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【Palo Alto】【初心者向け】PAでのSSL-VPN接続 (GlobalProtect)

Palo Alto Networks
2025.03.26

はじめに

本記事ではPalo AltoのNGFWであるPAシリーズに搭載されているGlobalProtectで、リモートユーザーが社外から社内サーバーへVPN接続ができるような設定手順をご案内いたします。

WindowsやMac OSでのVPN接続につきましては、GlobalProtectライセンスが不要で設定することが可能のため、気軽にご検証いただけるかと存じます。

GlobalProtectライセンスが必要なケースはこちら

目次

  1. 本検証でのネットワーク構成
  2. 事前設定
  3. ポータルの設定
  4. 外部ゲートウェイの設定
  5. GlobalProtectのセキュリティポリシー/アクティベーション
  6. GlobalProtectのインストール/アクセス確認
  7. まとめ

1.本検証でのネットワーク構成

スクリーンショット 2025-03-26 115122.png

※本手順における構成となります。

※一部インターフェイス、ゾーン、ユーザー等を設定済みの状態での手順となります。

 

2.事前設定

■GlobalProtect用ゾーンとトンネルインターフェイスの設定

〇GlobalProtect用ゾーンの設定

[NETWORK > Zones]からセキュリティゾーンの設定を行います。「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックしてゾーンを作成します。

VPN用のゾーン設定は必須ではございませんが、制御の柔軟さの観点で作成しております。

スクリーンショット 2025-03-05 145609.png

②任意の「名前」を入力し、「Type」は「レイヤー3」を選択、「ユーザーIDの有効化」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 145810.png

〇GlobalProtect用トンネルインターフェイスの設定

[NETWORK > インターフェイス > Tunnel]から設定を行います。「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックして、インターフェイスを作成します。

スクリーンショット 2025-03-05 155919.png

②「interface name. TODO Front panel port list」に、任意の数字を入力します。「設定」タブの「仮想ルーター」で、任意の「Virtual Router」と「セキュリティゾーン」を選択します。

スクリーンショット 2025-03-05 160043.png

■証明書の作成

〇認証局証明書の作成

①[DEVICE > 証明書の管理 > 証明書]から設定を行います。「生成」をクリックして、証明書を作成します。

スクリーンショット 2025-03-05 160543.png

②任意の「証明書名」と「共有名」を入力し、「認証局」チェックを入れ、「生成」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 160646.png

〇サーバー証明書の作成

[DEVICE > 証明書の管理 > 証明書]から設定を行います。「生成」をクリックして、証明書を作成します。

スクリーンショット 2025-03-05 160756.png

②任意の「証明書名」と「共有名」を入力し、「署名者」は作成した認証局を選択します。「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、任意の証明書の属性(ここでは、IP)を選択し、値を入力する。

スクリーンショット 2025-03-05 160854.png

③生成が成功したことを示すメッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 160959.png

■SSL / TLSサービスプロファイルの設定

[DEVICE > 証明書の管理 > SSL/TLSサービスプロファイル]から設定します。「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、プロファイルを作成します。

スクリーンショット 2025-03-05 161124.png

②任意の「名前」を入力し、作成したサーバー証明書を選択し、「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 161253.png

 

3.ポータルの設定

[NETWORK > GlobalProtect > ポータル]から設定します。「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、Global Protectポータルを作成します。

スクリーンショット 2025-03-05 162323.png

②「全般」タブで、任意の「名前」を入力し、「インターフェイス」と「IPv4アドレス」はポータルに使用するものを選択します。

スクリーンショット 2025-03-05 162414.png

③「authentication algorithm」タブで、作成したSSL/TLSサービスプロファイルを選択し、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 162500.png

④「authentication algorithm」タブで、任意の「名前」を入力します。

スクリーンショット 2025-03-05 165811.png

⑤「外部」タブで、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 165902.png

⑥任意の「名前」を入力し、「アドレス」から任意の項目を選択と入力、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、「送信元地域」で「Any」を選択し、「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 170016.png

⑦「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 170230.png

⑧「TRUSTED ROOT CA」で、作成した証明書を選択し、「ローカルルート証明書ストアでインストール」にチェックを入れます。「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 170343.png

⑨「Commit」を実行します。

スクリーンショット 2025-03-05 170435.png

 

4.外部ゲートウェイの設定

[NETWORK > GlobalProtect > ゲートウェイ]から設定します。「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、Global Protectゲートウェイを作成します。

