皆さん、こんにちは
SB C&S株式会社 技術担当の小川です。
ストレージを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。昨今とりわけ顕著にメッセージアウトされているのが、単純にストレージ内にデータを貯め込む、というだけではなく「実際に溜め込んだデータをいかにして利活用するか」というデータを中心とした考え方が色濃く出ていると感じます。NetApp社もそれぞれ個別のプロダクトとして展開するのではなく『Data Fabric』という概念をもとに、ハイブリッドクラウド環境でデータが自由に行き来し自由に活用できるビジネスを展開しております。
そのような環境の中でNetApp社は自社プロダクトに閉じることなく3rdパーティメーカーとも連携したデータ活用を促進しております。
本ブログではVeeam社のプロダクトに焦点を当て、ONTAPと"Veeam Backup & Replication"を連携させることにより生まれるデータ活用についてご紹介させていただきます。
まず、第1回としてNetAppプロダクトとVeeamプロダクトの販売に関わるの基本情報についておさらいしたいと思います。
NetApp社によるVeeamプロダクトの販売形態 |
通常ストレージプロダクトとVeeamプロダクトを購入する場合は、それぞれのメーカーから別々に購入することが一般的かと思います。
これに対しNetApp社ではVeeamプロダクトをリセール提供しています。そのためプライマリストレージからセカンダリストレージ、データマネジメントソフトウェアと言った一連のプロダクトがNetApp社から提供されているということです。NetApp社から提供されるVeeamプロダクトだからと言って使える機能に制限は設けていません。ライセンス体系に関してもそのまま購入することができます。
Veeamプロダクトが購入可能になる対象のNetAppプロダクト |
NetApp社からVeeamプロダクトを購入する場合、使える機能に制限を設けてはいませんがVeeamプロダクト単体での販売は行っておらず、特定のNetAppプロダクトと組み合わせることで販売することができるようになります。Veeamプロダクトと組み合わせで購入することが可能なプロダクトと要件に関しては以下のように定義されています。
NetApp プロダクト |
購入要件 |
NetApp FAS/ AFF シリーズ |
プライマリおよびセカンダリストレージとして使用する場合 |
NetApp HCIシリーズ |
セカンダリストレージにE-SeriesまたはHCIシリーズを用いたときのプライマリストレージとした場合 |
NetApp E-Series 2800 Express |
NetAppまたはNetApp以外のプライマリストレージ上のデータのバックアップ先としてのセカンダリストレージとして使用する場合 |
StorageGRID |
VeeamのCloud Tier S3コネクタとE-Series、StorageGRIDを統合する場合 |
※本ブログ記事の執筆時点での2019年7月現在、Cloud Volumes ONTAPはプライマリ及びセカンダリストレージとしてVeeamの認定は受けていません。
NetApp社から購入可能なVeeamプロダクト |
NetAppプロダクトと合わせて購入可能なVeeamプロダクトおよびエディションは以下のプロダクトとなります(2019年7月現在)
- Veeam Backup & Replication Enterprise
- Veeam Backup & Replication Enterprise Plus (adds storage snapshot support)
- Veeam Availability Suite Enterprise (Backup & Replication with Veeam ONE)
- Veeam Availability Suite Enterprise Plus (adds snapshot support)
- Veeam Server Agent Subscription SKUs
- Veeam Workstation Agent Subscription SKUs
- Veeam Instance Licensing (VIL)
"Veeam Backup & Replication"はデータのバックアップ・リストア、ストレージプロダクトの統合管理などを行うデータマネジメントソフトウェアです。NetAppプロダクトと同時に購入する場合はStandardエディションには対応しておらず、Enterprise以上のエディションとなります。Veeam Backup & Replication EnterpriseはVMware vSphereとMicrosoft Hyper-Vの仮想環境向けに1つの管理画面でVMのバックアップとレプリケーションを統合します。
"Veeam Availability Suite Enterprise"は、Veeam Backup&Replicationのバックアップ、復元、および複製機能とVeeam ONEと組み合わせたものです。 Veeam ONEは、Veeamバックアップインフラストラクチャと、VMware vSphereおよびMicrosoft Hyper-V仮想環境用の監視、レポート作成、および容量計画ツールを提供します。
それぞれのプロダクトでEnterprise Plusの上位エディションを選択した場合は、NetAppプロダクトのスナップショットと連携しバックアップを取得することが可能になります。
VeeamのライセンスとONTAPの機能一覧は以下となります。
Veeam Backup |
Enterprise |
Enterprise Plus |
機能補足 |
スナップショット |
・Snapshot ・SnapMirror |
・Snapshot ・SnapMirror |
VMware VMのクラッシュ整合性またはアプリケーション整合性、およびアプリケーションと連携したONTAPのSnapshotをVeeam Consoleから作成 |
Veeam Explorer |
・インスタント ・ゲストファイル ・アプリケーション |
・インスタント ・ゲストファイル ・アプリケーション |
VMware VM、VMゲストファイル、VMアプリケーションアイテムをONTAPのSnapshotから復元 |
Snapshotから |
対応 |
VMwareの本番環境に影響を及ぼさずに必要な頻度でONTAPのSnapshotからイメージベースのバックアップとレプリカを作成 |
|
On-Demand |
対応 |
ONTAPのSnapshotからテスト、開発、検証などの目的で閉鎖されたネットワーク環境の仮想ラボを作成 |
今回はVeeamプロダクトをNetAppから購入する際の情報に関して整理させていただきました。
次回からはVeeam Backup & Replicationの管理コンソール側からONTAPのSnapshotを取得する方法*1やVeeam Backup & ReplicationとONTAPのストレージスナップショットを連携し、ONTAPのSnapshot内からデータのバックアップを取得する方法*2などのよく利用されるユースケースを例にしながら説明していきたいと思います。
*1 Veeam Backup & ReplicationのEnterprise エディションで対応可能
*2 Veeam Backup & ReplicationのEnterprise Plusエディションが必要
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著者紹介
SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 2課
小川 正一(VMware vExpert)