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Nutanix .NEXT 2019 アナハイム Day1の最新情報(Nutanix製品アップデート情報)をお届け

ストレージ / HCI
2019.05.09

※本投稿で紹介される内容は、発表当時のものであり将来の機能実装をお約束するものではありません。

いよいよ、年に1度のお祭り、Nutanix .NEXT Anaheimが始まりました。

この記事はDay1ですが、Day0とDay2の記事も併せてご覧いただくと全容が把握しやすくなります。
Day0 - Nutanix .NEXT 2019 アナハイム Day0の最新情報をお届け
Day2 - Nutanix .NEXT 2019 アナハイム Day2の最新情報(Nutanix製品アップデート情報)をお届け

この記事では、Keynoteで発表された新機能を中心にご紹介します。

プロローグ

Nutanixは誕生して今年で10周年です。その10周年を祝うため、Nutanix提供開始初期からのエンドユーザーさまの声などが紹介されました。

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Nutanix初期からのユーザーが集結 10周年を記念して送られたのが、初代Nutanixのフロントベゼル!
続いてNutanix社CEOであるディラージ氏は、現在までのNutanixの振り返りを行いました。
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創業当時を振り返る、Nutanix社CEO ディラージ・パンディ氏 初期Nutanixの管理画面。
この時代Flash(FLEX) v.s. HTML5の戦いがあった時代(Android+Flash v.s. iPhone)
この当時Nutanixは、HTML5を採用し、以後このHTML5ベースが現在も踏襲されている。

新機能・新製品の発表

IMG_2835.jpg Xi Frame AHVワークロードに対応

はじめは、Nutanix Frameです。

Nutanix Frameはクラウドにコントローラーを持ち、VDIワークロードのデスクトップをパブリッククラウドであるAWSとAzureに展開ができる製品です。
一時的な利用ではなく、恒久的なVDI利用の場合、パブリッククラウドですとコスト高となることからオンプレミス(Nutanix AHV)上にVDIワークロードを配置する機能が搭載されました!
IMG_2849.jpg HPE+Nutanixのパートナーシップ

こちらは、すでにリリースされている情報ではありますが、改めて紹介が行われました。
IMG_2884.jpg ストレージパフォーマンスの改善
(Autonomous Extent Store (AES))

Nutanixのストレージ機能にはメタデーター管理としてCassandraが採用されています。しかしNVMeなどさらに高速なメディアを利用した際にその速度を余すことなく発揮できるよう、メタデーターの保存方法アーキテクチャーが変わりました。
IMG_2887.jpg SAP HANAの対応

SAP HANAは、パフォーマンス条件が厳しいことから動作するハードウェアが限定されます。Nutanixは、SAP HANAの認定を受けていますので、SAP HANA案件においても、Nutanixの特徴である必要なときに必要なだけ追加するPay as you goを体感することができます。
IMG_2889.jpg MEDITECH EXPANSEの発表

こちらは日本でいつからリリースされるか不明ですが、医療系ソフトウェアとNutanixアプライアンスのセット販売の体系のようです。

IMG_2897.jpg 新生 Nuitanix Karbon

Karbonはkubernetesを展開管理するための製品です。
以前ACS(Acropolis Container Services)としてリリースしましたが世の中の動向が変わったためNutanixも方針転換をして改めてリリースしました。

IMG_2901.jpg オブジェクトストレージ Nutanix Bucketsの誕生

NutanixをS3互換のオブジェクトストレージとして利用できるようにするための製品、Nutanix Buckets。膨大なファイル保存を必要とするIoTデバイスからのデーターなどは、膨大なファイル保存を必要とするIoTデバイスからのデーターなどは、オブジェクトストレージでの管理が適しています。そういった特定用途の利用を見込んでいると考えられます。まだ正式にはリリースされていませんがまもなくリリースのようです。
※また名前が変わるかも...という発言がさらっとありましたが、これはなにかの布石でしょうか。前例があるだけに私にとっては気になる発言でした。
IMG_2906.jpg バックアップアプライアンス Nutanix Mine

