以前、Automation Anywhereの資格試験の
「AA認定アドバンスドRPAプロフェッショナル(V11)」についてご紹介しましたが、
今回はこの試験のA2019版である
「Automation Anywhere認定アドバンスドRPAプロフェッショナル(A2019)」についてご紹介します。
なお、本記事の内容は、Automation Anywhere社公式の内容ではなく、
弊社メンバーの受験結果を分析調査した結果となりますので、その点はご了承ください。
目次
1. Automation Anywhere University
2. 試験概要
3. 試験詳細
4. 出題傾向(全体)
5. 出題傾向(パッケージ)
6. まとめ
1. Automation Anywhere University
まず改めてAutomation Anywhere Universityについてご紹介します。
UniversityはAutomation Anywhere製品について動画で学ぶことができるサイトです。
利用はもちろん無料ですし、日本語のコンテンツもたくさんあります。
v11用の講座は一部英語だったり、日本語がビミョウだったりしましたが、
A2019用の講座はかなりクオリティが上がっていますので、ぜひ受講してみてください。
Automation Anywhere University
https://www.automationanywhereuniversity.com/
v11の試験では、必須受講講座が設定されていましたが、A2019では必須設定にはなっていませんでした。
ただ、試験内容はほぼ講座で扱ったものでしたので、以下については事前の受講をオススメします。
はじめてのBot(A2019): Bot作成入門
https://automationanywhere.litmos.com/course/3311158
Excelコマンドによるタスクの自動化(A2019)
https://automationanywhere.litmos.com/course/3651676
レジリエントなBotの構築(A2019)
https://automationanywhere.litmos.com/course/3651673
拡張性のあるBotの開発(A2019)
https://automationanywhere.litmos.com/course/3650412
上記講座を受講した際は、[リソース]を必ず確認しましょう。
演習の[ステップリスト]をPDFで入手できますので、復習の際に役立ちます。
下記図の右側に並ぶアイコンの上から2つ目になります。
2. 試験概要
今回ご紹介する試験は下記になります。
Automation Anywhere認定アドバンスドRPAプロフェッショナル(A2019)--- Advanced Japanese
https://automationanywhere.litmos.com/course/3738721
[コンテンツライブラリ]ではなく、[ホーム]画面だけに表示されている可能性があります。
下記のアイコンを見つけてクリックすると詳細が確認できます。
もしくは上記URLへ直接アクセスを試みてください。
アイコンが見つからない or URLへアクセスするとエラーになる場合は下記へ問い合わせましょう。
University専用の問い合わせ窓口(Japan)
learningjapan@automationanywhere.com
以下の内容も併せて連絡してください。
・Universityを利用しているアカウント(メールアドレス)
・氏名
・所属企業名、部署名
・対象コース名
・問題がある内容(表示されない、ロックされた、など)
v11のときと同じく、すべての設問に回答すると[回答を見直す]ページへ遷移します。
ここから、戻って回答を修正することができます。
また、画面右上には経過時間が表示されます。
また、v11のときと同じく、受験結果では、正答率が表示されるだけで、正解は教えてもらえません。
ですから、100%正答しない限り、どの問題の回答が正しかったのかもわからないです。
3. 試験詳細
試験はオンラインテストのみで、2時間で60問の設問に回答します。
正答率が80%を超えれば合格です。
v11のときは40分間で85問でしたので、今回はかなり余裕のある設定になっています。
チャレンジは2回までです。もし2回目も不合格になってしまった場合の対応については、
試験講座の中の「よくあるご質問」に記載されていますので、確認してください。
v11と同じく、問題は選択肢から選ぶ方式ですが、
回答が1つだけの場合もあれば、回答が複数ある場合もあります。
複数選択はほとんどが2つ選択で、一部3つ選択がありますが、
「あてはまるものをすべて選択」のような出題はありません。
また、v11と同じく、選択肢の並び順が表示する度に変わります。
回答を見直した場合も毎回変わっていましたので、
選択肢をよく読まないで、「さっきは一番上を選択したから。。。」というような
判断をするとキケンですので、注意してください。
v11とは違って、受ける度に出題される問題は変わるようです。
1/3くらいは入れ替わっている印象です。
弊社のAutomation Anywhereチームでは、6月末時点で10名以上のメンバーが合格しておりますが、
そのうち、[回答を見直す]ページを保存していた数名の分を分析しました。
一部英語で受験した者もおりますが、出題内容は変わらないようでした。
また、ほぼ同じ内容なのに、一部分だけ異なるような問題や、
ほぼ同じ内容なのに、択一だったり、複数選択だったりする問題がありました。
1回目不合格になって、再度受験するときは、問題文を気を付けて読まないと
罠にはまりますので、ご注意ください。
v11の試験では画面項目名などが英語になっていてちょっとわかりにくかったのですが、
A2019の試験では、ほとんどが日本語表記と併記されているので、かなり改善されました。
実際の製品の日本語表記がBuildによってちょっと変わったりしていますが、
こんなのあったっけ!?みたいなのは無かったので、
たぶん表記が固まっているようなメジャーなものしか出題されてなかったのだと思います。
(この記事の執筆にあたってはA2019.14 (Build 5322)で確認しました。)
4. 出題傾向(全体)
調査の結果、出題傾向はざっくりこんな感じでした。
1問で複数分野に該当するものもあります。
v11ではControl Roomの機能に関する出題が40%くらいありましたが、
A2019では6%と、かなり減っています。
今回出題されていたのは、ほとんどがデバイス登録に関するものと、
Botのチェックイン/チェックアウトに関するものでした。
デバイス登録はみなさん一度は実行しているはずですが、
かなり前にやったっきりで覚えていない。。。という方は、
関連する[デバイス]メニューや資格情報を登録するデバイスアイコンなど、
見返しておいていただくとよいのではないでしょうか。
今後のバージョンとは違いが発生するかもしれませんので、
下記の記事もご参照いただくとよいと思います。
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere -【A2019】デバイス登録とBot Agent
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200701_AutomationAnywhere-A2019-RegisterDevice-BotAgent.html
チェックイン/チェックアウトは、
Botを[非公開]タブと[公開]タブの間で移動するための機能になりますので、
Community Editionでは試せないと思います。
製品ドキュメントにもこの部分に特化したページが無いので、
下記の記事をご参照ください。
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere -【A2019】Bot の公開<チームで Bot を共有するには>
