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【連載:ThinApp技術指南】09:仮想アプリを通常アプリのように使用する

仮想化
2026.01.09

仮想アプリを通常アプリのように使用する

SB C&S後藤です。

昨年12月に Omnissa ThinApp 2512 ビルド 266 がリリースされています。
Microsoft Windows 11 バージョン 25H2 がサポート対象となり、一部 ThinApp 2412 で発生していたライセンスキーの問題が解決しています。
詳細は下記のリリースノートをご確認ください。
Omnissa ThinApp リリース ノート

さて、今回は出来上がった仮想アプリケーションの利便性を向上させる機能のご紹介です。 アプリケーションの配布や更新など、運用面での考慮にも関係する内容となります。


ThinAppで仮想化したアプリはインストール不要ですぐに使用できる反面、Windowsの便利な機能がいくつか使用できない状態です。

その代表的なものがファイルタイプの関連付けとWindowsメニューからのショートカット起動です。

これらの問題に対して、ThinAppではThinReg.exeユーティリティが用意されています。今回はこのThinReg.exeについて解説していきたいと思います。


ThinReg.exe と MSIパッケージ

ThinReg.exeはThinAppをインストールしたフォルダーに保存されています。このThinReg.exeは、仮想アプリを使用する環境にコピーして使用します。

ThinReg.exeのパスはデフォルトでは、\Program Files (x86)\Omnissa\Omnissa ThinApp\thinreg.exeです。

仮想化したアプリをMSIパッケージ形式で配布することで、ThinReg.exeを自動的に実行する方法もあります。

いずれの場合もPackage.iniを確認・編集して事前に準備しておく必要があるので、順に解説していきます。


関連付けする拡張子とショートカットの指定

まずPackage.iniの対象アプリのセクションを確認します。ここに関連付けを行う拡張子とショートカットの作成先が指定されています。

Setup Captureの途中でこれらの設定を指定することはできません。ThinAppがアプリのインストーラーから自動的に判定した値が適用されます。値を確認して、必要であれば編集してください。

関連付け

対象となるアプリのセクションで、FileTypesパラメータを確認します。パラメータが存在していない場合は追加します。値は拡張子の形式をとります。

[Notepad++.exe]
FileTypes=.txt

複数指定することもできます。他のパラメータと違って区切りに;は使用せず、続けて書いていきます。

[Firefox.exe]
FileTypes=.avif.htm.html.oga.ogg.ogv.pdf.shtml.svg.webm.webp.xht.xhtml

公式ドキュメント:https://docs.omnissa.com/ja-JP/bundle/ThinAppPackageiniParameterReferenceGuideV2503/page/FileTypesParameter.html

ショートカット

ショートカットの場所はShortcutsで指定します。単数形のShortcutと混同しないよう注意してください。

[Notepad++.exe]
Shortcuts=%Programs%

複数指定する場合は;で区切ります。

[Firefox.exe]
Shortcuts=%Desktop%;%Programs%;%AppData%\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\User Pinned\TaskBar

公式ドキュメント:https://docs.omnissa.com/ja-JP/bundle/ThinAppPackageiniParameterReferenceGuideV2503/page/ShortcutsParameter.html

変更が完了したら保存して、build.batを実行してパッケージを再ビルドします。


ThinReg.exe の手動実行

再ビルドが完了したら、ビルドしたファイルとThinReg.exeをまとめて実行環境にコピーします。

ThinReg.exeとパッケージファイル

実行方法

コマンドプロンプト(cmd.exe)からThinReg.exeコマンドを実行します。

thinreg.exe [<optional_parameters>] [<package1.exe>][<package2.exe>][<packages_by_wildcard>]

基本的な使い方は thinreg.exe パッケージ名.exe です。

実際に試してみましょう。ここではNotepad++を使用します。ThinReg.exeはパッケージと同じフォルダーにあるとします。

cd path\to\package
thinreg.exe "Notepad++.exe"

これで関連付けやショートカットの作成が完了します。特にメッセージ等は出力されません。

実際にファイルから確認してみましょう。

テキストファイルのコンテキストメニュー

テキストファイルを開こうとすると、このようにNotepad++が候補にあがってくるようになります。

テキストファイルを右クリックして「プログラムから開く」でも確認できます。

次にThinReg.exeが行った登録などを解除してみます。オプション/uを使用します。

thinreg.exe /u "Notepad++.exe"

実行後はテキストファイルを開く候補としてNotepad++が表示されなくなります。

オプション一覧

ThinReg.exeのオプションを簡易的に紹介します。

  • /a, /allusers:すべてのユーザーに登録・登録解除を行います(管理者権限が必要)。
  • /q, /quiet:エラーメッセージを表示しないようにします。
  • /u, /unregister, /uninstall:登録を解除します。/aで登録した場合は/u /aのように2つ指定します。
  • /r, /reregister:強制的に再登録します。
  • /k, /keepunauthorized, /keep:アクセス権がなくなった後も登録情報を保持します。
  • /noarp:Windowsのインストール済みアプリ一覧に追加しないようにします。
  • /norelaunch:ユーザーアカウント制御ポップアップが表示されなくなります。/a使用時は失敗。

詳細:https://docs.omnissa.com/ja-JP/bundle/ThinAppUserGuideV2503/page/Optionalthinreg.exeParameters.html


MSIパッケージの作成

MSIパッケージの作成はSetup Capture実行時にオプションを有効にすると作成されます。

MSI package generation

Setup Captureで有効にしていなくても、Package.iniを編集して再ビルドすればMSIパッケージが作成されます。

Package.iniを開いてMSIFilenameの行を探してください。コメントアウトされているので、行頭の;を削除して有効にします。

MSIFilename=Notepad++.msi

その他のMSI設定はコメントアウトされたままで問題ありません。この状態でbuild.batを実行すると.msi形式のファイルが追加されます。

MSI package

MSIパッケージは他のファイルとともにbinフォルダーに作成されます。MSIパッケージを使用する場合は他のファイルは不要です。

MSIファイルをクライアントコンピューターにコピーします。

MSI package installing

ダブルクリックして実行するとパッケージが展開されます。自動的にThinReg.exeも実行され、関連付けやスタートメニューへの登録が行われます。

MSIパッケージの詳細なパラメータは公式ドキュメントを参照してください。

https://docs.omnissa.com/ja-JP/bundle/ThinAppUserGuideV2503/page/CustomizingMSIFileswithPackage.iniParameters.html

インストールされているアプリ

Windowsの「インストールされているアプリ」一覧からアンインストールすることで、関連付け等も含めて削除できます。


執筆協力

Nagisaworks 伊藤さま

ThinApp技術指南

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部
ソリューション技術統括部 技術推進室
後藤 正幸