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適正化

Aria Operationsでは仮想環境の適正化を行うことができます。この適正化というのは、余分なリソースやひっ迫しているリソースなどを確認し、現在の使用状況において最も効率のよい状態は何なのかを評価することです。Aria Operationsでは適正化を図るための機能が数多く用意されています。ホストや仮想マシンを追加・削除した際のシミュレーションや、仮想マシンごとの推奨サイズの提示など、様々な機能を用いることでアセスメントツールとして活用することができます。

自動化

Aria Operationsでは日々の運用効率を向上させるための自動化機能を提供しています。例えば、仮想マシンのCPUワ―クロードが慢性的に高いといった場合には、仮想CPUの推奨設定値を元に、変更アクションを自動化したりすることができます。場面ごとに定義を決めておくことで、運用管理の作業負荷の軽減につながります。


構築の流れ

Aria Operationsを新たに構築する際は以下のよう流れになります。

  1. OVFのデプロイ
    vSphere環境にAria Operationsの仮想アプライアンスをデプロイします
  2. 構成のセットアップ
    デプロイした仮想アプライアンスの初期設定を行います
  3. vCenter Serverと連携
    監視対象のvCenter Serverの登録作業を行います

構成イメージ・ネットワーク要件

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Aria Operationsの構成はオンプレミスvSphere環境の場合、vSphere環境に仮想アプライアンスとしてデプロイを行います。デプロイ後に監視対象のvCenter Serverの登録作業を行います。

Aria Operationsの仮想アプライアンスには6段階のデプロイサイズが存在します。サイズごとに必要となるリソースが異なりますので、詳細は下記KBからご確認ください。
https://knowledge.broadcom.com/external/article?legacyId=2093783

またアセスメントするvSphere環境規模によって、仮想アプライアンスの必要サイズが異なります。下記URLのサイジングツールから、Aria Operations仮想アプライアンスのサイジングが可能ですので、ぜひご活用ください。
https://vropssizer.vmware.com/sizing-wizard/choose-installation

ネットワーク要件ですが、オンプレミスvSphere環境のアセスメントツールとして使用する際は、外部ネットワークとの接続は不要になります。Aria Operationsの仮想アプライアンスから、vCenter ServerのFQDNとIPアドレスへアクセスできるネットワーク環境が必要になります。アクセスの際にはTCPが使用され、ポート番号は443になります。詳細は下記URLのVMware Ports and Protocolsからご確認ください。
https://ports.broadcom.com/home/VMware-Aria-Operations


構築手順

ここからはAria Operationsの構築手順をご紹介します。今回当社検証環境でデプロイした製品のバージョンは以下です。

  • ESXiバージョン:8.0 Update 3
  • vCenter Serverバージョン:8.0 Update 3
  • Aria Operationsバージョン:8.18.1

OVFのデプロイ

ここからはAria Operationsのデプロイ手順をご紹介します。まずはBroadcom Support PortalからOVFをダウンロードします。vSphere ClientからOVFのデプロイを行います。

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OVFをアップロードします。

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仮想マシン名を入力し、配置場所を選択します。「次へ」をクリックします。

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仮想マシンを稼働させるコンピューティングリソースを選択します。「次へ」をクリックします。

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詳細を確認し、「次へ」をクリックします。

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使用許諾契約書に同意します。「次へ」をクリックします。

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デプロイサイズを決めます。今回の検証では小サイズで構成しますが、本番環境では稼働している仮想マシン数に応じて変更ください。

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仮想マシンのストレージ保存先を選択します。「次へ」をクリックします。

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仮想マシンのネットワークを選択します。「次へ」をクリックします。

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IPアドレスやドメイン名などを入力します。「次へ」をクリックします。

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内容を確認し問題がなければ「完了」をクリックします。

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デプロイ完了後、仮想マシンをパワーオンします。

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ウェブブラウザにAria OperationsのFQDNを入力しアクセスします。

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アクセスすると下記の画面が表示されます。「新規インストール」を選択します。

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「次へ」をクリックします。

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管理者アカウントのパスワードを設定します。「次へ」をクリックします。

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証明書を選択します。デフォルトの証明書を使用できますし、任意の証明書を選択することも可能です。今回の検証ではデフォルトの証明書を使用します。

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Aria Operationsのノード名を入力します。また使用するNTPサーバーを入力します。「次へ」をクリックします。

