ユーザーのペインポイントを見つけるためには?
はじめに
みなさん、こんにちは。UXPinの井駒です。今回は「ユーザーのペインポイント」についてお話しします。ユーザーが抱える問題は、あらゆるデザインプロジェクトの基礎となるものであり、その問題を解決することで、製品の使い勝手やデザイン性を高め、ビジネス価値を創り出すことができます。
顧客のペインポイントを特定する一番いい方法は、包括的なプロトタイプとユーザビリティテストです。本記事では、ユーザーのペインポイントを解決するためにUXPin Mergeの活用方法もご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
- ユーザーのペインポイントとは
- ユーザーのペインポイントの種類
- ユーザーのペインポイントの調査方法
- ユーザーのペインポイントを解決するためのヒント
- ペインポイントを解決するためにUXPin Mergeでプロトタイプを改善しよう
- まとめ
ユーザーのペインポイントとは
ユーザーのペインポイントとは、ユーザーが製品との関わりの中で経験する問題、摩擦、ボトルネックのことを指します。主な例として、以下のように製品において直接または間接的に関連している場合があります:
● 直接的なペインポイント :(例)ユーザーがタスクを完了できない
● 間接的なペインポイント :(例)ネットワーク接続、ログインできないなど
ネットワークのような間接的な問題は製品の故障ではありませんが、デザイナーは例えば、「重要な情報をユーザーのデバイスに保存して、オフラインで取り出せるようにする」というように、このような問題を最小限に抑える方法を見つけなければいけません。
ユーザーのペインポイントの種類
NNグループのサラ・ギボンズ氏は、ユーザーのペインポイントの3つのレベルについて以下のように説明しています:
- インタラクションレベル:組織の製品やチームメンバーとのインタラクションに関連するペインポイント
- ジャーニーレベル:カスタマージャーニーやユーザージャーニーに関連するペインポイント
- 関係性レベル:顧客がブランドとの付き合いの中で経験するペインポイント
各レベルには、以下の4種類のペインポイントがあります:
- 金銭面
- 製品面
- プロセス面
- サポート面
金銭面のペインポイント
金銭面でのペインポイントは、ユーザーを締め出す(有料コンテンツ等による)壁やプレミアムサービスに関するものです。このような金銭面でのペインポイントはユーザーにフラストレーションを招きますが、企業は生き残るためにお金を稼がなければならないので、必要なことなのです。
これを軽減する方法のひとつは、透明性を保つことで、ユーザーを「だます」ことやイライラを与えるようなことを避けることです。例えば、多くの製品において有料のサービスを開始できますが、後にアップグレードが必要になります。このプロセスでは、ユーザーは時間を浪費し、金銭的なペインポイントも増えてしまいます。
製品面のペインポイント
製品面のペインポイントとは、例えば、ユーザーがタスクを完了するまでに苦労したり、アプリがクラッシュするなど、ユーザーが製品を使う時に不満を感じる品質、パフォーマンス、ユーザビリティの問題を指します。
この4つのタイプのうち、製品面のペインポイントはUX(ユーザーエクスペリエンス)に大きな影響を与え、最終的にコンバージョン率、リテンション、NPS(ネットプロモータースコア)、顧客チャーンなどの他のビジネスメトリクスに影響を与えます。
製品面のペインポイントを特定して解決するには、ユーザーリサーチとテストが重要です。また、デザイナーはユーザビリティやパフォーマンスでの問題について、定期的なUX監査が必要です。
プロセス面のペインポイント
プロセス面のペインポイントは製品面のペインポイントと類似するところがありますが、UI(ユーザーインターフェース)単体やユーザビリティではなく、ユーザージャーニーとナビゲーションに焦点が当てられています。
その目的は、ユーザーが最小限の努力でタスクを完了できるように、プロセスを最適化することですが、重要なタスクやジャーニーに認知的摩擦を適用するような例外もあります。
カスタマージャーニーマップとユーザーテストは、プロセスの問題点を特定し、解決策をデザインする上で重要な役割を果たします。
ユーザーのペインポイントの調査方法
ユーザーのペインポイントを見つけるには、デザインチームは、リサーチ手法をいくつか駆使しなければいけません。
ユーザーペルソナ
ユーザーペルソナは、誰の問題を解決するのかを把握するための重要な第一歩であり、デザインチームは、ペルソナで以下のようなユーザーの概要を得られます:
- 背景
- 目標
- 動機
- フラストレーション(ペインポイント)
- 人口統計
- 製品データ
デザインチームは製品分析、ヒートマップ、その他のデータによって問題やボトルネックの特定ができます。このデータは、いつ、どこで、どのようにペインポイントが発生するかの把握する上で重要です。
ユーザーインタビュー
ユーザーインタビューで、ユーザーが特定の問題を経験する理由を理解するのに役立ちます。デザイナーは、ユーザーの回答が偏らないように自由形式の質問をすることで、正確なフィードバックを得ることができます。