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200812_AutomationAnywhere-A2019-PublishBot.html
変数は、以下の点がポイントになると思います。
・どんなデータ型があり、どんなときに使用するのか
・データ型に特化したパッケージ(特にデータ型の変換)
下記の記事にまとめてありますので、ぜひご参照ください。
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere -【A2019】変数
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200226_AutomationAnywhere-A2019-Variable.html
「Bot作成時の考え方」と分類した問題は、特定のパッケージについてではなく、
最初に紹介したUniversityの4講座で学ぶ概念に関する出題になります。
すでに多数のBotを作成している方や、過去にプログラミング経験がある方にとっては
特に対策をしなくても身に付いている内容かと思います。
資格情報(Credential Vault)については、実際に使用するには
複数のユーザーにそれぞれ適切なロールを設定する必要がありますので、
なかなか難しいかと思いますが、そこまで深い出題は無かったように思います。
どんなときに使用するとよいのかと、関連ワードを暗記しておけばよいのでは。
こちらも下記の記事にまとめてありますので、ぜひご参照ください。
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere - Credential Vault 触ってみた
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200420_AutomationAnywhere-CredentialVault.html
一部、Bot InsightやIQ Botに絡めた出題もありましたが、
なんのための製品かだけ押さえておけば詳しくなくても大丈夫そうでした。
オートメーション・エニウェア・ジャパン > 製品 > BOT INSIGHT
https://www.automationanywhere.com/jp/products/bot-insight
オートメーション・エニウェア・ジャパン > 製品 > AUTOMATION ANYWHERE IQ BOT
https://www.automationanywhere.com/jp/products/iq-bot
5. 出題傾向(パッケージ)
全体の60%近くを占めている「パッケージ」に関する出題を
もう少し詳しく見ていくと、割と基本的なものについての出題が多いことがわかります。
ほとんどは、最初に紹介したUniversityの4講座で使ったものになっていましたので、
講座で出てきたパッケージやアクションについては、
設定項目について押さえておけば、かなり役立ちます。
「その他」に分類したものについては、
フォルダ、ファイル、PDF、ファイルに記録(Log to file)などありましたが、
かなり表面的な内容しか出てきませんので、
パッケージ名やアクション名から推測可能だと思います。
各パッケージについては、下記製品ドキュメントにも目を通しておくとよいでしょう。
製品ドキュメント > アクション 作成用の Bot パレットの内容
https://docs.automationanywhere.com/bundle/enterprise-v2019/page/enterprise-cloud/topics/aae-client/bot-creator/using-the-workbench/cloud-commands-panel.html
なぜかこれだけ上記ページからリンクされていなかったので、こちらも記載しておきます。
製品ドキュメント > [レコーダー] パッケージ
https://docs.automationanywhere.com/bundle/enterprise-v2019/page/enterprise-cloud/topics/aae-client/bot-creator/commands/cloud-recorder-command.html
なお、Excelパッケージについては、3つありますので、どういうときにどれを使うか
というような出題もありました。
以下の記事で詳しく解説してますので、ぜひご参照ください。
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere - 【A2019】データソースを使う(Excel 編)
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200428_AutomationAnywhere-A2019-ReadExcel.html
「パッケージのバージョン管理」については下記製品ドキュメントも見ていただきたいですが、
ポイントとしてはControl Roomをアップデートして
パッケージのバージョンもアップデートされたとしても、
既存のBotで使用するパッケージのバージョンは作成された時点のままとなる、という点になります。
製品ドキュメント > パッケージを管理
https://docs.automationanywhere.com/bundle/enterprise-v2019/page/enterprise-cloud/topics/aae-client/bot-creator/using-the-workbench/cloud-package-management.html
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere -【A2019】パッケージとは?
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200603_AutomationAnywhere-A2019-Package.html
また、エラー ハンドラー パッケージについては、他のプログラミング言語の経験が無い方は
少々イメージしにくい部分もあるかと思いますので、下記参照していただければと思います。
C&S ENGINEER VOICE > Automation Anywhere - 【A2019】Error Handlingの紹介
https://licensecounter.jp/engineer-voice/blog/articles/20200729_AutomationAnywhere-A2019-ErrorHandling.html
6. まとめ
以上見ていただくとわかるように、Bot作成にフォーカスした出題となっています。
v11の試験ではControl Roomの機能に関する出題が多かったので、
Community Editionを使っている場合は実際に試してみるということが難しく、
製品ドキュメントで知識を仕入れるだけしかできなかったかと思いますが、
A2019ではBot開発者向けの内容となっています。
すでにバリバリBot作成されている方なら、かなり余裕な内容となっていると思います。
逆にまだそれほどBotを作っていない方は、Universityの演習をしっかりこなした上で、
一部をご自分の業務に関するものに変更したBotを作ってみたりすると、
より理解が深まるのではないでしょうか。
合格するとPDFでダウンロードできる認定証を発行してもらえますので、
自分の実力の証明にもなり、お仕事にも役立つと思います。
ぜひチャレンジしてみてください。
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著者紹介
先端技術推進統括部
RPAビジネス推進部
西尾 玲