スクリーンショット 2025-03-05 170604.png

②「全般」タブで、任意の「名前」を入力し、「インターフェイス」と「IPv4アドレス」はゲートウェイに使用するものを選択します。

スクリーンショット 2025-03-05 170726.png

③「authentication algorithm」タブで、作成したSSL/TLSサービスプロファイルを選択し、「追加」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 170814.png

④任意の「名前」を入力し、3.で作成した認証プロファイルを選択し、「OK」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 170920.png

[エージェント > Tunnel Settings]タブで、トンネルモードにチェックを入れ、作成したトンネルインターフェイスを選択します。

IPSecを利用される場合は、「IPSecの有効化」にチェックを入れる必要がございます。本設定の有効化で、SSL-VPNよりもIPSecが優先的に使用されます。

スクリーンショット 2025-03-05 171128.png

⑥「クライアントの設定」タブで、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 171216.png

⑦「設定の選択条件」タブで、任意の「名前」を入力します。

スクリーンショット 2025-03-05 171321.png

⑧「IPプール」タブの「IPプール」で、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリック、任意のIPアドレスの範囲を入力し、「OK」をクリックします。

※本手順では記載しておりませんが、スプリットトンネル設定も可能です。

スクリーンショット 2025-03-05 171416.png

⑨「ネットワークサービス」タブの「プライマリDNS」と「セカンダリDNS」で、Global ProtectVPN確立後に、クライアントのVPNインターフェイスに割り当てるDNSの情報を割り当てます。

スクリーンショット 2025-03-05 171520.png

⑩「Commit」を実行します。

スクリーンショット 2025-03-05 170435.png

 

5.GlobalProtectのセキュリティポリシー/アクティベーション

■GlobalProtect用のセキュリティポリシー

※"GP-VPN → L3-Trust"を許可するポリシーを設定します。

[POLICIES > セキュリティ]から設定します。「追加」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 171845.png

②「全般」タブで、任意の「名前」を設定する。スクリーンショット 2025-03-05 172031.png

③「送信元」タブで、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、"GP-VPN"ゾーンを設定します。スクリーンショット 2025-03-05 172118.png

④「To Addr」タブで、「add AS path limit attribute if it does not exist」をクリックし、作成したゾーンを設定します。スクリーンショット 2025-03-05 172223.png

⑤「アクション」タブで、「アクション」を「Allow」に設定し、「OK」をクリックする。スクリーンショット 2025-03-05 172311.png

②「Commit」を実行します。

スクリーンショット 2025-03-05 170435.png

■GlobalProtectのアクティベーション

[DEVICE > GlobalProtect クライアント]から設定します。任意のバージョンを選択し、「ダウンロード」をクリックします。スクリーンショット 2025-03-05 174107.png

②「ダウンロード済み」タブにチェックが付いたことを確認し、「アクティベーション」をクリックします。スクリーンショット 2025-03-05 174238.png

③「はい」をクリックし、アクティベートされると下図のように、「現在アクティベーション済み」にチェックが付きます。

スクリーンショット 2025-03-05 174355.pngスクリーンショット 2025-03-05 174409.png

 

6.GlobalProtectのインストールとアクセス確認

■GlobalProtectのインストール

①端末のブラウザにて、ポータルとして設定したethernet1/1IPアドレスでアクセスし、ログインします。スクリーンショット 2025-03-05 174612.png

②端末にインストールするエージェントをクリックし、ダウンロードする。スクリーンショット 2025-03-05 174644.png

③表示されたウィザードに沿って、「next」をクリックする。

スクリーンショット 2025-03-05 174748.png

④インストールが完了したら「Close」をクリックします。

スクリーンショット 2025-03-05 174831.png

■アクセス確認

①端末でGlobalProtectを起動し、ポータルのアドレスを入力し、「Connect」をクリックする。

スクリーンショット 2025-03-05 175013.png

②ユーザー情報を入力し、「接続」をクリックする。

スクリーンショット 2025-03-05 175112.png

③「接続済み」と表示されれば、VPN接続が可能となります。

スクリーンショット 2025-03-05 175125.png

 

7.まとめ

今回は、PAシリーズのGlobalProtectでのSSL-VPNの設定手順をご紹介いたしました。

ご検証される際に、ぜひ本手順をご活用いただけますと幸いです!

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※本ブログの内容は投稿時点での情報となります。今後アップデートが重なるにつれ正確性、最新性、完全性は保証できませんのでご了承ください。

著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第2技術部 2課
江幡 政春