また、このようなインタビューで、製品チームは人々の不満やそれが生活に与える影響を聞くことができるので、共感しやすくなります。
定性的な市場調査
定性的な市場調査では、特定の市場におけるユーザーの行動を調べ、問題(ペインポイント)と機会を探ります。そしてUXリサーチャーは、以下のようないくつかの方法を用います:
- フォーカスグループ
- 調査/アンケート
- ユーザーインタビュー
- 市場関連コミュニティ・フォーラム
- SNS
- データ分析
- サービスサファリ
サービスサファリとは、UXデザイナーが顧客になりきって、ユーザーの視点から製品体験を理解する没入型のリサーチ手法です。UXチームは、自社製品や競合他社のサービスサファリを実施し、ペインポイントやビジネスチャンスを特定します。
現地調査
問題解決の一番の方法は、多くの場合、ユーザーの環境下でユーザーの視点からその問題を体験することです。UXリサーチャーは、製品が実際に使われる場所に行き、彼らの行動や環境上の課題を観察します。
ユーザージャーニーマップ
ユーザージャーニーマップで、デザインチームのプロセスの可視化や、問題の特定が可能になります。ジャーニーマップは、デザインチームがペーパープロトタイプを作成し、解決策を反復するためのアイデア出しに不可欠です。
カスタマーサポートチケット
カスタマーサポートチケットは、よく製品のペインポイントを見つけるのに最適な場所になります。UXデザイナーは、そのチケットから、製品のリリースによって問題が解決されたかどうか、つまり、その特定の問題に対するカスタマーサポートチケットの停止または減少の動きを判断することもできます。
製品レビュー
製品レビューもまた、問題点の特定に優れたリソースです。デザイナーは、自社製品のレビューを分析して問題を解決したり、競合他社の製品を調査して機会を特定したりすることができます。
ユーザーのペインポイントを解決するヒント
複数のデータポイントを利用する
問題の特定には、UXチームは常に複数のデータが必要になります。UXリサーチャーは、ペインポイントの特定、優先順位付け、深い理解のために、上記で紹介したリサーチ方法を複数使う必要があります。
例えば、インタビューはユーザーの視点から問題を理解するには最適ですが、ペインポイントの特定や優先順位付けにはサンプル小規模すぎるため、信頼性に欠けます。1ユーザーがインタビューの中で問題を表明しても、その問題がより広い顧客層に反映されるとは限らないですからね。
ユーザーの声を積極的に聞く
ユーザーの問題を理解するには、フィードバックが重要であり、UXデザイナーには、このフィードバックを集めるのに、チャット、お問い合わせフォーム、インタビュー、アンケートなど、多くの手段があります。
透明性の確保
顧客向けの変更履歴や製品ロードマップは、「特定の問題を認識していること」と、「いつまでに解決するのか」をユーザーに伝えます。このような透明性によって、ブランドの信頼を築きながら、期待を管理することができます。
テストの反復
デザイナーは、デザインプロセスのあらゆる段階で、プロトタイプを使ってUIとフローをテストします。初期段階では、デザイナーはプロトタイプを使って、ペインポイントと機会を特定し、デザインプロセスの後半では、デザイナーは高忠実度のプロトタイプを使ってソリューションをテストし、反復します。
ペインポイントを解決するためにUXPin Mergeでプロトタイプを改善しよう
従来のデザインツールでの問題として、ペインポイントの正確な診断と、デザインソリューションが問題を解決しているかどうかを判断するための忠実度と機能性が欠けていることです。プロトタイピングツールと最終製品の間が繋がっていないということは、デザイナーが正確な結果とインサイトを得られないということです。
また、お粗末なプロトタイプは、デザインがビジネス要件を満たしているかどうかの判断や、賛同を得るのに重要なステークホルダーのフィードバックにも影響を及ぼします。
上記のような画像ベースのツールとは異なり、UXPin Mergeではデザイナーがインタラクティブなプロトタイプを構築することができます。
この没入型プロトタイプでは、ユーザー体験が最終製品と変わらないため正確なテストが可能です。プロトタイプの作成範囲が広がるとともに、ユーザビリティテスト参加者やステークホルダーから有意義なフィードバックが得られます。
まとめ
今回は、ユーザーのペインポイントついてお話しし、ペインポイントを解決するためのUXPin Mergeの活用方法をご紹介しました。
UXPin Mergeを使うことで、最終製品のイメージ通りにプロトタイプを構築することができます。また、デザインと開発間で同じコンポーネントを使うことができるので製品またはブランドの一貫性維持につながります。
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関連リンク
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UXPin社寄稿ブログ記事一覧
この記事の著者:井駒遥香
コードベースデザインツール「UXPin」で営業を行いながら、公式コンテンツ(ブログ、Twitter、チュートリアル動画)の運営も行っている。
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