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可用性を確保する構成をとるか設定できます。今回は未構成のまま「次へ」進みます。

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別のAria Operationsのノードと連携させる設定になりますが、今回はそのまま「次へ」進みます。

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「完了」をクリックし、初期セットアップを完了させます。

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Aria Operationsの管理画面に遷移しますので、「VMware Aria Operationsの起動」をクリックして起動させます。しばらくするとAria Operationsのログイン画面が表示されます。

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構成のセットアップ

コンソールにアクセスします。ユーザー名・パスワードを入力しログインします。

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「次へ」をクリックします。

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使用許諾契約書に同意します。「次へ」をクリックします。

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製品ライセンスキーを追加します。今回は評価キーを使用します。「次へ」をクリックします。

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Aria OperationsはCEIPに参加しています。「次へ」を選択します。

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「完了」をクリックして構成を完了させます。

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vCenter Serverの登録

監視対象のvCenter Serverを登録します。「アカウントの追加」をクリックします。

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左上の「統合」をクリックします。

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「追加」をクリックします。

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vCenterを選択します。

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vCenter ServerのFQDNを入力します。入力後、赤枠の+をクリックし、認証情報を入力します。

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認証情報名には任意の名前を入力します。vSphere Clientのユーザー名・パスワードを入力し、「OK」をクリックします。

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「認証の検証」をクリックして、入力した情報の検証を行います。

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証明書の確認を行い、承諾します。

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接続が無事完了すると下記の表記が出ますので、「OK」をクリックして次へ進みます。

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「追加」をクリックしてvCenter Serverの登録を完了させます。

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無事にvCenter Serverが登録されました。

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以上で、Aria Operationsの構築は完了です。

vCenter Serverからデータを収集し、しばらくすると分析結果やリソース使用状況のグラフなどが確認できるようになります。


データのモニタリング

本章では、Aria Operationsで確認できる情報の一例をご紹介します。

インベントリメニューからは、vSphere環境内のクラスターやホストなど、インベントリごとのサマリを確認することができます。

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ダッシュボードという機能では、収集された情報を可視化することが可能です。デフォルトで事前定義されたダッシュボードを使って、環境のリソース使用率やアラートの発砲状況などを視覚的に把握することができます。

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トラブルシュートでは、監視下の全てのアラートを一覧で確認することができます。各アラートを詳細表示すると、推奨されるアクションを提案してくれます。

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Aria Operationsでは運用コストの削減と効率化を図るための機能が各種用意されています。再利用はその一つとなっており、パワーオフの仮想マシンやアイドル状態の仮想マシンを検出し、リスト化することで、どの程度の期間がこの状態なのかを含めて表示することができます。

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収集されたデータをレポートとして出力することもできます。テンプレートが用意されているのはもちろんのこと、ビューとダッシュボードを組み合わせてオリジナルのテンプレートを作成することも可能です。

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メリット

ここまでAria Operationsのデプロイ手順やツールの内容などをご紹介させていただきましたが、最後にアセスメントツールとして使用する際にメリットになるであろうと感じた点をいくつかご紹介させていただきます。

多様な情報確認

vCenter Server管理下のホスト・仮想マシン・各種リソースなどの情報を細かい単位で確認することができます。また特定のオブジェクトのパフォーマンスや構成をリアルタイムで監視することができます。視覚的にわかりやすいグラフ形式で表示されるため、データの傾向や異常を瞬時に把握可能です。

高品質のレポート作成

収集したデータを多種多様なかたちで表示させ、一つのレポートとして出力ができますが、このレポートの品質はかなり高いものであると感じます。表紙のデザインから表示させる内容までをテンプレート化しておくことで、アセスメント結果の報告書として社内やお客様へそのままレポート提供する運用も可能かと思います。

コストの可視化

Aria Operationsを利用することで、ワ―クロードの再利用を最適化することができます。この再利用というのは、現在ある仮想マシンに割り当てているリソースを見直し、稼働規模に沿ったリソースに最適化することで、余剰リソースを他の仮想マシンが利用できる状態にすることです。Aria Operationsには再利用可能なキャパシティ合計や、節約可能なコストなどが可視化されており、ダッシュボード上で簡単に確認することができるようになっています。

まとめ

今回はAria Operationsについてご紹介いたしました。今回ご紹介した内容を、環境アセスメントを行う際にぜひご活用いただければと思います。

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
大塚 亜人夢 - Atomu Otsuka -

VMware vExpert