こんにちは。SB C&Sの羽根です。
本日はPTC社よりリリースされている3次元CAD「Creo Parametric 7.0」の簡単なご紹介をしていきたいと思います。
Creo 7.0とは?
2020年4月14日よりPTC社からCreo Parametricシリーズの最新版「Creo Parametric 7.0」がリリースされました。
Creo Parametricは世界初のパラメトリック3次元CADソフトウェアです。
2011年からCreoに名称が変更されましたが、もともとは「Pro/ENGINEER」という名前でした。
トップダウン設計や大規模アセンブリの処理、AR連携といった様々な機能を標準で搭載しています。
今回は新たに追加された「ジェネレーティブデザイン」及び機能強化された「Creo Simulation Live」の
ご紹介をしていきます。
ジェネレーティブデザイン
Creo Parametric 7.0から新たにFrustum社のテクノロジーを採用して
ジェネレーティブデザインという機能が追加されました。
ジェネレーティブデザインとは、目標や拘束条件、荷重、製造性を設定して、
3次元モデルを自動で作成することができる機能のことです。
ジェネレーティブデザインはAutodesk社のFusion 360という3次元CADソフトにも
搭載されているのですが、Creo Parametric 7.0では以下のような特長があります。
・ジェネレーティブデザインにより生成された形状はB-rep形式になるためそのまま利用可能
・Creo Parametric 7.0に完全統合されているため、ユーザーがジオメトリや設定を変更すると自動で結果が更新
・特許取得済みのカーネルにより、通常の製造要件に最適化された設計が可能
Creoではフリースタイルモデリング機能を使って、ジェネレーティブデザインで生成されたモデルに
変更を加えて利用することも可能です。
モデル生成のスピードも早いため、「設計の最適化」にかなり貢献できる機能となっています。
Creo Simulation Live
Creo Parametric 7.0では「Creo Simulation Live」という機能が強化されました。
Creo Simulation Liveは、ANSYS社のリアルタイム解析ソフトウェア「ANSYS Discovery Live」が
Creoに統合されたものです。
Creo Simulation Liveでは以下の解析が可能です。
・構造解析
・熱伝導解析
・固有値解析
・数値流体解析
主に構想段階、及び詳細設計段階で使う機能となっています。
こちらの機能の大きな特長は、設計データをリアルタイムに迅速に解析ができる、という点です。
通常はCAD上でモデルを作成し、データをエクスポートして解析ソフトを使用する必要があるのですが、
Creo Simulation Liveは全てCreo Parametric上で完結させることができるため、手順を少なくすることが可能です。
また、こちらの機能はCreoに完全統合されているため、Creo上で設計変更をした場合、即座に解析結果に反映させることができます。
設計→Creo Simulation Liveの実行→解析結果を踏まえてモデルを修正→Creo Simulation Liveの実行→修正
のプロセスを実行することで、設計者の意図や要件を的確にモデルに反映させることができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
これらの最新機能を使うことで、より設計の効率化を図ることができそうですね。
Creo 7.0ではこの記事だけでは紹介しきれなかったアップデートがまだまだあります。
PTC社のホームページには動画やより詳しい説明が載っておりますので、
もし気になられた方は是非見てみてください。
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著者紹介
SB C&S株式会社
クラウド・ソフトウェア推進本部
CAD&ドローン&AR事推課
羽根 隆嘉