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『FabricPool』をもっと理解するためのアーキテクチャ紹介 〜その2〜

ストレージ / HCI
2020.05.11
みなさん、こんにちは
SB C&S 技術担当の小川です。
 
「『FabricPool』をもっと理解するためののアーキテクチャ紹介 〜その1〜」ではFabricPoolの構成イメージとデータ移動のアーキテクチャを紹介しました
今回は各階層ポリシーにおけるデータ読み込み時のアーキテクチャを紹介します
 
 各階層化ポリシーにおけるデータの読み込み                             
 
FabricPool環境にデータを保存すると階層化ポリシーに従いCloud Tierとして設定されたオブジェクトストレージへデータが転送されます。保存したデータの読み込みの仕組みは各階層化ポリシーで異なります。
ここでは各階層化ポリシーにおけるデータ読み込みの流れを解説します。
 

■Autoポリシーにおけるデータの読み込み

Autoポリシーに従いCloud Tierにデータが保存されているデータの読み込みはランダムリードとシーケンシャルリードで動作が異なります。
 
●ランダムリード
Autoポリシーが設定されているFlexVolにランダムリードアクセスがあった場合、Cloud Tierに保存されたデータに対してアクセスがあると対象のデータをCloud TierからLocal Tierに移動させホットブロックとして配置します。この時、4MBのオブジェクト全体を移動させるのではなく、4〜256Kの読み取りアクセスがあったブロックのみLocal Tierに移動します
  
なお、Local Tierの使用率が70%を超えている場合は対象データのCloud TierからLocal Tierへの移動は行われずにLocal Tierを介さない読み込み動作になります。このとき読み込み動作はLocal Tierを介さないだけなのでクライアントからのアクセスはコントローラを介したアクセスになります。オブジェクトストレージへの直接アクセスではないのでご注意下さい。Local Tierの使用率についてはSnapshot Onlyポリシーでも適用されます。
 
 
●シーケンシャルリード
Autoポリシーが設定されているFlexVolにシーケンシャルリードアクセスがあった場合、Cloud Tierに保存されたデータに対してアクセスがあると対象のブロックをCloud TierからLocal Tierに移動させることなく読み込まれます。このときの読み込み動作はLocal Tierを介さないだけなのでクライアントからのアクセスはコントローラを介したアクセスになります。オブジェクトストレージへの直接アクセスではないのでご注意下さい。
 
 

■Snapshot Onlyポリシーにおけるデータの読み込み

Snapshot Onlyポリシーにおけるデータ読み込み時の動作はデータのリストア方法によって異なります。
 
●データコピーによるリストア
例えばCIFSアクセスが可能な環境で、取得したSnapshotへのアクセスを許可すると~snapshotというフォルダへのアクセスが可能となりファイルをコピー&ペーストでリストアすることができます。
そのコピー実行時にデータの読み込みが発生するため、LocalTierの使用率が70%以下であればCloud TierからLocal Tierにデータの移動が発生しホットブロックとしてLocal Tierに配置されます。
 
 
●SnapRestoreによるリストア
SnapRestoreによるデータのリストアを実行した場合、データのコピーは発生せずにブロックの参照情報が切り替わることによりリストアが実行されます。そのためSnapRestoreが実行された段階ではCloud TierからLocal Tierへのデータの移動は発生しません。
 
 
その後Cloud Tierに保存されたデータに読み込みが発生するとLocal Tierへデータが移動します。
データ移動後はホットブロックとしてLocal Tierに配置されます。
 
 

■Allポリシーにおけるデータの読み込み

Autoポリシーが設定されているFlexVolに読み込みが発生した場合、ランダムリード、シーケンシャルリードを問わずLocal Tierにデータが移動することなくデータが読み込まれます。このときの読み込み動作はLocal Tierを介さないだけなのでクライアントからのアクセスはコントローラを介したアクセスになります。オブジェクトストレージへの直接アクセスではないのでご注意下さい。
 
 

Local Tierの残存データからの読み込みによるオブジェクトストレージからのデータダウンロードの削減

Allポリシー以外でLocal TierからCloud Tierにデータが転送された際、Local Tierに配置されていたデータはすぐに削除されるわけではありません。データがCloud Tierに移動されたステータスであってもONTAPのバックグラウンド処理で削除されるまではデータはLocal Tierに残ります。
FabricPoolではLocal Tierに残存データがある場合はCloud Tierから読み込まずLocal Tierから読み込みます。これによりパフォーマンスの安定だけでなくCloud Tierからのダウンロード時のコストを最小限に抑えることができます。
 
 
 
今回はFabircPoolの各仮想化ポリシーにおけるデータの読み込み時のアーキテクチャを紹介しました。
今回の説明させて頂いた内容のポイントは以下となります。
 

今回のポイント

  • Autoポリシーにおけるデータの読み込みはランダムリードとシーケンシャルリードで動作が異なる
  • Autoポリシーでランダムリードアクセスが発生した場合、データがCloud TierからLocal Tierへ移動しホットブロックとして保存される
  • Autoポリシーでシーケンシャルリードアクセスが発生した場合、Cloud Tierからデータを読み込む
  • Snapshot Onlyポリシーでデータコピーによるリストアを実施した場合、データがCloud TierからLocal Tierへ移動しホットブロックとして保存される
  • Snapshot OnlyポリシーでSnapRestoreによるリストアを実施した場合、リストア実行直後はデータの移動は発生しない
  • AutoポリシーとSnapshot OnlyポリシーでLocal Tierの使用率が70%以上の場合、Cloud TierからLocal Tierへのデータの移動は発生しない
  • Allポリシーにおけるデータの読み込みはLocal Tierへのデータ移動は発生せずにCloud Tierからの読み込みになる
  • Local Tierに残存データがある場合、Cloud Tierから読み込まずLocal Tierから読み込まれる

 

 

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著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 2課
小川 正一(VMware vExpert)