全く新しい製品として発表されたNutanix Mine。
Nutanixの無限の拡張機能を利用したバックアップアプライアンスのようです。Foundationを利用してNutanixクラスターとバックアップ管理ソフトなどを含め一括でデプロイし、すぐに利用できるようになるそうです。
Nutanixは、他社のバックアップソフトウェアと連携するためのAPIを公開し、連携するバックアップソフトウェアをPrismライクな画面で一括バックアップ管理ができるようになるようです。

まだ全容がよく見えていませんが、セカンダリストレージのような立ち位置として誕生したようです。
IMG_2915.jpg Nutanix MineとVeeamの強い連携

Mineのバックアップソフトウェア連携としてまずVeeam社との連携が一番最初に始まるそうです。NutanixとVeeamは、1年ほど前から共に開発を続けていたそうです。
IMG_2926.jpg Nutanix Mineと連携するバックアップメーカー

Nutanix Mineと連携するソフトウェアは第一弾がVeeamでしたが、その他のメーカーもNutanixの公開APIに準じて対応を行うようです。
IMG_2938.jpg Nutanix Mineの管理画面

こちらはまだ開発中の画面ですが、Prismライクな画面でバックアップジョブを管理する際に必要な情報がまとまって表示されたサマリーの画面が表示されています。
IMG_2928.jpg File Analytics

Nutanix Filesの分析ツールがリリースされました。
Files Ver3.5からTechPreviewとしてすでにリリースされていますので、皆様の環境でも利用することができます。
IMG_2929.jpg File Analyticsの管理画面

カラフルな画面で、ファイルサーバーのアクセス違反など危険な情報などを含め様々な情報を表示できます。
IMG_2961.jpg Nutanix Beam Compliance

Nutanix Beamは、もともとMinjarのBotmetricというSaaSサービスをNutanixが買収した製品です。この製品はクラウド上の仮想マシン等のコンプライアンス管理やコスト管理を行うソフトウェアです。今までは対象がクラウドだけでしたが、オンプレミスのNutanixもコンプライアンスチェックの対象になったことが新機能となります。
IMG_2975.jpg Nutanix FlowのActive Directory連携機能

Nutanix Flowは、AHVで利用できる仮想マシン単位で通信制御ができる製品です。今まではカテゴリベースで仮想マシンをグルーピングして通信ルールを定めていましたが、Active Directoryのセキュリティグループと連携することで、仮想マシンを利用しているユーザーに合わせて仮想マシンの通信制御をダイナミックに行うことができるようになります。
IMG_2991.jpg Application Aware Sensors

こちらは、Prism Centralに追加される機能です。
従来までのCPUやメモリーの使用状況から障害状況を確認するには限界が出てきます。そのため、様々なアプリケーションと連携してそのアプリケーションの管理・監視ができるようになります。
アプリケーション監視に困っている人にとっては救世主になってくれる期待ができます。
IMG_2986.jpg Application Aware Sensorsを利用したOracleの管理デモ

こちらは、実際にOracle Databaseでパフォーマンスが悪くなった際の調査のデモをしている画面です。
このグラフではOracleで実行されているトランザクション数が表示されています。これは、今までのPrism Centralでは取得できません。アプリケーションと連携できているからこその情報です。
この機能を利用すれば、パフォーマンス問題や不具合の原因を特定究明できる可能性が高まります。
IMG_2994.jpg Prism Pro X-Playの搭載

X-Playは、Prism Centralで管理するNutanixクラスター内で何らかの異常が発生した際にメールではなく、SlackやIFTTTでの通知を行ったり、仮想マシンに対してCPUをHotAddするなどの通知・アプローチを行うための仕組みです。
従来までのメールだけの通知ではなく、様々な通知方法が選べますし、通知せずに解決できるような作業であれば、X-Playに自動オペレーションをさせることもできます。

