SB C&Sの最新技術情報 発信サイト

C&S ENGINEER VOICE

SB C&S

HPE DXのメリット「HPE InfoSightとサポート体制」について

ストレージ / HCI
2020.10.26

(2023年10月20日 追記)本記事で紹介しております、HPE InfoSight for ServersにつきましてはHPE社からサポート終了が発表されました。以下の記事から詳細情報をご確認ください。

SB C&SでHCIプリセールスを担当する長濱です。
 
今回は、HPE ProLiant DX(以下、HPE DX)におけるHPE InfoSightとの連携の仕組みと、先日アナウンスのありましたHPE社とNutanix社のアライアンスによるサポート体制強化について紹介します。
HPE DXについては、弊社SEが過去に投稿した記事をご覧ください。

HPE InfoSightとは

HPE InfoSightは、HPE社ハードウェア製品の使用状況やステータスを可視化したり、障害の予兆を検知することによりユーザーの負担を低減させるAIOps プラットフォームです。
お使いのHPE製品の利用情報をクラウドに集約することで、ユーザーはいつでもどこからでも自社の状態を知ることができます。また、HPE社に蓄積されたナレッジを基にした高度な分析により、障害の予兆を検知し、ユーザー環境を不測の事態から守ることが可能となります。
InfoSight自体はもともとNimble Storage社のストレージ製品向けに提供されていましたが、2017年 HPE社がNimble Storage社を買収したことにより、現在はHPE InfoSightとしてNimbleを含めたHPE社のハードウェア製品をサポートしています。
本記事は、HPE DXの監視に対応している、HPE InfoSight for Serversを基に紹介しています。
(公式)HPE InfoSight

HPE InfoSight for Serversの仕組み


(2023年10月20日 追記)本記事で紹介しております、HPE InfoSight for ServersにつきましてはHPE社からサポート終了が発表されました。以下の記事から詳細情報をご確認ください。

自社の情報をHPE InfoSight(クラウド)へ送信するには、HPE社から提供されるiLO Amplifier Packと呼ばれる仮想アプライアンスが使われます。
この仮想アプライアンスがプロキシとなり、HPE DXのiLOポートから情報を収集し、HPE InfoSightへインターネットを介して情報を送信する役割を果たします。
iLO Amplifier Packは、外向けの宛先「infosight.hpe.com:443」および「midway.ext.hpe.com:443」を許可する必要があります。

▼HPE InfoSight for Serversのイメージ

(公式)HPE InfoSight for Servers
(公式)iLO Amplifier Pack
ここで、HPE DXとHPE InfoSightの連携について情報の共有です。
※これらは検証時点によるものですので、今後ご利用になる方は最新の情報をご確認ください。

・iLO Amplifier PackをAHV上で起動することは現時点では非サポート

iLO Amplifier Packの要件として、VMware ESXi/Microsoft Hyper-V/KVMの記載がありますが、Nutanix AHVはありません。
HPE社サポートにも確認しましたが、現時点では非サポート。という回答でした。
しかし、Nutanix AHVはLinux KVMをベースとしたハイパーバイザーであるため、KVM上にiLO Amplifier Packをデプロイする際の仮想ディスクファイル(.QCOW2)をNutanix AHVのイメージサービスに登録することで、AHV上にiLO Amplifier Packをデプロイすることができます。
検証時点では非サポート構成にはなりますが、2社のアライアンスにより今後AHVでも正式にサポートされることを個人的には期待しています。

・ファームウェアのアップデートについて

HPE InfoSightの画面でファームウェアのアップデートを薦められた場合、HPE DXでは従来のProLiantサーバーにおけるアップデート手順ではなく、NutanixのLCMを用いたファームウェアアップデートを行います。
HPE InfoSightでは、お使いのHPE DXにおけるデバイスのファームウェアアップデートを推奨する場合がありますが、HPE DXではファームウェアの管理をNutanix側のLCM(Lifecycle Management)機能で対応しています。
LCMはPrismの画面上から確認することが可能で、ファームウェアのアップグレード作業もクリック操作により簡単に行うことができます。

▼LCMからHPE DXのファームウェアアップデートを行う画面(HPE社からファームウェアアップデート用に提供されるサービスパック「SPP」を使っていることがわかる)

・HPE InfoSightからサポートへの問い合わせ

HPE InfoSightではハードウェア障害で発生したアラートをトリガーにHPE InfoSightのWeb UIからHPEサポートへの問い合わせ(ケースオープン)を行うことも可能です。

サポート体制の強化

2020年の8月よりHPE ProiLiant DXに関するサポート体制が強化され、HPEサポート窓口によるサーバーおよびNutanixソフトウェアのお問い合わせ受付が可能になりました。
これは日本国内だけの特別なサポート体制となる様です。

▼HPEサポートによるHPE DX問い合せのイメージ

上図のとおり、問い合せた内容が仮にソフトウェアの問題と判断された場合、HPE社からNutanix社に対し代理でケースオープンすることで、Nutanixサポートから対処方法の連絡がくる、という流れになります。
これらを迅速に行うためにはNutanix社の定める必要情報(Software RegistrationKeyや優先度など)が必要となるため、問い合せの際にメール本文などで予め提示しておくとその後のやり取りがスムーズに進むと思われます。

さいごに

Nutanix専用アプライアンスであるHPE ProLiant DXを使ったInfoSight for Serversおよび強化されたサポート体制の紹介でした。
SB C&SではDX提案案件やNutanixビジネス開始を検討している販売店様向けにDXのお貸し出しを行っています。
台数には限りあり、お貸し出しまでにお時間をいただく場合がございますのでお早めにご相談ください。
お貸し出しのご依頼は、ENGINEER VOICE問い合わせ窓口までご連絡ください。弊社の担当営業よりご連絡させていただきます。

他のおすすめ記事はこちら

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 3課

長濱 歳也 -Toshiya Nagahama-

◇◇◇執筆書籍◇◇◇
・(2019年5月)Nutanix Enterprise Cloud クラウド発想のITインフラ技術
・(2017年4月)Nutanix Hyper Converged Infrastructure入門