IMG_2999.jpg Xi Test Drive

こちらはNutanixのPrismを体感したい人のためにPrismの画面を一時的にトライアルで体験できる無料のサービスです。こちらは、NutanixとGCP(Google Cloud Pratform)の研究開発の第1弾のサービスとなります。
GCP上でNutanixが提供できるようにする研究開発を行っているようで、GCP上でNutanix環境とPrism操作ができる日は意外と近いかも知れません。
IMG_3014.jpg Built-in App Mobility with Nutanix Move


こちらは、Nutanix Calmにインテグレーションされているため、おもてだって見えないのですが、CalmでAWS上に展開した仮想マシンをオンプレミスNutanix(AHV)の環境に仮想マシンの環境をそのままに移行する機能が搭載されました。この機能は大変地味ではありますが、自動展開ツールでワークロード先を自由に変更できるというのは、運用においてはとても重要だと思います。なおこの仮想マシンの行こうにはNutanix Moveのエンジンが採用されています。
IMG_3026.jpg CalmでAWSに展開した仮想マシンをAHVに移行しているデモ画面

こちらではApacheなどのアプリケーション(仮想マシン)を移行中の画面です。AWSとオンプレAHVでCalmの仮想マシンの紐付きに応じてそれぞれの移行状況が対で表示されています。
また、画面中央部の緑の文字は、AWSからオンプレミス(AHV)に移行することでどのくらいのコストダウンができるかの試算が表示されています。
IMG_3053.jpg Nutanix on(in) AWS

ついにリリースされました。
これは、AWSのEC2ベアメタルインスタンス上にNutanixを提供するサービスが用意されるようです。
あくまでもこのサービスのために何らかの別の基盤をNutanixがAWSのデーターセンターにおいてといったものではなく、AWSが提供するサービスだけで実現する機能です。

※Nutanix on(in)と書かれているのは今回の発表では2つの表記がありどちらが正しいのか判断ができなかったためです。
なお、サービスの正しい名称は「Xi Cluster」ではないかと言われています。
IMG_3075.jpg

Nutanix on(in) AWSのデモ画面(Prism)


デモの画面の一部ですが、EC2ベアメタルインスタンスで稼働している環境のPrismでは、モデルが「AWS MODEL」と表示されています。
これは今まで見たことがないモデルですね。(当然ながらですが)

IMG_3081.jpg Nutanix on(in) AWS Hibernate


AWS EC2ベアメタルインスタンスを利用した場合、仮想マシンのバックアップをS3に保存する機能が追加されます。これがHibernateです。これにより自由に仮想マシンをS3にバックアップ・リストアができるようになります。
IMG_3088.jpg Nutanix on(in) AWSとAWSの各種サービスとの関係性

Nutanix on(in) AWSは、AWSのネイティブなサービス上で稼働します。そのため、既存のAWSのアカウントをそのまま利用することができます。またAWSのRoute53など様々なサービスともAWSのネットワークでそのまま利用することができます。



今日のKeyNoteだけでもなんと「15」を超えるNewが発表されました!
さらには、明日のKeyNoteも何らかの発表があるかも知れません。
お客様が求める物を、そしてinvisible cloudを実現するための新しい物がどんどん出てくるところを見ると、Nutanixの勢いとその進化はまだまだ止まらないと感じます。


この内容はSB C&S主催 Nutanix販売パートナー様向けのフィードバックセミナーにて皆さまに直接お伝えしたいと思います。

今回は、福岡、大阪、東京の3拠点で実施します。お申し込みは以下から行うことが可能です。

・5/23(木)福岡開催

・5/27(月)大阪開催

・5/29(水)東京開催


それでは、次回の投稿をお楽しみに。

著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 1課
技術統括部 第3技術部 1課
長濱 歳也/萩原 隆博